学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ⑧

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 第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ⑧




「ふふふ。なかなか有意義な時間を過ごすことが出来ましたね」

 インタビューを終えた詩織はかなり上機嫌に俺にそう言ってきた。

「そうだね。ただ意外だったな。詩織から『俺と恋人同士では無い』という言葉を言うとは思わなかった」

 俺が彼女にそう言うと、詩織はふわりと笑みを浮かべで言葉を返す。

「言ったはずですよ、悠斗くん。私は『貴方を罠に嵌めたりしないで正攻法で行く』と。全国に嘘を広めるような真似はしたくなかったんです。ですが、悠斗くんが恋人同士では無いと言わなかったのは素直に嬉しかったです」
「あの場でそれを言うと、君に恥をかかせてしまう。そう思ったからね。詩織は俺にとって『とても大切な女性』だからな。そんな君に嫌な思いはさせたくなかったんだ」
「ふふふ。ありがとうございます。悠斗くんのそう言う所、大好きです」

 詩織はそう言うと、俺の右腕をギュッと抱きしめた。
 彼女の女性らしい柔らかい部分が押し当てられてとても幸せな気持ちになる。

「この後はアクセサリーショップに連れて行ってくれるんですよね?今から楽しみです」
「そうだね。今日の記念に一つ君に贈らせて貰いたいかな」
「嬉しいです。個人的には悠斗くんとのペアのネックレスが欲しいです」

 ネックレス?指輪かと思ったけど……

 少しだけ疑問に思っていると、詩織から理由が話された。

「ペアリングだと、朱里さんと被ってしまう可能性がありますからね。指輪は彼女に譲ります。その代わりと言ってはなんですが、ペアネックレスは私が貰います」
「ははは。なるほどねそれなら納得だ」

 俺がそう答えると、詩織は少しだけ妖艶に微笑みながら首元に指を当てる。

「あとは、悠斗くんに『首輪を付ける』と言う意味もありますからね。あまり他の女の子に色目を使ったりしては行けませんよ?」
「そんなつもりは無いんだけどな……」

 そして、そんな話をしていると目的地にしていたアクセサリーショップに到着する。


『アクセサリーショップ』


「悠斗くん。ここはそこそこ値の張るアクセサリーショップでは無いでしょうか?」
「そうだね。まぁピンキリではあるけど、それなりにいい値段はするだろうね」

 下は一万円から上は三桁まであるかな。

 まぁ俺が買おうと思ってるのは二桁くらいを考えてるけど。

「い、良いんですか?」
「当たり前だろ?君は俺にとってそのくらい大切な女性なんだから。ほら店の前に立ってると邪魔になってしまうからね。入ろうか」
「は、はい!!」

 こんなことを言うつもりは無いけど、朱里とは夏休みに旅行に行く予定だからな。
 それとは別のアプローチで詩織にも何かを渡したいとは思ってる。
 それがこれだからな。

 こうして、俺と詩織はアクセサリーショップの中に入った。

『いらっしゃいませ』

 スーツ姿の女性が微笑みながら俺たちにそう言う。

「彼女に似合うネックレスを購入予定です」

 冷やかしでは無く、購入の意思があると言うのを先に話しておく。

『かしこまりました。それでしたらこちらがネックレスのコーナーになりますので、ごゆっくりどうぞ』
「ありがとうございます」

 俺はそう言うと、詩織と共に案内されたコーナーに歩みを進める。

「さて、どれにしようかな……」
「その……一番安いのでも構いませんよ……」

 少しだけ申し訳無さそうにそう言う詩織に、俺は少しだけ言葉を強くして言う。

「俺は君のことをとても大切に考えてる。そんな君に、安物を贈れと言うのかい?」
「い、いえ……」
「少しくらいは見栄を張らせてくれないか?それなりの予算を組んでる。君が気に病む必要は全く無い」

 俺がそう言うと、詩織はようやく納得してくれたのか表情を緩めて頷いてくれた。

「わかりました。悠斗くんの気持ちを蔑ろにするようなことを言って申し訳ございません」
「あはは。わかってくれればいいよ」

 強く言ってごめんね。

 俺はそう言葉を続けたあと、ネックレスのショーケースに視線を向ける。

「サファイアのネックレスを君に渡そうと思ってるんだ」

 俺がそう言うと、詩織さんは目を見開いて驚きを顕にした。

「わ、私の誕生石のネックレスですか……」
「そう。詩織は九月が誕生日だったよね。その日はまた特別なデートをしようとは思ってるけど、ここで話すことでは無いよな」

 そこまで話したところで、俺は五万円に少し欠ける程度の価格のサファイアのネックレスを指さす。

「これなんかどうかな?君に良く似合うと思ってる」
「とても素敵だと思います。その、本当に良いんですか?」
「当然だよ。それじゃあ店員さんを呼ぼうか」

 そして、俺は店員さんを呼んでショーケースの中のペアネックレスを指さす。

「すみません。これを出して貰っても良いですか?」
『はい。かしこまりました』

 店員さんは快諾すると、ネックレスをショーケースから大切に取り出す。

『どうぞ』
「ありがとうございます。それじゃあ詩織、ちょっとつけてみて」
「はい」

 彼女はそう言うと、サファイアのネックレスを身につける。

「うん。素敵だよ、詩織。君にとても良く似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます……」

 顔を赤く染めながら、詩織は照れたようにそう言う。

「それじゃあ俺もつけてみようかな」

 このペアネックレス。くっつけるとハートの形になると言うものだ。
 なかなか洒落たことをしてくれると思うよな。

「どうかな、詩織」
「はい。とてもお似合いです。素敵ですよ、悠斗くん」
「ははは。ありがとう詩織」

 ふわりと微笑みながら褒めてくれた彼女に感謝を示してから、店員さんに声をかける。

「このままつけて帰ろうかと思います。あとネックレスボックスも購入しますので用意をお願いします」
『かしこまりました。ではこちらでお会計をよろしくお願いします』

 そして、俺はカウンターで支払いを済ませる。
 十万円と少しって感じだな。

 ソシャゲに課金してた頃は天井まで回してとかやってたから、安いもんだと思ってしまうな。

「お待たせ詩織」
「いえ、気にしないでください」

 入り口の近くで待っていた詩織は、そう言って俺に微笑みを向けてくれた。



「この後は私の家まで来て貰えますか?」
「うん。喜んで」

 店から出た詩織は俺に向けてそう言った。

「今日はたくさん悠斗くんからいだきました。ですのでたっぷりと……御奉仕させてください」
「あはは。そうだね、期待させてもらうよ」

 一線は絶対に超えないぞ。
 そう言う覚悟を持って、俺は詩織の家へと向かった。
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