記憶を無くしている俺が、この世界に蔓延る輩を一人残らず粛清するまで(第一章、魔王を粛清するまで完結)

ぎたー

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第一章、魔王を粛清するまで 

第25話・魔王戦1「魔王の話」

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 ソルはラスボスを倒したことでLvの確認をする。するとエンシェントドラゴン(1体)という化け物が召喚できるようになっていた、とはいえ忠誠を誓わせるのは不可能だろうとあきらめる。次に、生贄召喚とゾンビの祝福に☆がついていたため確認すると、生贄召喚はいかなる存在でも忠誠さえ誓っていれば召喚リストに加えられるようになったこと、ゾンビの祝福には召喚解除のテキストが追加されていた。





 ふー、生贄召喚には驚かされたよ。
 生贄召喚が使用できるようになった時も大騒ぎだったが、まさかの追加された能力でも騒ぐことになるとは。それも能力追加が反映されたにも関わらず、条件達成で能力追加の文面はまだ記載されている。どれほどの高みへいってしまうのか見当もつかない。

 「ごめん、お待たせ」

 ソルはスキルの確認をしていたことをみんなに謝ると、快く許してくれた。
 さて、後は魔王を倒して全員の自由を勝ち取るぞ。


 金色の扉を開いて部屋に入ると、そこは黒い扉があるだけの部屋だった。
 その黒い扉の上には手書きの文面がある。

 この先、魔王の部屋なり。
 我こそが魔王に相応しいと思う一人のみ入室を許可する。
 
 うわあ・・・行きたくねぇ。
 なんで魔王になる前提なんだよ、魔王になりたくない人はどうすればいいのかも書いておいてくれよ。魔王なんて倒さなくてもいいんだよ、俺は。

 「ソルね」

 「ソル、よかったねぇ」

 ルナもユニも他人事みたいに言いやがって、お前達でもいいんだぞ!
 とは言っても魔王に勝てる可能性があるのは俺だよなぁ・・・腹を括ろう。

 「ああ、最善を尽くしてくるよ。そうだ、お前達の召喚を一旦解除する。俺が召喚できるものを魔王が知らなければ切り札となりうるからな」

 ガブリエル、ヴィシャ、アン、シャーロットから了解を得た上でゾンビ20体も含めて召喚を解除し、召喚リストに戻す。
 ルナとユニが召喚解除なんて出来たんだと不思議そうにしていたので、Lvが上がってできるようになったと伝えておいた。

 さあ、笑っても泣いてもこれが最後だ。
 俺は黒い扉を開けて一人で中へ入る。





 そこは謁見の間だった。
 俺達が寝かされていた謁見の間と違い、魔王が住んでいそうなダークな感じがする。それもあのときよりだいぶ広い。
 王の椅子に腰をかけているものがいる、魔王だ。

 「フハハハハハハハ、よくぞきた。歓迎するぞ」

 あれが魔王か、強さが全く見えない。
 見た目も明らかに魔王だし、強さが見えないという事は完全に格上。分かってはいたけどさ・・・
 俺は魔王と喋れる位置まで歩いていき、名乗っておく。

 「私はソルといいます」

 「ソルか、良き名だ。我のことは魔王でよい」

 「魔王様、私は魔王になどなりたくありません。ですから魔王様と戦うことなく外へ放り出してはいただけないしょうか?」

 「それは無理だ。あの塔は次期魔王候補を選別し、魔王と次期魔王候補のどちらが魔王に相応しいかを決める由緒正しき建物かつ伝統なのだ」

 やはり無理かぁ。外へ放り出してやろうって言ってくれたら、塔のクリア報酬としてユニとルナも脱出させてくださいとか言ってやるつもりだったのに。
 魔王は楽しそうに笑い、話し出す。
 
 「ソルは勇者以来の来客だ、戦う前に我の話を聞いてくれぬか?」

 「はい」

 「では、この地について説明しよう。ここは魔王領という地でな、人間とは長きに渡り戦争を繰り広げておった」

 魔王領というのか。勇者が攻めてきているところを見るにやはり人間と戦っていたと。
 ・・・戦争を繰り広げておった?

 「そんなとき、我は今までの魔王が成し遂げられなかったことを成し遂げたのだ。それは、勇者パーティーを殺したのだ。凄いだろう?今までの魔王は必ず勇者に討伐されてしまうのが運命だったのにだ」

 ソルは目を見開く。
 この魔王、勇者パーティーを討伐するほどの力を持つのか。それも今までの魔王は必ず倒されていると言うならかなり強いのだろう。

 「ここからが面白いところなのだが勇者を倒したのは我ではなく人間なのだ。我ではないのだよ、殺したのは。王国軍が勇者を罠に嵌めて殺したのだ、可笑しかろう?魔王を討伐できるのは勇者だけなのにな」

 「勇者は王国以外の国に属していて、王国の邪魔になったから殺したとかですか?」

 「いいや、勇者は王国の象徴だ。国民も勇者を崇拝する国家となっておる。な、可笑しかろう。アッハッハッハ」

 魔王の高笑いを聞きながらソルの目が狂気に染まり出す。
 今までの話を聞くに王国のトップは輩確定だ。

 「経緯はこうだ、我に勇者有する王国の王が挨拶にきた。その王は勇者が邪魔でしょうがないと、あいつさえいなければ地位も名誉も金も全てを手に入れられるのにと心底憎んでいた。そして、魔王軍と王国軍で挟み撃ちにしませんかと。手を叩いて笑ってしまったよ、人間はここまで愚かなのかと。他種族にお願いして人類の希望を殺してほしいなんていう馬鹿がいるのかとな」

 魔王は笑いを終わると続けて話し出す。

 「まあ、我も勇者と戦って勝てる可能性はないと思っていた。その時の勇者パーティーは過去最強とされており、魔王軍も戦争をする度に壊滅的な損害を被っていたからな。そこへ我が戦わずに勇者を殺せると言われれば狂喜乱舞したものよ」
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