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第2章 シャウラ村編
第30話 毒の川の調査2
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倒したのは20匹ほどの巨大なガマガエル。警戒しながら洞窟の奥へ行くと、天井から陽の光が差し込む泉があった。泉自体は毒に汚染されておらず、水底にはガマガエルの卵がチューブ状に連なって沈んでいる。
「こいつも始末せんといかんな」
その卵を引っ張り出し、倒したガマガエルの所まで持ってくる。
「外に運び出すのは無理だな。ここで全部燃やさんとダメか」
アイシャとカリンには、ガマガエルの背に触らないように、腹を裂いて魔石が取れる物だけ取ってもらう。
俺とチセで洞窟の外の木を切り倒して洞窟内に持ち込んだ。
木に火をつけた後、洞窟の外に出てカリンに風魔法で空気を送り込んでもらう
ガマガエル達には悪いが、全てを燃やし尽くそう。森の奥の方から何本かの煙が立ち昇る。洞窟の隙間から風が抜けているのだろう。
木が燃え尽きた後も、酸欠にならないようにカリンに大量の空気を送ってもらい、俺とアイシャで洞窟内を確認する。ガマガエルは骨まで燃え尽き、泉に卵もない。熱せられて湯気の上がる泉の奥からは、透明な綺麗な水が流れ出ている。
これなら大丈夫そうだな。
まもなく夕暮れだ。野営の準備をしよう。ガマガエルの魔物は倒しても、森の中には危険な魔獣は沢山いる。今夜はこの洞窟で一夜を明かそう。
4人順番に寝て朝を迎える。洞窟の入り口付近で野営し、警戒するのは前方だけなので夜警も楽だったな。
「ユヅキさん。まだ毒の跡が残っているわね」
アイシャが顔や腕に薬草を優しく塗ってくれる。
「もうこれで大丈夫よ」
カリンも光魔法で治療してくれた。昨日、ガマガエルとの戦闘で受けた毒で顔や腕など所々ミミズ腫れになっているが、この程度の痛みなら我慢できる。
「ありがとう、俺は大丈夫だ。ここまで村から鐘2つほどだな。この先にある泉を確認してから帰りたい」
村長に見せてもらった地図によると、それ程遠くない場所に最後の3つ目の泉があるはずだ。村まではここから約6時間で帰る事ができる、ここを拠点に先に進み確かめておきたい。
「そうね。ユヅキの怪我も大丈夫そうだし折角ここまで来たんだから、もう少し先に進みましょう」
野営道具をこの洞窟に残して身軽になって、魔獣のいる森を進んでいく。
途中何匹かの魔獣を倒しながら進んでいくと水音が聞こえる。歩を進めた先には小さな滝があった。
「ここの水は正常だな」
透明で綺麗な水、少し口に含んでみたが異常はなかった。高さ4m程の急坂の上から勢いよく水が落ちているが、川幅は1mもない。垂直の崖じゃないし、その両脇をよじ登る事も容易だ。
水しぶきを浴びて登る滝は気持ちがいいな。魔獣がいなければここを滑り降りたりと遊べたんだがな。
小さな滝を登った後も川沿いを進んで行くと、最後の泉を発見した。
「ここまで、鐘半分と言ったところかしら」
「割と近かったわね」
「ここで少し休憩しようか」
第2の泉の洞窟から約1時間半。ここは清く透き通った水が湛えられた清々しい場所。魔の森の中にあるオアシスといったところか。
泉の奥まで差し渡し10m程か、前の泉よりも広く周りは樹木に囲まれている。上空からは陽の光が差し込む明るい場所だ。
「冷たくて美味しい水じゃない。これが村まで流れてるのね」
「これが本来の川の水なんですね。早く毒が薄まるといいですね」
人の身長よりも深いようだが、泉の底まではっきりと見えていて浅く見えるな。砂底から水が渾々と湧き出しているのがよく見える。
この泉に魚はいない。水草も生えず透明な水を湛えている。山脈の雪解け水がろ過されて、鉄分などのミネラルはあるだろうが栄養のほとんどない水だ。日本のような軟水なのか、柔らかな水だな。
チセもこんな場所は初めてだろう。兜を外し髪を洗いながら俺に話しかける。
「森の奥地で、こんな綺麗な場所があるんですね」
「世界には緑や青に色が変わる美しい湖もある。もし行けるならチセと旅してみたいな」
「はい、いつか行きましょうね」
みんなは水浴びもしたいようだが、魔獣のいる森で無防備にはなれない。布で体を拭く程度になるが、暑い中歩いて来た汗を洗い流す。
おや、あそこに黒っぽい枝の木があるぞ。あれは鉄刀木じゃないか? 最高級品と言われる魔術師用の杖の材料となる木だ。
近くに行って叩いてみると金属のような硬い音がする。間違っているかもしれないが持って帰ろう。こんな奥地にはなかなか来れないからな。
「チセすまない、これを持って帰ってくれ」
「はい、師匠。うわっ、この枝すごく重いですね。前に黄金ランク冒険者からもらった枝と同じじゃないですか」
「そうなんだよ、俺じゃ持てなくてな。チセの荷物は俺が持つよ。後ろからついて来てくれ」
「これくらい大丈夫ですよ。あたし力持ちなんですから」
そう言いながらチセが枝を軽々と肩に担いでくれる。両手が使えるように紐で背中に担げるようにしておこう。
「後は村に帰るだけだ。時間的に充分余裕がある。アイシャは薬草採取してくれてもいいぞ」
「そうね。こんな奥地まで来たんだから何か持ち帰りましょう」
俺が先頭、アイシャ、カリンと続いて、最後はチセに守ってもらう。魔獣との戦闘はできるだけ避け、薬草の採取を優先する。
途中、王国でも見た高さ4m程の巨大な魔獣の群れに遭遇したが、あいつらはじっとしていれば通り過ぎてくれる。やはりここは魔の森の奥地なんだなと実感する。注意して進まんとな。
鐘半分歩き、ガマガエルの魔物がいた第2の泉まで戻って来れた。ここも魔の森の奥地ではあるが、なぜかホッとするな。
まだ昼までには時間がある。ここで少し休憩を取り、村に向かおう。野営に使った道具や毛布などを背中に担いで洞窟を出る。
途中で出くわす魔獣の数にもよるが、半日ほど歩けばシャウラ村だ。
夏場の日の長い時期で良かった。村近くの裏山の丘が見えた時にはまだ陽は沈んでいない。丘を越えると、村の人達が裏山に登って俺達の帰りを待っていてくれた。
「お~い、こっちだ。荷物を持とう」
「ユヅキさん、あんた怪我してるじゃないか」
「大丈夫だ。魔物の毒に少しやられただけだ」
迎えに来てくれた5人の男が俺の怪我を心配しつつも、背負っていた荷物を村まで運んでくれた。村では夜に備えて篝火の準備までしてくれていた。
「今、飯の用意をしている。武器などの荷物を置いたら、寄合所の食堂へ来てくれ」
食堂に行くと食事の用意をする人達と、奥には村長が座っていた。
「村長、俺達は川の上流の泉まで行って、そこにいた毒を出す魔物を討伐してきた。しばらくすれば川の水は綺麗になるだろう」
「泉に毒の魔物じゃと……。あんたの顔の怪我はその時のものか、すまんかったな。危険を冒してそんな魔物を倒してくれたのか……ありがたい事じゃ」
長年川の毒に苦しめられてきた村長は、毒が無くなると聞き俺の手を取り涙を浮かべて感謝してくれた。村人も口々に、驚きと感謝の言葉を伝えてくれる。
「村長さん、森から採ってきた薬草です。私が知らない物もありますが、使える物は使ってください」
「ありがたいのう。貴重な薬草もあるようじゃ。大事に使わせてもらうよ」
その日の晩は、村の人達と食事をしながら毒の魔物の討伐を祝った。
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回も地図のみとなりますが、
【設定集】目指せ遥かなるスローライフ! を更新しています。
(第2部 第2章)シャウラ村付近 地図
小説の参考にしていただけたら幸いです。
「こいつも始末せんといかんな」
その卵を引っ張り出し、倒したガマガエルの所まで持ってくる。
「外に運び出すのは無理だな。ここで全部燃やさんとダメか」
アイシャとカリンには、ガマガエルの背に触らないように、腹を裂いて魔石が取れる物だけ取ってもらう。
俺とチセで洞窟の外の木を切り倒して洞窟内に持ち込んだ。
木に火をつけた後、洞窟の外に出てカリンに風魔法で空気を送り込んでもらう
ガマガエル達には悪いが、全てを燃やし尽くそう。森の奥の方から何本かの煙が立ち昇る。洞窟の隙間から風が抜けているのだろう。
木が燃え尽きた後も、酸欠にならないようにカリンに大量の空気を送ってもらい、俺とアイシャで洞窟内を確認する。ガマガエルは骨まで燃え尽き、泉に卵もない。熱せられて湯気の上がる泉の奥からは、透明な綺麗な水が流れ出ている。
これなら大丈夫そうだな。
まもなく夕暮れだ。野営の準備をしよう。ガマガエルの魔物は倒しても、森の中には危険な魔獣は沢山いる。今夜はこの洞窟で一夜を明かそう。
4人順番に寝て朝を迎える。洞窟の入り口付近で野営し、警戒するのは前方だけなので夜警も楽だったな。
「ユヅキさん。まだ毒の跡が残っているわね」
アイシャが顔や腕に薬草を優しく塗ってくれる。
「もうこれで大丈夫よ」
カリンも光魔法で治療してくれた。昨日、ガマガエルとの戦闘で受けた毒で顔や腕など所々ミミズ腫れになっているが、この程度の痛みなら我慢できる。
「ありがとう、俺は大丈夫だ。ここまで村から鐘2つほどだな。この先にある泉を確認してから帰りたい」
村長に見せてもらった地図によると、それ程遠くない場所に最後の3つ目の泉があるはずだ。村まではここから約6時間で帰る事ができる、ここを拠点に先に進み確かめておきたい。
「そうね。ユヅキの怪我も大丈夫そうだし折角ここまで来たんだから、もう少し先に進みましょう」
野営道具をこの洞窟に残して身軽になって、魔獣のいる森を進んでいく。
途中何匹かの魔獣を倒しながら進んでいくと水音が聞こえる。歩を進めた先には小さな滝があった。
「ここの水は正常だな」
透明で綺麗な水、少し口に含んでみたが異常はなかった。高さ4m程の急坂の上から勢いよく水が落ちているが、川幅は1mもない。垂直の崖じゃないし、その両脇をよじ登る事も容易だ。
水しぶきを浴びて登る滝は気持ちがいいな。魔獣がいなければここを滑り降りたりと遊べたんだがな。
小さな滝を登った後も川沿いを進んで行くと、最後の泉を発見した。
「ここまで、鐘半分と言ったところかしら」
「割と近かったわね」
「ここで少し休憩しようか」
第2の泉の洞窟から約1時間半。ここは清く透き通った水が湛えられた清々しい場所。魔の森の中にあるオアシスといったところか。
泉の奥まで差し渡し10m程か、前の泉よりも広く周りは樹木に囲まれている。上空からは陽の光が差し込む明るい場所だ。
「冷たくて美味しい水じゃない。これが村まで流れてるのね」
「これが本来の川の水なんですね。早く毒が薄まるといいですね」
人の身長よりも深いようだが、泉の底まではっきりと見えていて浅く見えるな。砂底から水が渾々と湧き出しているのがよく見える。
この泉に魚はいない。水草も生えず透明な水を湛えている。山脈の雪解け水がろ過されて、鉄分などのミネラルはあるだろうが栄養のほとんどない水だ。日本のような軟水なのか、柔らかな水だな。
チセもこんな場所は初めてだろう。兜を外し髪を洗いながら俺に話しかける。
「森の奥地で、こんな綺麗な場所があるんですね」
「世界には緑や青に色が変わる美しい湖もある。もし行けるならチセと旅してみたいな」
「はい、いつか行きましょうね」
みんなは水浴びもしたいようだが、魔獣のいる森で無防備にはなれない。布で体を拭く程度になるが、暑い中歩いて来た汗を洗い流す。
おや、あそこに黒っぽい枝の木があるぞ。あれは鉄刀木じゃないか? 最高級品と言われる魔術師用の杖の材料となる木だ。
近くに行って叩いてみると金属のような硬い音がする。間違っているかもしれないが持って帰ろう。こんな奥地にはなかなか来れないからな。
「チセすまない、これを持って帰ってくれ」
「はい、師匠。うわっ、この枝すごく重いですね。前に黄金ランク冒険者からもらった枝と同じじゃないですか」
「そうなんだよ、俺じゃ持てなくてな。チセの荷物は俺が持つよ。後ろからついて来てくれ」
「これくらい大丈夫ですよ。あたし力持ちなんですから」
そう言いながらチセが枝を軽々と肩に担いでくれる。両手が使えるように紐で背中に担げるようにしておこう。
「後は村に帰るだけだ。時間的に充分余裕がある。アイシャは薬草採取してくれてもいいぞ」
「そうね。こんな奥地まで来たんだから何か持ち帰りましょう」
俺が先頭、アイシャ、カリンと続いて、最後はチセに守ってもらう。魔獣との戦闘はできるだけ避け、薬草の採取を優先する。
途中、王国でも見た高さ4m程の巨大な魔獣の群れに遭遇したが、あいつらはじっとしていれば通り過ぎてくれる。やはりここは魔の森の奥地なんだなと実感する。注意して進まんとな。
鐘半分歩き、ガマガエルの魔物がいた第2の泉まで戻って来れた。ここも魔の森の奥地ではあるが、なぜかホッとするな。
まだ昼までには時間がある。ここで少し休憩を取り、村に向かおう。野営に使った道具や毛布などを背中に担いで洞窟を出る。
途中で出くわす魔獣の数にもよるが、半日ほど歩けばシャウラ村だ。
夏場の日の長い時期で良かった。村近くの裏山の丘が見えた時にはまだ陽は沈んでいない。丘を越えると、村の人達が裏山に登って俺達の帰りを待っていてくれた。
「お~い、こっちだ。荷物を持とう」
「ユヅキさん、あんた怪我してるじゃないか」
「大丈夫だ。魔物の毒に少しやられただけだ」
迎えに来てくれた5人の男が俺の怪我を心配しつつも、背負っていた荷物を村まで運んでくれた。村では夜に備えて篝火の準備までしてくれていた。
「今、飯の用意をしている。武器などの荷物を置いたら、寄合所の食堂へ来てくれ」
食堂に行くと食事の用意をする人達と、奥には村長が座っていた。
「村長、俺達は川の上流の泉まで行って、そこにいた毒を出す魔物を討伐してきた。しばらくすれば川の水は綺麗になるだろう」
「泉に毒の魔物じゃと……。あんたの顔の怪我はその時のものか、すまんかったな。危険を冒してそんな魔物を倒してくれたのか……ありがたい事じゃ」
長年川の毒に苦しめられてきた村長は、毒が無くなると聞き俺の手を取り涙を浮かべて感謝してくれた。村人も口々に、驚きと感謝の言葉を伝えてくれる。
「村長さん、森から採ってきた薬草です。私が知らない物もありますが、使える物は使ってください」
「ありがたいのう。貴重な薬草もあるようじゃ。大事に使わせてもらうよ」
その日の晩は、村の人達と食事をしながら毒の魔物の討伐を祝った。
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【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回も地図のみとなりますが、
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