記憶を無くしている俺が、この世界に蔓延る輩を一人残らず粛清するまで(第一章、魔王を粛清するまで完結)

ぎたー

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第一章、魔王を粛清するまで 

第30話・「魔王と元魔王」

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 魔王とシャーロットの戦いは、シャーロットの魔法を吸収する闇魔法で魔王に致命傷を与えた事で決着。魔王は奥の手として自爆を図るがソルの生贄召喚によりなかったことにされて絶望を味わう。





 「ち、忠誠を誓いますから!!!!どうか!お願いします!!!」

 魔王は先ほどまでの人生をやり切ったという笑顔や威厳やらを投げ捨て、必死に俺へと忠誠を誓った。

 とりあえず、魔王という存在なら生贄召喚5回は耐えられるだろうと思って使用してみた。魔王は5回も生贄召喚をくらったにもかかわらず、顔がやつれてはいたものも普通に話ができたのだ。正直言ってすごいと思う。ガブリエルという上位の存在でも2回で話すことができなかったのに魔王は5回くらっても話せたのだ。
 
 さてさて、ここからがお楽しみだ。
 生贄召喚に新しく加わった能力を使用するチャンスだ。条件は、

 生贄になるものが生贄召喚使用者以外の場合、この世に生まれてきたことを後悔する苦しみを負う。但し、生贄に合意し忠誠を誓っている場合は苦しみを負わず配下となる。配下となったものは召喚リストに加わる(いかなる存在も)。

 となるからして、忠誠のほかに生贄になることも合意させねば。合意しないならこの世に生まれてきたことを後悔する苦しみを負わせればいい。輩なのだから当然だ。

 「魔王、最初の命令だ。生贄となれ。この生贄は先ほどのような苦しみを与えるものではないことだけは言っておく。命令に背くならば再度苦しみを負わせる」

 魔王はこの世の終わりのような顔となる。

 「ソ、ソル様・・・生贄とはなんでしょうか?」

 「生贄となると、俺の召喚リストに加わり正式に俺の配下となる。これがどれほど重要か分かるだろ?」

 
 ・・・
 
 正直言って、我は一回でもあの苦しみを味わったら少なからず壊れてしまう気がする。
 あの苦しみは言葉にするのもおぞましい、そのようなものを操るソルが神だと言われても今なら信用できる。この世界に具現化できぬものを使いこなすものはもはや神であろう。
 悩んだところで答えは出ているのだ、ソルの言葉に背く選択肢など最初からないに等しい。

 「分かりました、ソル様に従います」

 「よーしっ!では実験だ!魔王を生贄にする!」

 「ちょ!いきなりテンションちがっ・・・」

 ソルは生贄という新しいことをすることにテンションが爆上がりしキャラ崩壊、そのテンションで生贄にされた魔王は心底戸惑いながら床に描かれた魔法陣へ沈んでいく。
 魔王が魔法陣へ沈んでいくと俺に黒い靄が纏う、Lvが上がったらしい。

 生贄にしても相手を倒したことになって経験値がもらえると、無駄がなくて素晴らしい。
 上機嫌でLvを確認する。


 ★アンデッドルーラー110Lv(魔王)
 ・ソンビ召喚
 ・リッチ召喚
 ・鬼召喚
 ・獄犬召喚
 ・悪魔召喚
 ・天使召喚
 ・妖精召喚
 ・ドラゴン召喚
 ・エンシェントドラゴン召喚(1体)
 ・元魔王召喚(1体)
 ・生贄召喚☆
 ・ゾンビの祝福(パッシブ)☆


 ソルは元魔王召喚という記載にプッと吹き出す。
 元魔王って!そんなのが召喚士の召喚リストに入ったなんて世界初ではないだろうか。
 まあ、今回の主役は元魔王だからドラゴン召喚とかはスルーしておこう。
 さあ!元魔王を召喚だ!

 大きくて複雑な魔法陣が床に描かれると、元魔王が膝をついた状態で召喚される。ちなみに図体は筋肉ムキムキでゴツイほうの元魔王だ。

 「ソル様、我はソル様と共に」

 「いや、お前は魔王代理として魔王領を治めろ、元魔王」

 「・・・魔王という単語が多すぎて聞き間違えたのかもしれませんが、我が魔王代理をするのですか?」

 「そうだ、元魔王」

 「そ、その前に元魔王ではなく我をギー」

 「いや、お前の名前は元魔王だ。理由は気に入ったから」

 「・・・」

 元魔王は沈黙し、アンとシャーロットは笑いをこらえている。

 「ソ、ソル様がおっしゃるならば元魔王でかまいません。ただ、魔王であらせられるソル様はどうするのですか?」

 「人間世界を旅する、魔王領は心を入れ替えた元魔王がより良くしてくれると信じている」

 「いやいや、なにかいい話みたいにまとめていらっしゃいますけどソル様は魔王なんですよ!!!」

 「元魔王は元魔王なんだから適任だろ?」

 「元魔王を気に入りすぎでは?!」

 「で、魔王軍は王国から搾取するの禁止。攻め込むの禁止。これからは自国を高める事に注力せよ」

 「・・・はあああ?ソル様、攻め込む事を禁ずるのはなにかあるのかもしれませんが、何故王国から搾取するのを禁止するのですか?魔王領を高めるためには必要な事では?」

 「いや、人間の世界を旅するって言ってるのに魔王領に搾取されてたら活気がなくなっちゃうだろ?俺は活気のある人間世界を旅したいのだ。故に攻め込むのも禁止。とはいえ、人間からは攻め込まれる可能性もあるから魔王軍はきちんと質を高めて防衛してね」

 ソルの言いぐさに元魔王は開いた口が塞がらない。

 「とまあ、今言ったことを魔王軍全員に通達しておいて。あ、もうひとつ言っておいてほしいのが魔王に不満があれば受けて立つ。元魔王を倒し、塔を上ってこいってね」

 「・・・我を倒してって文言いります?」

 「俺より弱い元魔王を倒せないやつに挑戦権はない。最後に、塔のモンスターLvや仕様を以前の状態に戻しておいて。以上!」

 元魔王は何を言っても無駄だと悟り平服する。
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