19 / 60
第四章 軍師の鳩
第19話 六韜の教え
しおりを挟む
「ヤマトの政の、どこが悪いのでしょう?」
「それは王が悪いに決まっております」
磐余彦の問いに珍彦が即座に返した。考えるまでもない、といった風情である。
「王の、一体どこがいけないのでしょう?」
磐余彦がなおも食い下がる。
「かつてのヤマトは大きな国も小さな国も平等で、国同士の争いは消え、それぞれの国が栄えました。外敵に攻められれば共に戦い、力を合わせて撃退しました。それを見て周りの国が我も我もと輪に加わり、栄えたのです」
珍彦の言葉にはいささかも澱みがなかった。磐余彦は一言も聞き漏らすまいと必死である。
「ところが今のヤマト王は、大国が小国を苛むのを見過ごしているばかりか、不満を漏らした国には大軍を送って隷属させ、民も重税と圧政に苦しんでおります」
「たしかに、今の王になってからは飢饉や疫病が続き、多くの民が飢えていると聞きました」
磐余彦の呟きに、珍彦の目が鋭く光った。
「ほほう、よくご存知で」
「しかし飢饉は天の巡り合わせが悪いからで、王の責任とは言えぬのではないか?」
横から口をはさんだのは五瀬命である。
「いえ。唐土ではそれも王の不徳に依るという考えです。いにしえの兵法書には君主が不明なら国は危機にさらされ、民心は乱れるとあります。君主が賢聖なら国は安泰で、民も安んじて暮らしを営むことができます。すべては君主の行い次第です」
続けざまに質問を浴びせられながらも、珍彦の滑らかな弁舌は変わらず、むしろ鋭さを増してきた。
「君主が地位を失うのもまた天命によるもの。君主が運命を共にすべき大事な臣下を登用せず、逆に上に媚びへつらい下には傲慢な者を重用すれば、おのずと滅びましょう」
「ではその者が大事な臣下か否かを見分けるには、どうすればよいのですか?」
磐余彦は貪欲に質問を重ねた。
新しい知識を吸収することに夢中なのである。
珍彦の言葉には塩土老翁とも違う、為政者だけが知り得る経験に基づく言葉の重みがあった。
「試しにその者を裕福にしてやり、高位高官に就けます。あるいは重い責任を持たせます。隠し立てしないか、その態度を見ます。危険な任務を与えて恐れず立ち向かうかどうか見ます。さまざまな仕事を与え、行き詰まることがないか観察します。それらが果たせる者は、仁義忠信勇才を備えた人物とみることができます」
「おお、なるほどそれは素晴らしい教えだ!」
磐余彦は興奮して珍彦の腕を思わず掴んだ。
見た目よりがっしりして力強い手である。背中に背負った黒い弓は伊達ではない、と珍彦は思った。
「すまない」
磐余彦ははっと気づいて掴んだ手を離した。赤らめた顔が純粋で好もしい。
それでも磐余彦は質問をやめようとしない。
「ならば、どうすれば天下を治めることができましょう?」
すべて聞き終えるまでは離さない勢いである。
珍彦は少しだけ躊躇した。言ってよいものか迷ったのだ。
だが、自分をまっすぐに見る磐余彦の目が一点の曇りもないことに気づいて、ふたたび口を開いた。
「君子には、天下を覆うに足るほどの広い度量が必要です。そうしてはじめて天下を包容できます。次に、君子には天下を覆うに足る広大な信義が必要です。それではじめて天下を纏めることができます。さらに、君子には天下を覆うほどの広き仁愛があって初めて、人々が従います」
ここまで一気に言って、ひと息ついた。
「まだ続けますか」
磐余彦はようやく我に返った。
「いや、聞きたいが、せっかく聞いても吾がどれほど理解できるか、分からぬ。分からぬのでは、せっかく話してくれた汝に申し訳ない」
そう言いつつも、まだ質問し足りないのか、
「汝が言ったこと、『孫子』ではないのか。塩土老翁が同じようなことを言っていた記憶がある」と言葉を継ぐ。
「いえ、孫子と似ておりますが、これは『六韜』です」
「六韜?」
六韜は孫子や呉子などと並び『武経七書』のひとつに数えられる兵法書である。
前漢の劉邦に仕えた軍師張良が、黄石公から譲り受けた兵法の秘伝とされ、戦術のみならず人心掌握術や組織論などについても説いている。
日本では飛鳥時代に、藤原鎌足が密かに唐から六韜を取り寄せて門外不出としたという。
古来、兵法書としては孫子がもっとも知られるが、六韜と孫子の違いをひとことで言えば、孫子は寡兵を説かないのに対し、六韜は寡兵に重きを置く点であろう。
磐余彦の一行は現時点では七人と少数で、その点では珍彦が六韜に依って献策したのは理に叶っている。
珍彦は冷静に考えた。
――この若者の勉強熱心さは良く分かった。しかし、聞くからには与えられた知識を蓄えるだけの頭の器と度量がなければ、知識も零れ落ちるだけだ。
磐余彦にその器量があるか、珍彦は推し量った。
――少なくとも今は足りないとみた。だが、これから先もないのかと言われれば……。
一方磐余彦のほうでは、これほどの学識を備えた者が、草深い田舎で漁師をしていることに驚きを覚えていた。
――呉の軍師の家系の出だという話は本当のようだ。
むろんこの当時、唐土から見て僻遠の地である倭国には、三国志を知る者はほとんどいなかった。
五瀬命などは軍師の役割すら理解していない。
「国が滅ぶということは、誠に惨めです。父がいつも嘆いていました」
珍彦の言葉は一同をはっとさせた。
三国志の時代は、まず蜀が二六三年に滅び、次いで二六五年に魏の皇帝が司馬炎に禅譲し、晋(西晋)が興った。
さらに呉が二八〇年に滅び、中国は晋により統一をみた。
しかし四世紀初頭には八王の乱が起こるなど、大陸の行方は未だ定まっていない。
韓土(朝鮮半島)に至っては、北半分は楽浪・帯方郡を除けば騎馬民族の高句麗が優勢だが、南半分は未だ馬韓、辰韓、弁辰などの小さな部族間の争いに明け暮れている。
およそ「国家」の姿は見えていない。
一方、倭国の惣領と頼むべきヤマトでは、相変わらず内々の小競り合いに明け暮れ、外交面では外つ国の出方待ちに終始して、自ら発信する気概に欠けている。
少なくとも「このままで良いはずがない」というのが、磐余彦を頭とする日向(ひむか)の若者集団の一致した見解だった。
だが、ではどうすればよいのか――
そのころ隼手は浜で舟の番をしていた。
「汝一人で大丈夫か?」
珍彦を訪ねる前、来目が半ば心配気に、半ば試すように言うと、隼手はむっとして来目を睨んだ。
同じ縄文系ながら、口から先に生まれたような来目に対し、隼手は石像のように無口である。
ただし隼手は小柄だががっしりした体つきで腕力も強い。
古代の格闘術、相撲の達人でもある。一人で残しても心配ない筈だ。
「後でたっぷり飯を持って帰ってやるからな!」
来目の言葉に隼手は相変わらず無言のまま、軽く右手を上げて応じた。
「それは王が悪いに決まっております」
磐余彦の問いに珍彦が即座に返した。考えるまでもない、といった風情である。
「王の、一体どこがいけないのでしょう?」
磐余彦がなおも食い下がる。
「かつてのヤマトは大きな国も小さな国も平等で、国同士の争いは消え、それぞれの国が栄えました。外敵に攻められれば共に戦い、力を合わせて撃退しました。それを見て周りの国が我も我もと輪に加わり、栄えたのです」
珍彦の言葉にはいささかも澱みがなかった。磐余彦は一言も聞き漏らすまいと必死である。
「ところが今のヤマト王は、大国が小国を苛むのを見過ごしているばかりか、不満を漏らした国には大軍を送って隷属させ、民も重税と圧政に苦しんでおります」
「たしかに、今の王になってからは飢饉や疫病が続き、多くの民が飢えていると聞きました」
磐余彦の呟きに、珍彦の目が鋭く光った。
「ほほう、よくご存知で」
「しかし飢饉は天の巡り合わせが悪いからで、王の責任とは言えぬのではないか?」
横から口をはさんだのは五瀬命である。
「いえ。唐土ではそれも王の不徳に依るという考えです。いにしえの兵法書には君主が不明なら国は危機にさらされ、民心は乱れるとあります。君主が賢聖なら国は安泰で、民も安んじて暮らしを営むことができます。すべては君主の行い次第です」
続けざまに質問を浴びせられながらも、珍彦の滑らかな弁舌は変わらず、むしろ鋭さを増してきた。
「君主が地位を失うのもまた天命によるもの。君主が運命を共にすべき大事な臣下を登用せず、逆に上に媚びへつらい下には傲慢な者を重用すれば、おのずと滅びましょう」
「ではその者が大事な臣下か否かを見分けるには、どうすればよいのですか?」
磐余彦は貪欲に質問を重ねた。
新しい知識を吸収することに夢中なのである。
珍彦の言葉には塩土老翁とも違う、為政者だけが知り得る経験に基づく言葉の重みがあった。
「試しにその者を裕福にしてやり、高位高官に就けます。あるいは重い責任を持たせます。隠し立てしないか、その態度を見ます。危険な任務を与えて恐れず立ち向かうかどうか見ます。さまざまな仕事を与え、行き詰まることがないか観察します。それらが果たせる者は、仁義忠信勇才を備えた人物とみることができます」
「おお、なるほどそれは素晴らしい教えだ!」
磐余彦は興奮して珍彦の腕を思わず掴んだ。
見た目よりがっしりして力強い手である。背中に背負った黒い弓は伊達ではない、と珍彦は思った。
「すまない」
磐余彦ははっと気づいて掴んだ手を離した。赤らめた顔が純粋で好もしい。
それでも磐余彦は質問をやめようとしない。
「ならば、どうすれば天下を治めることができましょう?」
すべて聞き終えるまでは離さない勢いである。
珍彦は少しだけ躊躇した。言ってよいものか迷ったのだ。
だが、自分をまっすぐに見る磐余彦の目が一点の曇りもないことに気づいて、ふたたび口を開いた。
「君子には、天下を覆うに足るほどの広い度量が必要です。そうしてはじめて天下を包容できます。次に、君子には天下を覆うに足る広大な信義が必要です。それではじめて天下を纏めることができます。さらに、君子には天下を覆うほどの広き仁愛があって初めて、人々が従います」
ここまで一気に言って、ひと息ついた。
「まだ続けますか」
磐余彦はようやく我に返った。
「いや、聞きたいが、せっかく聞いても吾がどれほど理解できるか、分からぬ。分からぬのでは、せっかく話してくれた汝に申し訳ない」
そう言いつつも、まだ質問し足りないのか、
「汝が言ったこと、『孫子』ではないのか。塩土老翁が同じようなことを言っていた記憶がある」と言葉を継ぐ。
「いえ、孫子と似ておりますが、これは『六韜』です」
「六韜?」
六韜は孫子や呉子などと並び『武経七書』のひとつに数えられる兵法書である。
前漢の劉邦に仕えた軍師張良が、黄石公から譲り受けた兵法の秘伝とされ、戦術のみならず人心掌握術や組織論などについても説いている。
日本では飛鳥時代に、藤原鎌足が密かに唐から六韜を取り寄せて門外不出としたという。
古来、兵法書としては孫子がもっとも知られるが、六韜と孫子の違いをひとことで言えば、孫子は寡兵を説かないのに対し、六韜は寡兵に重きを置く点であろう。
磐余彦の一行は現時点では七人と少数で、その点では珍彦が六韜に依って献策したのは理に叶っている。
珍彦は冷静に考えた。
――この若者の勉強熱心さは良く分かった。しかし、聞くからには与えられた知識を蓄えるだけの頭の器と度量がなければ、知識も零れ落ちるだけだ。
磐余彦にその器量があるか、珍彦は推し量った。
――少なくとも今は足りないとみた。だが、これから先もないのかと言われれば……。
一方磐余彦のほうでは、これほどの学識を備えた者が、草深い田舎で漁師をしていることに驚きを覚えていた。
――呉の軍師の家系の出だという話は本当のようだ。
むろんこの当時、唐土から見て僻遠の地である倭国には、三国志を知る者はほとんどいなかった。
五瀬命などは軍師の役割すら理解していない。
「国が滅ぶということは、誠に惨めです。父がいつも嘆いていました」
珍彦の言葉は一同をはっとさせた。
三国志の時代は、まず蜀が二六三年に滅び、次いで二六五年に魏の皇帝が司馬炎に禅譲し、晋(西晋)が興った。
さらに呉が二八〇年に滅び、中国は晋により統一をみた。
しかし四世紀初頭には八王の乱が起こるなど、大陸の行方は未だ定まっていない。
韓土(朝鮮半島)に至っては、北半分は楽浪・帯方郡を除けば騎馬民族の高句麗が優勢だが、南半分は未だ馬韓、辰韓、弁辰などの小さな部族間の争いに明け暮れている。
およそ「国家」の姿は見えていない。
一方、倭国の惣領と頼むべきヤマトでは、相変わらず内々の小競り合いに明け暮れ、外交面では外つ国の出方待ちに終始して、自ら発信する気概に欠けている。
少なくとも「このままで良いはずがない」というのが、磐余彦を頭とする日向(ひむか)の若者集団の一致した見解だった。
だが、ではどうすればよいのか――
そのころ隼手は浜で舟の番をしていた。
「汝一人で大丈夫か?」
珍彦を訪ねる前、来目が半ば心配気に、半ば試すように言うと、隼手はむっとして来目を睨んだ。
同じ縄文系ながら、口から先に生まれたような来目に対し、隼手は石像のように無口である。
ただし隼手は小柄だががっしりした体つきで腕力も強い。
古代の格闘術、相撲の達人でもある。一人で残しても心配ない筈だ。
「後でたっぷり飯を持って帰ってやるからな!」
来目の言葉に隼手は相変わらず無言のまま、軽く右手を上げて応じた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
鎌倉最後の日
もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
佐々木小次郎と名乗った男は四度死んだふりをした
迷熊井 泥(Make my day)
歴史・時代
巌流島で武蔵と戦ったあの佐々木小次郎は剣聖伊藤一刀斎に剣を学び、徳川家のため幕府を脅かす海賊を粛清し、たった一人で島津と戦い、豊臣秀頼の捜索に人生を捧げた公儀隠密だった。孤独に生きた宮本武蔵を理解し最も慕ったのもじつはこの佐々木小次郎を名乗った男だった。任務のために巌流島での決闘を演じ通算四度も死んだふりをした実在した超人剣士の物語である。
神武東征外伝
長髄彦ファン
歴史・時代
神武東征を扱った『東へ征(ゆ)け』の外伝です。歴史からこぼれたエピソードを綴っていきます。
第一話「銅戈(か)の眠る海」は、瀬戸内海を行く磐余彦とその一行が、地元の漁師を助けて山賊退治をする物語。
第二話「勾玉の姫」は、大国主と姫との悲恋に隠された真実。
第三話「猫と河童と鬼退治」は、高千穂伝承をベースに三毛入野命が鬼退治をする物語。愛猫ミケがいい働きをしています。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる