土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ

文字の大きさ
3 / 26

第3話『旅立ち』

しおりを挟む
サトシはコノハを家まで送り、
宿屋に戻り今日一日を振り返り
ながらサトシは眠りについた。

「今日は良い一日だった!
 それじゃ、明日は早起きしなきゃだから
 今日は早く寝るかー!」

そういってベットに横になると
2分もたたずに、
深い眠りに入るのであった。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

サトシは窓辺からさしこむ
太陽の光で目を覚ます。

「さて。着替えるか」

サトシは事前に準備していた
生地が頑丈で動きやすい
長旅に適した冒険者服に着替える。

サトシは1ヶ月の馬車旅に
必要な荷物を指差し確認する。


「ポーションよし!
 マナポーションよし!
 武器よし!
 防具よし!
 保存食糧よし!」


サトシは現場猫風のポーズを取りながら
荷物の指差し確認を終えると、
馬車に積む荷物を階下に下り、

宿屋の店主のおばちゃんに
いままでお世話になったことの
御礼とお菓子の詰め合わせを渡す。


しばらく、1階で待っていると
宿屋の入り口の扉が開き
昨日、馬車を購入した馬車屋の
おじさんがサトシに声をかける。


「おまたせしましたのぅ。
 2頭馬車の調整が終わりましたぞぃ。
 この契約書にサインを書いて
 くれたら馬車の引き渡しが完了だぞぃ」

「サラサラっ……と。
 これで良いか?」

サトシは馬車屋のおじさんに
署名をした契約書を返す。

「ふむ。確認したぞぃ。
 これで問題無しじゃな」

「では早速荷台に荷物を
 積み込ませてもらおうか」


サトシは長旅用の荷物を
馬車の荷台に積み込む。


「これでよしっ、と! それじゃ出発だ。
 おじさん。短時間でこんな
 いい馬車手配してくれてありがとう!」

「ほっほっほ。こちらこそですぞぃ
 道中体を壊さぬよう気をつけるのじゃぞ」


サトシは座席に座り馬を走らせる。
まだ早朝ということもあり、
王都の大通りも静かなものである。

サトシは過ぎさっていく
王都の街並みを目に焼き付ける。

王都から外に出る門のそばに
人だかりができている。


(なんだろうな?)


サトシが馬車を走らせると
彼のよく見知った人たちであった。
サトシは馬車を止める。


「こんな所でどうしたんだ?」

「みんなでサトシさんを見送りたいと
 思ってここに集まっていましたが
 もしかしてご迷惑でしたでしょうか?」


少しバツの悪そうな顔で
サトシの目を見つめる。
ギルドの受付嬢コノハ。


「いやいや! 逆だよ。
 ありがたすぎて申し訳ないという感じだ。
 朝早くからありがとう!」

「よかったっ!」

屈託のない満面の笑みで応える。


(くそっ。かわいいな!)


「兄貴も黙って出ていくなんて
 ツレないじゃねぇっすか」

鍛冶屋の倅である。年は若いが
腕は熟練の職人のもの。
サトシを「兄貴」と呼び懐いている少年だ。
だが、プロ意識からか値引きとかはしない。


「サトシ殿。ホロビー村を救っていただいた
 恩は元村人は一生忘れませんぞ」


サトシが救った、コノハの元故郷
ホロビー村の村長である。
住民の王都への移住の際には
よく相談をしていた相手だ。


「それだけじゃないわ。サトシさんは私達に
 王都への移住がスムーズに進むように
 ギルドに交渉してくれた」


「兄貴は俺達のヒーローだ」

「これ。ホロビー村の皆でカンパして
 買った記念の品です」


そう言ってコノハが代表として
サトシに手渡しする。


「ありがとう! じゃあ行ってくる!」


記念の品を受け取り馬車の席に着き、
馬を走らせる。すると後ろから
コノハの声が聞こえてくる。


「せーのっ」

「「「ボン・ヴォヤージュ今日が素晴らしい旅立ちの日となりますように!」」」」


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


王都から旅立ってから一月経った。


まるでいままでの冒険の旅路を逆行
するかのようにサトシはハ
ジマリーノ村の方向へ向け馬車を走らせた。
道中ではいろいろな出会いと別れがあった。
その一部はこのようなものである。


盗賊団に命を狙われていた伝説の血(?)
を引く村人少女を助けるうために
盗賊団の元締め組織を潰したり、


奴隷商に暴行されていた奴隷少女を
助けるため違法奴隷商会をぶっ潰して
奴隷紋を消させた上で奴隷少女を解放したり、


希少種という理由で拉致されそうになっていた
猫獣人の少女を助けるために魔弾の射手を
名乗る狩人をボコボコにしたり、


獣化の呪いをかけられてゴーレムに
変えられた少女の呪いを
土属性で解呪したり、


謎の組織に命を狙われている
始祖ヴァンパイアの少女を救うために、
謎の組織を潰したり、


いろんなことをしながら
ハジマリーノ村方面にある
地図には記されない"化外の地"
を目指し馬車を走らせていた。


(……そういや、なぜか道中で襲われて
 いたのは少女ばっかりだったなぁ。
 なんだか、微妙に新しい物語が始まり
 そうな出会いばかりだったが……、
 ……まったく関係なかったぜッッ!!)


「当面の生活費として助けた少女に
 1枚ずつ大金貨渡していたら残りの
 大金貨が四枚しかなくなっちまったな。
 まぁ。スローライフだから問題なかろう。
 よしそろっと夕飯でも食おうかな」


旅の最中の食料は主に魔物の肉だ。
道中は基本的には馬車内の荷台で寝る。
土属性魔法でゴーレムを数体作り出し
そのまま朝まで放置して就寝、

そして朝起きると馬車の周りに
ゴーレムが倒したウサギやイノシシの
魔物が死んでいるのでそれを
捌いて焼いて食べる。
味付けはシンプルに塩。


「そういえば、王都に来てからは
 遠方のクエスト以外は外食が多かったけど、
 冒険をしている時はよくこうやって
 魔物を倒して食ってたっけ」


もぐもぐと肉を噛み、飲み込む。


「やっぱ、肉だよな! 肉はうまい。
 なんというかこの世界の魔物の肉は
 旨みが凄いんだよな。塩だけの味付け
 だけでも肉汁じたいに旨みがあるから
 ぜんぜん香辛料なくてもいけちゃうんだよなぁ」


サトシは無類の肉好きである。
生前はそんなに稼ぎがなかったが、
それでもなんとかして肉を食べるため、
タイムセールの時間にスーパーに駆け込み

半額のシールの付いたブラジル産の
ステーキ肉を大量に買い込み冷凍して
食べていたほどの、食通である。


「肉と言えば昔はオーストラリア産が
 安かったんだけど途中からブラジル産
 の方がコスパがよくなったんだよな。
 肉は質も大事だけどやっぱり量だよ! 

 ある程度肉が大きくないと噛みごたえが
 感じられないからな。この世界は
 めっちゃ新鮮でうまいタダ肉を
 食い放題だから俺にとっちゃ
 夢のような世界だぜ」


サトシはそんなことを呟きながら
肉をもきゅもきゅと噛みしめる。


「ふぅ、食った食ったー。
 ごっちそーさまでした」


あまった魔物の死体は血抜きをして
解体をした上で塩が大量に
入った麻袋に包む。


「それにしてもゴーレムって
 めっちゃ強いのな。
 ソロプレイがはかどるぜ」


土から生み出したゴーレムは
サトシから一定の距離が離れると
土に還るという弱点はあるものの
範囲内であればほとんど

サトシの魔力を消費せずに
自動的に殺意をもった相手を
殲滅することができる。


「まあ。あんな何トンもある石の巨体から
 繰り出されるパンチやキックを
 受けて生き残れる魔物は居ないわな」


事実ゴーレムが繰り出すパンチは
ゴブリンの王、ゴブリンロードの頭を
一撃で爆散させるほどの破壊力である。
直撃すれば水風船のようにパンッと爆ぜる。

敵の殲滅以外にも荷物運び等の単純な
動作程度であれば問題なく
サトシの思い取りに動く。


「ゴーレムか。5人パーティーだとそんな使う
 機会なかったけどソロで冒険すると
 めっちゃ使えるな。移動距離の制限さえ
 クリアできればほぼ無敵なんだけどなー。
 まっ……それができたら苦労しないか。はは」


そんなとりとめのないない事を考える。


「もうそろそろ目的地か。
 長いようで短い1ヶ月だった」


サトシの目の前には彼がこれから
開拓すことになる美しい森林が
広がっているのであった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

処理中です...