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第一章、魔王を粛清するまで 

第12話・生贄召喚

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 小鬼達を倒し、俺達は2階のボス部屋前まできた。そこでボス攻略の作戦会議をしていると・・・
 目が覚めると進化したユニが挨拶をしてきて、俺とルナも進化したことで喋れるようになったんだよと話してくる。なぜLvが上がったのかはユニも分からないとの事。




 何故寝ていたのかどうしてLvが上がったのかについて、一番最初に起きていたユニがなにも知らないと言うのだから考えてもしょうがないと諦める。まず最初に自身のLvから確認する。

 ★アンデッドルーラー86Lv
 ・ソンビ召喚
 ・リッチ召喚
 ・鬼召喚
 ・獄犬召喚
 ・悪魔召喚
 ・天使召喚
 ・黒騎士召喚(1体)
 ・トゥルーヴァンパイア召喚(1体)
 ・悪魔侯爵召喚(1体)
 ・大天使召喚(1体)
 ・生贄召喚
 ・ゾンビの祝福(パッシブ)
 



 とりあえず一言だけ言いたい。
 「これ、誰ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 現実を受け止めきれず動揺した俺をユニが慰めてくれた。2号の時から俺に尽くしてくれるええ子や。
 まず驚くのが86Lvになってしまっていること、どんだけ戦闘を繰り返したらそのLvになるの!とツッコミたいところ。種族名もアンデッドルーラーなんて意味の分からない名前になってるし。
 
 そして、それよりも驚愕なのは大量の召喚スキルよ!
 その召喚リストの中で気になるのが天使とか大天使なんだけど、醜くて汚い醜い存在の俺が・・・言ってて悲しくなってきたけども、そんな正反対で真逆の存在である俺が清らかで綺麗で清らかな天使を召喚していいの?!
 たとえ召喚に成功したとしても、即座に不浄なるものよとか言われて浄化されそうじゃない?さらに俺が天使に浄化された後、神様と出会ってスキルの登録間違えてました!とか明るい声でいいそう。そういうオチは本当にいらないから。

 「どうだったぁ?強くなってたでしょ」

 「あ、ああ・・・劇的とかそういうレベルを飛び越えて強くなったと思う。問題は新しいスキルが多すぎて把握できてないことかな」

 そのへんは慣れていけばいいよぉとユニに諭される。
 
 俺は現状をひとつひとつ整理し感情を落ち着ける。こういう時こそ冷静にならないといけない。
 


 しばらくの間、深呼吸をすることで落ち着くことができた。
 さて、ルナも寝ていることだし召喚スキルを試してみるか、なにを召喚しよう・・・
 召喚スキルに(1体)と書いていないものはゾンビ召喚のように複数体召喚できる兵隊ってとこなんだろうけど、絶対に兵隊扱いできなそうな鬼やリッチとか書いてあるけど大丈夫か?

 次に(1体)と記載のあるものは強いってことだよな、今まで召喚リストに(1体)なんて記載はなかったから是非とも召喚してみたい。とはいえ、なにを最初に召喚すべきか・・・



 黒騎士はカッコイイ名前だな。
 騎士というからには正義感が溢れ曲がったことが許せない的なイメージはあるけども、黒ってついてるから逆になるのかな・・・残虐でいやらしい的な。それでも騎士という事で候補か。
 
 ヴァンパイア、これ男か女かでイメージは変わるよな。
 男はイケメンやダンディーとかそういったイメージのものが召喚されそう、確実に俺よりいい男が召喚されそうだから女性でお願いしたい。ただ、ヴァンパイアというだけで凶悪そうだから最初に召喚するのは危ないか。
 
 悪魔侯爵なんて悪の化身だろ、却下。

 大天使・・・悪逆非道な召喚リストの中で一筋の光。大天使が味方になってくれさえすれば、他の悪逆非道な者達が反旗を翻してきても守ってくれそう。ただし、俺自身が悪逆非道として処分される可能性は大いにある。大天使の慈悲に賭けるべきか。



 色々考えた結果、どの召喚を選んでも非常に危ないという事が分かった。自分のスキルを使用するのに、こんなにも悩まないといけないなんて泣けてくるぜ。誰かこの状況を打破してくれないかなと思っているとユニから声がかかる。

 「スキルがどういうものか分からないんでしょ?なら、じっくり見てみればいいじゃない?」

 ・・・そんなパンが無ければお菓子を食べればいいじゃない。的な事を言われてもどうしようもないでしょ、どうしようもないよね?お菓子を食べればいいわけじゃないよね?と恐る恐るゾンビ召喚と書かれた部分をじっくりっとみてみる。
 
 ・ゾンビ召喚
 ゾンビを召喚できるスキル。ゾンビの召喚数、種類、装備等は使用者のLvに応じて増えていく。召喚する際に召喚数や種類、装備等も指定可能。

 俺は膝から崩れ落ちる、そんなバカなと。
 こんな簡単にスキルの仕様が見えるなら、どんなスキルなんだ?って悩む必要なんて全くないじゃないか、あいつら・・・ん、あいつら?んー気のせいだよな。
 
 「ユニ、あ、ありがとう」

 頬を引きつらせながらユニに感謝の言葉を述べる。当然、ユニはにこやかな顔でどういたしましてーと言ってくる。




 気を取り直して、他の通常召喚スキルも確認してみるとあらかた同じ表記だった。(1体)記載の召喚スキルは最後にとっておくとして、先にやばそうなスキルとパッシブがどういうものなのかを確認せねば。まず、生贄召喚から。

 ・生贄召喚
 生贄にする対象は生贄対象が合意している場合か、生贄召喚使用者が触れているものに対して行うことができる。
 召喚できるのは生贄対象になっているものと同格以下のものに限る。(但し、生贄にしたもの以外を召喚する場合は、召喚するものの明確なイメージが必要となる)
 生贄召喚で召喚する場合、召喚する場所を指定することができる。(Lvが上がるごとに指定範囲拡大)
 生贄になるものが生贄召喚使用者以外の場合、この世に生まれてきたことを後悔する苦しみを負う(いかなる存在も)
 条件達成で能力追加。


 おいおいおいおい、なんだこのやばすぎるスキルは!

 上から順に噛み砕いて見ていこう。
 生贄にできるのは生贄対象が合意している場合というのは、まあ分かるよな。だがその後の説明文に書いてある生贄召喚使用者が触れていれば生贄にしていいってやばくないか!?だって触れていればなんでも生贄にしてしまうんだろ?もう魔王クラスじゃないのか?
 

 次に、召喚できるのは生贄対象になっているものと同格以下のものに限る。・・・待て待て待て、この記載もよく考えたらおかしくないか?その後にカッコ書きで召喚するものの明確なイメージが必要とか書いてあるけど、俺、カエルとかなら明確にイメージできるんだけど・・・触れれば対象を即死させてカエルにできるってことでよろしか?

 
 このスキルの異常さに疲れてきたが次のテキストにいってみよう。召喚する場所を指定できる(Lvが上がるごとに範囲拡大)と書いてあるけども文字通り離れた場所にも召喚可能という事だろうか?どれぐらいの位置に召喚できるかは把握する必要があるな。このテキストは理解できる。


 次のテキストが一番異常なんだよなぁ。
 生贄になるものが生贄召喚使用者以外の場合、と記載があるってことは俺自身を生贄にできるといっているのも同義だよな、俺を生贄にして別のものを召喚したら俺が死ぬんじゃない?
 次に生贄の対象になったものはこの世に生まれてきたことを後悔する苦しみを負うって怖っ!普通に考えて生贄にしたら死ぬから苦しみを与える必要ないよね?死んだ後まで苦しめるってこと?それも、いかなる存在にも使用可能って。
 と、このテキストは無意味な部分が多いような、もう一度生贄召喚のスキルを読み直す。


 生贄にしたもの以外を召喚する場合という記載があるということは、逆に言えば生贄にしたものを再度召喚可能ということか。で、この世に生まれてきたことを後悔する苦しみを負わせる。とすると・・・生贄にしたもの以外を召喚・・・生贄召喚使用者以外・・・そういうことか。
 



 ということは、触れないといけないという非常に厳しい条件があるものの、いかなる存在でも勝てる可能性があるということだな。このスキルを有効活用できるような戦術を用意しないと。
 生贄召喚はチートスキルと呼んでもいいのではないでしょうか。
 
 最後のテキスト、条件達成で能力追加はおまけ程度に思っておこう。
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