生き残りゲーム

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Episode 1 / 説明と問題

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生存者15名 / 脱落者0名

side Mirai

よく分からない部屋から外に出たあと、しばらく廊下を歩いていると案内表示のようなを見つけた。この建物はとても広そうだった。
どうするか悩んだが私は☆印がついている場所に向かうことにした。

到着すると、そこには既に人がいた。
…私の他に、11人。特に見知った顔もいない…どういう繋がりで皆ここにいるんだろうか。
などと考えていると一人の女の子に声をかけられた。

実羽「あ、あの…もしかして未来ちゃんじゃない……?」
未来「…もしかして実羽?!久しぶり!」

その少女…池本実羽は私の小学校の同級生だった子だ。隣には知らない女の子がいた。

実羽「理世ちゃんと2人じゃ心細くて…よかった。」

そう言って実羽は微笑んだ。
と、その時2人の男女とその後ろから1人の男の子が走って、私たちのいる場所へ入ってきた。

悠理「本当にここであってるのかなぁ?」

海斗「案内にかいてたしここだろ」
渚「…はぁ……はぁ…悠…理…やっと追いついた……!」
悠理「渚ちゃん?!」
海斗「渚、お前もここにいたのか。何故俺たちに気付いた?」
渚「悠理の声が部屋の外から聞こえてきたんで…海斗先輩もいたんすね」
悠理「海斗が居なきゃ今頃私部屋からも出れてなかったよ笑 でも本当、渚ちゃんも無事でよかった……」

と、その時一瞬部屋が暗くなった

悠理「きゃっ、何?」

前方にあるスクリーンにスポットライトが当たる。

?「はじめまして、支配人のJです!」

理世「なに!?」
輝琉「早速だけど私たちをここに連れてきた犯人とご対面って所かしら。」
J「人聞きが悪いですねぇ…犯人だなんて心外です!ただ、今から皆さんにはゲームをしてもらうだけですよ。……“生き残りゲーム”と……“人殺しゲーム”を。」
悠理「どういうこと?“生き残りゲーム”じゃないの?」
J「ふふ、ナンセンスだね。人の話は最後まで聞くものですよ。……そう、このゲームはポイント制️で進んでいくの。…第2ゲームでは“人殺し”が登場します。」
唯葉「人…殺し?」
J「…といってもその人は少しゲームを有利に進められるだけです。」

J「第2ゲームの最後に人殺しを当てる“投票”を行います。無事に人殺しを当てられた場合、人殺しの所持ポイントは半分になります。
輝琉「……もしポイントが0になったら?」
J「良い質問ですね。…ポイントは0になると脱落です。」
理世「脱落って……?」
J「…わかりやすく言うと皆に永遠に会えなくなります☆」
葉月「ヒッ、」
幸太「じょ、冗談だろ。おい何のドッキリだよ、そろそろいいだろ!」
J「はいはい静粛に。…続きを話しますよ。
もしも投票で、人殺しでない人を指名してしまった場合、“死”が3枚、“神”が1枚混ざったカードを全員で引きます。神は、人殺しが誰だったかを知ることができます。」

和輝「死を引いた3人はどうなるんだよ?」
J「3人で4枚のカードを引き直すのよ。…そこには死は1枚だけ。」
考「それをひいたら死ぬのかよ!?」
J「早とちりは困りますねぇ…その人はGAMEから脱落するだけです。」
優徒「…では、つまり。その『人殺し』とやら当てた場合、くじはひかなくていいんだな?」
悠理「…『人殺し』」を当てたら誰も脱落しないってことだよね!」
海斗「あぁ…だけど…」
J「…ウフフ。それではゲーム開始までごゆっくり……♡」

そういってJと名乗る者はモニターから消え、また静かになった。
それぞれが色々な思考を巡らせているようで、誰も声を発すことは無かった。
…暫しの静寂の後、高い悲鳴が響いた。

?「きゃぁぁぁぁぁぁ」
未来「……これ、実羽の声…?!」
照「…さっき外に出てた子達か!!行くよ!!!」

私たちは急いでホールを出た。
すると、トイレの方から走ってくる人影が見えた。

理世「誰か…来てください!!!御手洗に行こうって思って…実羽ちゃんと行ったら、後ろから男の人に抱きつかれて……」
未来「実羽、昔から男の人苦手なのに…」
照「で、その肝心の実羽さん?はどこに?」
理世「女子トイレに逃げ込んで…」
輝琉「わかった。あなたはホールに戻って皆さんと一緒に居て。私が助けに行くわ。」
未来「私も行きます!」
輝琉「えぇ、お願いするわ。」
悠理「私も、行かせてください!」
未来「ありがとう。さ行こう!急がないと…」



考「ね~え~。実羽ちゃ~ん…♡そろそろ出ておいでよ~…お兄たんそろそろ怒っちゃうよ~?♡」
実羽「ひゃぁっ……うっ…うっ…未来ちゃん……理世ちゃん…うぅ…」
考「お兄さんといいことしよ?♡ね?♡」
輝琉「…何をしているのしら?」
考「あ?」
輝琉「何をしているのか、と聞いているのよ。」
悠理「こ、ここは女子トイレですよ!」
考「だから何だよ、出てけよ!……それともお前らが相手してくれんのか?あぁん?」

2人が気を引いてくれているうちに私は閉まっている個室のドアの前に移動した。

未来「実羽、あけて!」
実羽「う、うん!」
未来「逃げるよ!」
輝琉「良し。…あなたもはやく!」
悠理「はいっ!」
考「おい、待てよ~…なぁ?(ヘラヘラ」

その時その男が、悠理さん(?)の腕を掴んで、彼女が倒れた。

悠理「いやっ、やだ…こないで……!」
考「へへっ、へへへ、、うへへ、、」
海斗&渚「「やめろ!」」

そう言ってかけつけた2人の男性がそいつを殴った。

海斗「汚ねぇ手で悠理のこと触ってんじゃねぇよ。」
渚「俺はこっちの男捕まえます。先輩は悠理を!」
海斗「大丈夫か!?」
悠理「海斗…ありがとう………怖かった……」
海斗「よしよし。…他の3人も大丈夫ですか?」
輝琉「ええ、ありがとうございます。」
未来「大丈夫です。」

実羽も小さく頷いた。
「お~い!」 と、青年が笑顔でこちらに走ってきた。(なんだかめちゃくちゃ爽やかだった)
聖汰「こっちはあいつ捕まえたよ!君の後輩が手伝ってくれた。…とりあえずホールに集合しないか?」

私はまだ震えている実羽の肩を抱いて歩き出した。
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