記憶を無くしている俺が、この世界に蔓延る輩を一人残らず粛清するまで(第一章、魔王を粛清するまで完結)

ぎたー

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第一章、魔王を粛清するまで 

第4話・契約召喚

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 俺と2号はネズミの上位種である赤色ネズミに遭遇、苦戦はしたがなんとか倒すことに成功し共にLvアップを果たした。





 この場所で目覚めてから、初めて恐怖というものを体感した。
 俺が今までに戦ってきたモンスターは攻撃されるまで無反応だっため、先制攻撃から追撃を行うことで倒せてしまう雑魚モンスターばかりだった。それが当たり前となっていたことが油断を招いたのだろう。
 赤色ネズミに足を噛まれ、身動きがとれない状況下で顔面へ飛びかかられるという大ピンチに陥った。ここにきて初めて明確な死と対面したことで、俺は生死をかけて戦っていると実感した。
 
 俺は赤色ネズミに噛まれた足を恐る恐る確認すると、綺麗に腐っていた。いや、腐っていたのは元々なのだが、足の肉をちぎられた時の傷があるかと思ったのだが・・・Lvが上がったことで回復したのだろうか。


 ★ゾンビLv10
 ・契約召喚(1回)

 Lvを確認すると、種族名の下に契約召喚なる記述が追加されている。
 
 契約召喚とはまた仰々しい名前だ、横に書いてある(1回)は1回きりしかつかえないということか?
 はっきり言おう、カッコイイ。今すぐに使用してみたい。

 俺「あ”あ”あ”ぁあ」(2号~、契約召喚ってのが使えるようになったんだけど)

 2号「あ”あ”ぁ」

 2号より「好きにしたら」と言われた気がする。
 不安なのは、召喚したものが「契約通り1回だけ攻撃してやろう、フハハ、さらばだ!」とか言って消えさるという展開はご遠慮したい。スキルに説明がないのは不親切すぎだろと悪態をつきつつ、すがるような気持ちで契約召喚を行う。



 俺と2号の前に複雑な模様をした大きな魔法陣が床に描かれ、光り出す。
 ゾンビ2人はぼーっとした顔でその魔法陣を見つめる。




 光続ける魔法陣を無の境地で見つめ続ける。




 長いな!と俺は心の中で突っ込む。
 魔法陣からなにも出てこないぞ、トラブルか?
 正直、契約召喚って書いてあったから使ってみたけど、契約召喚とはなんぞやって感じだし、使いどころが間違っている可能性もあるか。
 
 ・・・まあいいや、魔法陣を放置して先へ進もう。

 俺「あ”あ”あ」(2号、召喚は失敗らしいから先へ進もう)

 2号「あ”あ”」

 よしよし、2号も契約召喚が失敗したことを理解してくれたのだろう。俺と2号は魔法陣を通りすぎて先へ進んでいると、後方から白い光が迫ってきたような感覚に陥った。
 その光は視界を埋め尽くすほどで、何も考えられずゾンビ2人は立ち尽くす。

 「おいおい、お前が私を召喚したのか?って、こりゃあ契約召喚じゃねえか!」

 光が消えたと思ったら、後ろから声を掛けられた気がする。魔法陣から召喚された奴が話しかけてきたのかと思い後ろを振り向く。

 「お前が召喚したんだから分かるだろ。というより勘弁しろよなぁ、契約召喚なんて」

 そこには頭を手で掻く人間の美女がいた。
 推定年齢20歳ぐらい、身長は170cmぐらいか?髪は黒色でさらさらのロングヘアー、顔立ちは整っているがどことなく好戦的な雰囲気を持った、スタイル抜群のボンキュッボンだ。
 服装については半袖へそ出し白ティーに、青色のショートデニムパンツという凶悪フォルム。

 待て待て待てぃ!
 こんな人間の女性召喚してどないせえっちゅうねん。こちとら泣く子も黙るゾンビ様やぞ。

 「泣く子も黙るって、どこにゾンビごときで泣く子供がいるんだ?」
 
 美女は呆れたような顔をしてつぶやく。
 いやいや、ゾンビだぞ!人間を食べるような化け物だぞ!

 「人間はそんなに弱くなってしまったのか・・・知らなかった」

 知らないって、あなたも人間ですよね?

 「正確には人間だったと言ったほうがいいような気がするな、今はなんだろな?」

 ぇぇぇ、そんな訳の分からない存在なんですか。

 「まあ、気にすんなよ」
 
 と美女は笑って答えた後、すぐに般若のような顔で威圧的な声を出す。

 「そんなことはどうでもいい。契約召喚なんてふざけたことしやがった落とし前、どうつけてくれるんだ?ああ?」

 えぇぇ、怖えぇぇ。ど、どういうことでしょうか?

 「ああ?契約召喚つったらお前が死ぬと私も死ぬっていう、とんでもねえ召喚魔法だろうがよぉぉ・・・」
 
 美女は膝をつきガックシと地面に手をつく、その後もう一度俺の顔を見てさらにガックシと落ち込む。
 そ、そんなに嫌だったのか、たかがゾンビの俺が死んだら自分も死ぬってだけだろ?大した事ないだろ、それくら・・・俺は膝をつき絶望感から地面に手をつく、美女のあまりな不憫さに。

 「だああ、もうどうしようもねえ!お前の命だけは守ってやるよ」

 守ってくれるって、ここは人間がいないモンスターの巣窟なんだけど。

 「あ~はいはい。つっても手は貸さないぞ、お前が死なないようにしてやるだけだ」

 「はあ」と相槌を言いたくなるような物言いだ。
 手は貸さないってことは、俺と一緒に戦うことはないってことだよな?
 美女のほうを見ると腕を組んで後は知らんぞ、みたいな顔をしてるし俺の初めてのスキルはポンコツだったか・・・

 「ああ!?誰がポンコツだって!!!」

 美女が激怒して睨んでくる。
 俺はビクッとするがあることに気づいた、俺は一言も声に出してないぞ?
 こ、この美女、まさか人の心が読めるとかそういう能力者か?
 そ、それは、まずいのではないのでしょうか。この怖い女性に思ったことがばれるなんて生きていけない・・・

 「能力じゃねえ、契約だからだ。諦めろ」

 俺はこの過酷すぎる現実に絶望した。
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