異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~

ぱつきんすきー

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52 恩返し

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ここの公共休息場へ来て数日が過ぎました

毎日午前中は、ジェニー姐さんの案内兼護衛? のもと、お散歩に出かけているワタシ

たまに豚さん(イノブタ)やワンちゃん(狼犬)に遭遇しかけるのですが、

ジェニー姐さんが魔法の石礫でけん制してくれるので、襲われることはありません

ありがたや、ありがたやです


そしてワタシがやることはというと、

 殺虫スプレーを蚊柱に浴びせ

 蚊取り線香放置で何かを仕留め

 食虫植物を見つけたら、除草剤散布

 巨大ナメクジにはお塩でお清め

そんな感じで、お昼まではチャージ魔力量稼ぎに精を出し、

午後から宵の口まではジェニー姐さんの薬店の助手をして現金稼ぎです


そんなことを繰り返していたら、


【買い物履歴】画面のチャージ魔力量【17768936】



そして嬉しいことに、レベルも2つ上がっちゃいました


Lv.9

HP 25600
MP 25600
攻撃 2560
防御 2560
魔力 2560
速度 2560
幸運 2560

スキル
 【言語理解 Lv.9】
 【インベントリ Lv.9】
 【買い物履歴 Lv.9】



現金収入方も順調で、かなりの稼ぎになっている模様です

なぜ、そんな曖昧な表現なのかというと、

現金(こちらのお金)の方は、正確に数えていませんです、すいません

なぜかって?

初日にお貴族様から大金貨ゲットしちゃいましたので、

細かい現金収入なんて、あまり気にならないのです

それに正直、もう、そんなに現金の必要性を感じなくなっているのです


(ワタシってば、現金を稼いでも、使うことあるのかな?)

馬車に乗れなかったときは、お金が大切だと思っていましたが、

今のここでの生活においては、お金を使うタイミングが全くないのです

(べっ別にお金を数えるのが面倒くさいとかじゃないんだからねっ!)



この公共休息場での生活にも慣れ始めた、そんなある日の午後

いつものようにジェニー姐さんと薬店でまったりしていると、

ワタシの高性能なお耳が反応します

どうやら外が騒がしくなってきたようです


「なんだかお外がうるさいです?」

「何かしら? ちょっと様子を見てくるわね」

「ワタシもワタシも!」


そんな感じで管理小屋を出ると、目の前にはなんとも悲惨な光景が

荷馬車が横倒しになっており、積み荷と思われる木箱が散乱していました


「あら大変!」

「何でこんなことに?」

思わず声が出てしまいます

それに答えてくれたのは、近くで事情聴取をしていたザックさんでした

「どうやら荷崩れをおこしたみたいでよ、この有様さ」
「おおかた、無理に荷物を載せ過ぎたんだろうよ」


ジェニー姐さんは怪我人がいないか確認しているようで、

倒れた荷馬車の近くに座り込んでいる男性に何やら話しかけています


これから夕方になろうという時間

管理小屋の目の前が通行止め状態ということは、

この公共休息場の出入り口が塞がれてしまっていることになります


「おい! 邪魔だ!」
「入れねぇだろうが!」
「とっとと片付けろ!」


街道から公共休息場に入ろうとしている馬車の関係者から、罵声が飛んできます


「こりゃ殺気立ってきやがったなぁ」
「早いとこ片づけちまぁねぇと、厄介なことになりそうだぜ」

ザックさんがそうこぼした時でした


「何をしておる!」
「子爵様の馬車を遮るとは不届きである!」
「さっさとどけぬか!」

派手な紋章、飾り紋のような刺繍の入った服を着た、馬に乗った騎士っぽい男性が

公共休息場の入り口付近で騒いでいるのが目に入ってきました


「あちゃ~、厄介なのがきやがったなぁ~」

どうやら、ザックさん的にも招かざるお客さんのようです


「ここの駐在員は何をしておる!」
「早く片づけぬか!」

どうやら騎士様の怒りの矛先は、ザックさんたち駐在員に向けられてしまったようです

「仕方ねぇ、ちょっくら矢面に立ってくらぁ」

そんな言葉と共に、騎乗した騎士様の方へ歩き出すザックさん


「騎士様、もう少し待ってくだせぇよ」
「今しがたおきたばかりの事故なんでさぁ」

「お前は何者だ」

「オレゃここの雇われ駐在員ですぜ」

「駐在員か、ならばこの事故の責任は全てお前にある」
「さっさと片づけぬか!」

「いや、だから、ちょっと待ってくれって」
「これから人を集めて片づけるからよ」

「やかましい、我に反論するでない!」
「そもそも何だその態度は!」
「まずは跪かぬか、この無礼者めが!」


何だか話が通じない騎士様のようです

(こりゃダメなタイプのお偉いさんだね)
(あのままだとザックさん、最悪、無礼討ちとかされちゃいそう・・・)


そんな感じで心配していると、怪我人を確認していたジェニー姐さんが戻ってきました

「何だか雲行きが怪しくなってきちゃったわね?」

「あっジェニー姐さん」
「怪我人とか、大丈夫です?」

「ええ、怪我人はいなかったわ」
「ゆっくり荷崩れしだしたみたいで、御者は荷馬車が倒れる前に飛び降りたみたい」
「馬も引き綱が長かったおかげで無事よ」
「それより、早く道を通れるようにしないと、別の問題がおきそうね」
「まあ散らばった荷物は何とかなるでしょうけど、倒れた荷馬車が問題よね」

どうやらあの横転した大きな荷馬車さえどうにかすれば、あとは何とかなるようです

「あの荷馬車を急いでどかせばいいんです?」

「え? まあ、そうでしょうね」

「それじゃあ、ワタシがやっちゃいますね?」

(ザックさんピンチっぽいし、コッソリお手伝いしちゃいましょう!)

そう言って、倒れた荷馬車を【インベントリ】に収納し、

そしてすぐさま管理小屋の横、ユニットハウスで使っていた場所に荷馬車を出します

もちろん倒れた状態だった荷馬車は正しく立たせますよ?

「これでどうです?」

(見えてる範囲なら、【インベントリ】からモノの出し入れなんて、簡単簡単!)
(チュチュンがチュン、てなもんです!)
(あれ? これだと電〇マン?)

ん?
ベンジャ〇ン伊東?
コ〇ツの親分さん?



「え? 今のって・・・」
「あなた、今、何したの?」

「へ? 何って、倒れた荷馬車を回収して、管理小屋の横に出しただけですけど?」

「出しただけって・・・」
「スキニーちゃん、いいこと? このことは黙ってなさいね?」

「へ? ええ、分かりましたです」

そんな会話をジェニー姐さんと小声でしていたのですが、

その会話に小声で割り込みがありました

「嬢ちゃん、助かったぜ」

さっきまで偉そうな騎士様に怒鳴り散らされていたザックさんです

「荷馬車をどけてくれたの、嬢ちゃんだろ? 助かったぜ」

どうやら、ザックさんにはワタシがしたことがバレてしまっているようです

ワタシは返事はせず、右手で小さくサムズアップ

すると、ワタシの意図が通じたのか、

ザックさんも、ワタシにだけ見えるように小さくサムズアップなのでした

(ザックさんのお役にたてたかな?)
(ザックさんには、お店のプレオープンの時、お世話になったしね)



その後、現場は「何が起きたんだ!」「誰がやったんだ!」と大騒ぎですが、

ザックさんのあの様子ならワタシがやったって言いふらすこともないでしょう

ワタシとジェニー姐さんは素知らぬ顔で管理小屋へと引っ込むのでした

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