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ゴウキ・ファミリー
物件探し その1
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「は?セントラルが物件購入を妨害?そこまですんのか?」
遅々として拠点作りの進まぬゴウキは、少しやつれた顔をしながらセシルに相談していた。
「はぁ~、いや、確かにセントラルは不動産も系列で扱ってるがなぁ・・・こんな不経済な土地を買い占めるなんてことするとはな。どう考えても商売にはならんぜ」
フォースギルド周辺の土地は、治安が2区の中でも悪いところに入る上に大通りからも外れているので需要がない。空き家や空きテナントが立ち並び、格安で物件が購入できることからセシルもここにフォースギルドを建てたのだ。
スミレが調べたところによると、周辺の土地は相場の倍以上の値で買われたらしい。一軒一軒は大したことないが、買い占めるとなるとかなりの金が使われることになる。
「あそこのギルマスがいくら高収入だからって、まさか買い占めるまでの資金を持っているとは思えねぇ。まさか私怨でギルドの金を使ってるんじゃねぇだろうな・・・」
実際そのまさかであったが、このときのゴウキ達がそれを知る由もない。
「しかし困ったな。後は候補とかはないのか?」
「なくはないが・・・微妙なところだ」
ゴウキはふぅと吸っていた煙草の煙を吐き出す。
他に候補に考えている物件はフォースギルドから徒歩20分かかる場所にあった。我慢できぬほどではないし、ゴウキの俊足を持ってすればすぐに到着できる距離だ。だが、スミレやデニスはともかくリノアは肉体派ではないので、あまり拠点とギルドの距離があるのは考え物であった。まぁリノアは何かしらチートを使い距離も克服してしまいそうな感はあるが、悪目立ちさせるのもどうかなと思うし、そもそもその物件もいざ買おうとするとまたセントラルに先回りされるのではないか・・・その可能性があった。
実際に下見もそこそこにすぐに買おうとしたこともあったが、セントラルに先に、あるいはより高値で買われてしまったことが何度もあった。
「じゃあ、残るところは・・・4区か」
セシルが顎に手を添えながら言った。
「4区・・・か」
2区では既に買える場所がない。では4区ならどうか。スラム街として有名な4区には空き物件はいくらでもあった。書類上は。
だがそうした空き物件には勝手に誰かしらが住み着いたり、敷地内で誰かが勝手にバラックを建てていたり、浮浪者が好き勝手にやっている。
2区なら憲兵にいえばすぐにそういう奴らは追い払ってくれるのだが、4区だとそうもいかない。
4区には憲兵も立ち寄らないのだ。それは4区のギャング達との協定があるからとかゴウキは聞いたことがあるが、詳しくはわからない。
そんなわけありの4区なので、まともな不動産屋はそこの物件を扱ってすらいない。まずは4区の物件を扱っている不動産屋を見つけるところから始めることになりそうだった。
「・・・しかたねぇ、アイツに頼るか」
いろいろと図々しいが仕方ないかなと、ゴウキはまたも4区の旧友を頼ることにした。
遅々として拠点作りの進まぬゴウキは、少しやつれた顔をしながらセシルに相談していた。
「はぁ~、いや、確かにセントラルは不動産も系列で扱ってるがなぁ・・・こんな不経済な土地を買い占めるなんてことするとはな。どう考えても商売にはならんぜ」
フォースギルド周辺の土地は、治安が2区の中でも悪いところに入る上に大通りからも外れているので需要がない。空き家や空きテナントが立ち並び、格安で物件が購入できることからセシルもここにフォースギルドを建てたのだ。
スミレが調べたところによると、周辺の土地は相場の倍以上の値で買われたらしい。一軒一軒は大したことないが、買い占めるとなるとかなりの金が使われることになる。
「あそこのギルマスがいくら高収入だからって、まさか買い占めるまでの資金を持っているとは思えねぇ。まさか私怨でギルドの金を使ってるんじゃねぇだろうな・・・」
実際そのまさかであったが、このときのゴウキ達がそれを知る由もない。
「しかし困ったな。後は候補とかはないのか?」
「なくはないが・・・微妙なところだ」
ゴウキはふぅと吸っていた煙草の煙を吐き出す。
他に候補に考えている物件はフォースギルドから徒歩20分かかる場所にあった。我慢できぬほどではないし、ゴウキの俊足を持ってすればすぐに到着できる距離だ。だが、スミレやデニスはともかくリノアは肉体派ではないので、あまり拠点とギルドの距離があるのは考え物であった。まぁリノアは何かしらチートを使い距離も克服してしまいそうな感はあるが、悪目立ちさせるのもどうかなと思うし、そもそもその物件もいざ買おうとするとまたセントラルに先回りされるのではないか・・・その可能性があった。
実際に下見もそこそこにすぐに買おうとしたこともあったが、セントラルに先に、あるいはより高値で買われてしまったことが何度もあった。
「じゃあ、残るところは・・・4区か」
セシルが顎に手を添えながら言った。
「4区・・・か」
2区では既に買える場所がない。では4区ならどうか。スラム街として有名な4区には空き物件はいくらでもあった。書類上は。
だがそうした空き物件には勝手に誰かしらが住み着いたり、敷地内で誰かが勝手にバラックを建てていたり、浮浪者が好き勝手にやっている。
2区なら憲兵にいえばすぐにそういう奴らは追い払ってくれるのだが、4区だとそうもいかない。
4区には憲兵も立ち寄らないのだ。それは4区のギャング達との協定があるからとかゴウキは聞いたことがあるが、詳しくはわからない。
そんなわけありの4区なので、まともな不動産屋はそこの物件を扱ってすらいない。まずは4区の物件を扱っている不動産屋を見つけるところから始めることになりそうだった。
「・・・しかたねぇ、アイツに頼るか」
いろいろと図々しいが仕方ないかなと、ゴウキはまたも4区の旧友を頼ることにした。
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