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41.勘違い⑤
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「そういうんじゃなくて、ちゃんと言葉で言ってよっ。俺のこと……本当に好き?」
少し声が大きくなった。
様子のおかしい大樹に、伊沢は戸惑いの表情を見せる。
まるで彼氏の気持ちを確認したがる、うざったい女のような行動で自分でも呆れた。
ビルの廊下には誰もいないのが幸いした。誰かに見られていたら、どんな関係に思われただろう。
伊沢が黙っているので、大樹は伊沢の腕から手を離した。
引き出物の紙袋を床に置き、しばらく黙って二人で向き合う。
「……恥ずかしいから、一度だけだぞ」
ようやく伊沢が口を開いた。
一度だけなんて、勿体ぶりすぎだろう。言葉を待ちながら、心の中で少し文句を言ってしまう。
大樹よりも背の高い伊沢が少し頭を下げ、大樹に顔を近づける。
静かに耳元で囁かれた言葉に、大樹は耳を疑いそうになった。
大樹ですら、恥ずかしくて言ったことがない。
「えっ…。も、もっかい、言って」
動揺を隠せず、顔を離した伊沢のジャケットを掴む。
心の準備ができていなかった。
そんな言葉を言ってもらえるのなら、もっと脳に録音させるくらいに意識を集中して聞いたのに。
「一度だけって言っただろう」
「おねがいっ」
伊沢のジャケットにしがみ付いて見上げる。
少しして伊沢が溜め息をついた。
「大樹も言うなら、もう一回言ってもいい」
「……」
「言っておくが、ただ言うんじゃなくて、心を込めて言えよ」
照れ隠しからなのか、言い方まで指導される。
大樹は伊沢のジャケットを掴んだまま、頷いた。
「……あ、あい…」
伊沢の目をじっと見据える。
見つめ返される目を見ていたら、恥ずかしさが込み上げてきた。
「あい…」
「自分は言えないくせに。馬鹿」
いつまで経っても言葉にしない大樹を、伊沢が遮った。
「だって、いざとなると恥ずかしい」
「人には言えっていうくせに」
伊沢の文句も尤もだ。
大樹は自分の不甲斐なさに、伊沢のジャケットから手を離し肩を落とす。
少女漫画で読むのはいいが、自分で言うとなるとなんて恥ずかしい言葉なんだろう。改めて言葉の威力を知った。
「こう、言うんだよ」
伊沢の両腕が大樹の腰に回され、体ごと引き寄せられる。
「愛してるよ」
いつ人が通るか分からない場所なのに、キスをされた。
驚きすぎて、瞬きを忘れてしまう。
とんでもなくカッコいい男にこんな風に大胆にキスをされ愛を告げられたら、ゲイでなくても堕ちてしまうんじゃないだろうか。
ただでさえ、少女漫画好きで、胸をきゅんとさせられる場面に弱いのに。カッコ良すぎて惚れ直しそうになる。
思わず抱いてと言いそうなくらいに、気持ちが蕩けそうになった。
伊沢の両腕に抱き寄せられたまま、頬を上気させ、ぽおっとした眼差しで大樹は伊沢を見上げた。
「……スーツは、クリーニング?」
いきなりスーツのことを訊かれ、伊沢は不思議そうに大樹を見返す。
「そうだけど……」
答える伊沢を、まっすぐに見つめた。
「今すぐホテル行って、皺くちゃにしたい……」
「―――」
伊沢が少し驚いた顔をする。
欲情の色を浮かべた大樹に見つめられ熱が伝染したように、伊沢は頬を赤らめると少し伏目がちになった。
「……ん」
伊沢は小さく、こくりと頷いた。
少し声が大きくなった。
様子のおかしい大樹に、伊沢は戸惑いの表情を見せる。
まるで彼氏の気持ちを確認したがる、うざったい女のような行動で自分でも呆れた。
ビルの廊下には誰もいないのが幸いした。誰かに見られていたら、どんな関係に思われただろう。
伊沢が黙っているので、大樹は伊沢の腕から手を離した。
引き出物の紙袋を床に置き、しばらく黙って二人で向き合う。
「……恥ずかしいから、一度だけだぞ」
ようやく伊沢が口を開いた。
一度だけなんて、勿体ぶりすぎだろう。言葉を待ちながら、心の中で少し文句を言ってしまう。
大樹よりも背の高い伊沢が少し頭を下げ、大樹に顔を近づける。
静かに耳元で囁かれた言葉に、大樹は耳を疑いそうになった。
大樹ですら、恥ずかしくて言ったことがない。
「えっ…。も、もっかい、言って」
動揺を隠せず、顔を離した伊沢のジャケットを掴む。
心の準備ができていなかった。
そんな言葉を言ってもらえるのなら、もっと脳に録音させるくらいに意識を集中して聞いたのに。
「一度だけって言っただろう」
「おねがいっ」
伊沢のジャケットにしがみ付いて見上げる。
少しして伊沢が溜め息をついた。
「大樹も言うなら、もう一回言ってもいい」
「……」
「言っておくが、ただ言うんじゃなくて、心を込めて言えよ」
照れ隠しからなのか、言い方まで指導される。
大樹は伊沢のジャケットを掴んだまま、頷いた。
「……あ、あい…」
伊沢の目をじっと見据える。
見つめ返される目を見ていたら、恥ずかしさが込み上げてきた。
「あい…」
「自分は言えないくせに。馬鹿」
いつまで経っても言葉にしない大樹を、伊沢が遮った。
「だって、いざとなると恥ずかしい」
「人には言えっていうくせに」
伊沢の文句も尤もだ。
大樹は自分の不甲斐なさに、伊沢のジャケットから手を離し肩を落とす。
少女漫画で読むのはいいが、自分で言うとなるとなんて恥ずかしい言葉なんだろう。改めて言葉の威力を知った。
「こう、言うんだよ」
伊沢の両腕が大樹の腰に回され、体ごと引き寄せられる。
「愛してるよ」
いつ人が通るか分からない場所なのに、キスをされた。
驚きすぎて、瞬きを忘れてしまう。
とんでもなくカッコいい男にこんな風に大胆にキスをされ愛を告げられたら、ゲイでなくても堕ちてしまうんじゃないだろうか。
ただでさえ、少女漫画好きで、胸をきゅんとさせられる場面に弱いのに。カッコ良すぎて惚れ直しそうになる。
思わず抱いてと言いそうなくらいに、気持ちが蕩けそうになった。
伊沢の両腕に抱き寄せられたまま、頬を上気させ、ぽおっとした眼差しで大樹は伊沢を見上げた。
「……スーツは、クリーニング?」
いきなりスーツのことを訊かれ、伊沢は不思議そうに大樹を見返す。
「そうだけど……」
答える伊沢を、まっすぐに見つめた。
「今すぐホテル行って、皺くちゃにしたい……」
「―――」
伊沢が少し驚いた顔をする。
欲情の色を浮かべた大樹に見つめられ熱が伝染したように、伊沢は頬を赤らめると少し伏目がちになった。
「……ん」
伊沢は小さく、こくりと頷いた。
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