164 / 292
第2章
第五話 ⑯ ~激戦の予算会議~ 昼 朱里視点 後編
しおりを挟む
第五話 ⑯
朱里視点
『それではこの辺で失礼します!!ご清聴ありがとうございました!!』
『この放送は生徒会長蒼井空と』
『生徒会副会長桐崎悠斗がお送りしました!!』
『『放課後の予算会議をよろしくお願いします!!それでは、さよなら!!』』
昼の放送がそうして終了した。
私は周りを見渡すと、結構な数の生徒たちがスマホ片手に学園のホームページを見ていた。
まだURLにアクセスしても、『配信準備中』としか出ないけど、そうしてる人の多さが、この放送が成功していたことを示していた。
私は手にしていたスマホを机に置いて、コップの中な水をひとくち飲んだ。
「お疲れ様、朱里。朱里のメッセージを見て対応したような場面も結構あったね」
「ありがとうゆーこちゃん。これで少しは悠斗の役に立てたかな?」
「大活躍だっただろ?藤崎さんのおかげで野球部を含めた運動部が肩身狭い思いしなくて済んだようなもんだし」
「あはは。私たちもバスケ部だし、お互い様だよね」
私がそう言った時に、ゆーこちゃんが私に聞いてきた。
「最近さ、黒瀬さんと彩ちゃん。仲良いよね」
やっぱり、あの一件が終わったあとでも、手を組んでる感じなのかな?
「多分そうだと思うよ?彩ちゃんは悠斗のこと好きだったと思うんだけど、なんでなんだろうね」
「うーん。自分の恋を他人に託す。ようなタイプでも無いと思うけど……。でも、彩ちゃんは去年から結構いーんちょーと仲いいからね。今後も手を組むってなると手強いかも?」
「斉藤さんはかなり悠斗が好きなこと知ってるからなー」
なんてことを言う武藤くん。
え?好きなことって何?脚フェチ以外にもあるの!?
「あー。これを言うとまた悠斗が怒りそうだけど、去年さ、俺と悠斗と石崎が『理想のパンチラシチュエーション』について昼休みに教室で熱く語ってたんだ」
「「馬鹿なんじゃない?」」
り、理想のパンチラシチュエーション!?何語ってるの!!??
「……まぁ、ほら、男ってそんなもんだからさ」
「……で?全く興味なんてわかないけど、一応聞いてあげるわよ。いーんちょーとかどんな話してたの?」
ゆ、ゆーこちゃんの視線が冷たい……
「い、石崎が『たくし上げが好き』って話してて、俺は『椅子に座った時に脚を組んだ時の隙間からが好き』って話してて……」
「石崎とあんたはどうでもいいのよ。桐崎の話をしなさい」
ゆ、ゆーこちゃん……悠斗の呼び方が……
「ゆ、悠斗は『風が吹いた時のラッキースケベが好き』って話をしてて」
「……ふーん。で?」
「……そ、その話をよ、後ろで斉藤さんが聞いてて、ケラケラ笑ってたからよ。悠斗が『ラッキースケベ的なエッチな出来事』が好きって知ってるんだよな」
あいつってさ、露骨なやり方のえろより、自然な感じとか日常の中のえろってのが好きなんだよ……
……ゆ、悠斗……
私は武藤くんから語られた、私の知らない悠斗に苦笑いを浮かべる。
「で?それを聞いた彩ちゃんが、黒瀬さんにラッキースケベ的なパンチラを狙ってね。ってアドバイスするかもって言うの?」
「……いや、そこまでは言わないけど。ほら、露骨なえろは無しにしようって言うかなってよ」
そう言う武藤くんに、ゆーこちゃんは席から少し離れて、
『椅子に座りながら脚を組んだ』
短めのスカートから、ゆーこちゃんの長い脚が綺麗に組まれる。
「…………」
その様子に武藤くんの視線がくぎ付けになる。
それを見たゆーこちゃんがニンマリと笑う。
「……へぇ。あんた、こんなのが好きなんだ?」
その言葉に、武藤くんは慌てて視線を切ってそっぽを向く。
その顔は真っ赤だった。
「そ、それは卑怯だろ!!」
「まぁ、これであんたが言ってた話の信ぴょう性は確認出来たし、役に立つ立たないは別として、話のネタとしては面白かったわよ」
満足そうなゆーこちゃん。
そ、そう言うイチャイチャは、私がいないところでして欲しいなぁ……
それにしても、悠斗は露骨なえろより、自然なえろとかハプニングが好き。
覚えておこう。
私は昼休みが終わるまでイチャイチャしていた二人を見ながら、悠斗の性癖について考えていた。
朱里視点
『それではこの辺で失礼します!!ご清聴ありがとうございました!!』
『この放送は生徒会長蒼井空と』
『生徒会副会長桐崎悠斗がお送りしました!!』
『『放課後の予算会議をよろしくお願いします!!それでは、さよなら!!』』
昼の放送がそうして終了した。
私は周りを見渡すと、結構な数の生徒たちがスマホ片手に学園のホームページを見ていた。
まだURLにアクセスしても、『配信準備中』としか出ないけど、そうしてる人の多さが、この放送が成功していたことを示していた。
私は手にしていたスマホを机に置いて、コップの中な水をひとくち飲んだ。
「お疲れ様、朱里。朱里のメッセージを見て対応したような場面も結構あったね」
「ありがとうゆーこちゃん。これで少しは悠斗の役に立てたかな?」
「大活躍だっただろ?藤崎さんのおかげで野球部を含めた運動部が肩身狭い思いしなくて済んだようなもんだし」
「あはは。私たちもバスケ部だし、お互い様だよね」
私がそう言った時に、ゆーこちゃんが私に聞いてきた。
「最近さ、黒瀬さんと彩ちゃん。仲良いよね」
やっぱり、あの一件が終わったあとでも、手を組んでる感じなのかな?
「多分そうだと思うよ?彩ちゃんは悠斗のこと好きだったと思うんだけど、なんでなんだろうね」
「うーん。自分の恋を他人に託す。ようなタイプでも無いと思うけど……。でも、彩ちゃんは去年から結構いーんちょーと仲いいからね。今後も手を組むってなると手強いかも?」
「斉藤さんはかなり悠斗が好きなこと知ってるからなー」
なんてことを言う武藤くん。
え?好きなことって何?脚フェチ以外にもあるの!?
「あー。これを言うとまた悠斗が怒りそうだけど、去年さ、俺と悠斗と石崎が『理想のパンチラシチュエーション』について昼休みに教室で熱く語ってたんだ」
「「馬鹿なんじゃない?」」
り、理想のパンチラシチュエーション!?何語ってるの!!??
「……まぁ、ほら、男ってそんなもんだからさ」
「……で?全く興味なんてわかないけど、一応聞いてあげるわよ。いーんちょーとかどんな話してたの?」
ゆ、ゆーこちゃんの視線が冷たい……
「い、石崎が『たくし上げが好き』って話してて、俺は『椅子に座った時に脚を組んだ時の隙間からが好き』って話してて……」
「石崎とあんたはどうでもいいのよ。桐崎の話をしなさい」
ゆ、ゆーこちゃん……悠斗の呼び方が……
「ゆ、悠斗は『風が吹いた時のラッキースケベが好き』って話をしてて」
「……ふーん。で?」
「……そ、その話をよ、後ろで斉藤さんが聞いてて、ケラケラ笑ってたからよ。悠斗が『ラッキースケベ的なエッチな出来事』が好きって知ってるんだよな」
あいつってさ、露骨なやり方のえろより、自然な感じとか日常の中のえろってのが好きなんだよ……
……ゆ、悠斗……
私は武藤くんから語られた、私の知らない悠斗に苦笑いを浮かべる。
「で?それを聞いた彩ちゃんが、黒瀬さんにラッキースケベ的なパンチラを狙ってね。ってアドバイスするかもって言うの?」
「……いや、そこまでは言わないけど。ほら、露骨なえろは無しにしようって言うかなってよ」
そう言う武藤くんに、ゆーこちゃんは席から少し離れて、
『椅子に座りながら脚を組んだ』
短めのスカートから、ゆーこちゃんの長い脚が綺麗に組まれる。
「…………」
その様子に武藤くんの視線がくぎ付けになる。
それを見たゆーこちゃんがニンマリと笑う。
「……へぇ。あんた、こんなのが好きなんだ?」
その言葉に、武藤くんは慌てて視線を切ってそっぽを向く。
その顔は真っ赤だった。
「そ、それは卑怯だろ!!」
「まぁ、これであんたが言ってた話の信ぴょう性は確認出来たし、役に立つ立たないは別として、話のネタとしては面白かったわよ」
満足そうなゆーこちゃん。
そ、そう言うイチャイチャは、私がいないところでして欲しいなぁ……
それにしても、悠斗は露骨なえろより、自然なえろとかハプニングが好き。
覚えておこう。
私は昼休みが終わるまでイチャイチャしていた二人を見ながら、悠斗の性癖について考えていた。
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説


十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

腹ぺこお嬢様の飯使い ~隣の部屋のお嬢様にご飯を振舞ったら懐かれた件~
味のないお茶
恋愛
「お腹が空きました。何か食べさせてください」
春休みの最終日。俺、海野凛太郎(うみのりんたろう)の部屋に同年代くらいの一人の女が腹を空かせてやって来た。
そいつの名前は美凪優花(みなぎゆうか)
今日。マンションの隣の部屋に母親と一緒に引っ越して来た奴だった。
「なんで初対面の人間に飯を振る舞わなきゃなんねぇんだよ?」
そう言う俺に、
「先程お母さんに言ったそうですね。『何か困り事があったら言ってください。隣人同士、助け合いで行きましょう』と」
と笑顔で言い返して来た。
「まさか、その言葉を言って数時間でこんな事になるとは思いもしなかったわ……」
「ふふーん。こんな美少女にご飯を振る舞えるのです。光栄に思ってくださ……」
パタン
俺は玄関の扉を閉めた。
すると直ぐに
バンバンバン!!!!
と扉を叩く音
『ごめんなさい!!嘘です!!お腹ぺこぺこなんです!!助けてください!!隣人さん!!』
そんな声が扉を突きぬけて聞こえて来る。
はぁ……勘弁してくれよ……
近所の人に誤解されるだろ……
俺はため息をつきながら玄関を開ける。
そう。これが俺と彼女のファーストコンタクト。
腹ぺこお嬢様の飯使いになった瞬間だった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる