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帝国歴52年
暴露
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現代日本では普通の女子高生だった私、市綱エリカは、目覚めたらゲーム世界の蒸騎、主人公機ロボのAIへ転生……するはずだった。
今は何故か主人公以外の、海賊伯の息子の所有物の機体になってるけど。
そして私の隣には一人の老人。
彼は皇帝を決める権限を持つ選帝侯の一人、ドッチ方伯だ。
えーと閣下、色々お聞きしても?
「構わんよ?」
まずお聞きしたいのですが、何故選帝侯を集めた合同演習を行おうと?
「爺は寂しがりだからのお。
偶には皆を集めて切磋琢磨したいと思う事もある」
……嘘ですね。
多分貴方は大きな戦が起きるのを知っていて、その準備の為に皆を招集した。
「どうしてそう思う?」
そうする理由を私なりに考えて、思いついた可能性が二つあります。
「ほう?」
一つは、貴方が方伯という立場にあり自由に帝国を行き来出来る立場にある事です。
帝国内に不穏な動きあり、その為に準備をしようと考えた。
「ふむふむ、ではもう一つは?」
そもそも方伯が、不穏な動きの首謀者の可能性ですね。
反乱する気満々だけど、その前にとりあえず他の選帝侯に挨拶しておきたかったと。
「後者の発言は穏やかでないな。
違っていた場合にはワシに侮辱罪で訴えられる可能性も考えなかったか?」
そう思ったので、色々調べましたよ。
……ナパルレオーン将軍。
「むっ!?」
その名前を聞いて、初めて目の前の好々爺が険しい顔つきになる。
旧共和国は王を持たない議会政治であったが、国民の大半から慕われ王に匹敵する権限を持つ者が一人いた。
それがナパルレオーン将軍。
帝国の逆襲が起きるまでは常勝無敗を誇った共和国の英雄だ。
そしてドッチ方伯は他の選帝侯と違い血縁関係のない子供を養子に取った。
ソレハと名乗る彼こそがナパルレオーンの孫にあたる、ナパルレオーン三世とも呼べる存在なのだ。
「軍を率いるあいつの才能は素晴らしい。それこそ初代将軍を超える逸材になれるかも知れん」
あっさりとドッチ方伯は内情を暴露した。
「だから帝国を裏切って共和国の反乱に力を貸すってのかい?」
いつの間にか近くに来ていた女海賊伯、アキ・シーキャットがそう口を開く。
「むむむ、それが本当であれば由々しき自体」
「筋肉は裏切らないが、貴様は裏切るのか」
「んー、ソレハ君はうちのリルと仲が良かったんだけどねえ。ちょっとガッカリだな」
辺境伯、大司教、宮中伯の三人もそう口にする。
「ふっ、ならばどうする?
選帝侯の諸兄よ」
開き直った口調でドッチ方伯がそう言うと。
「陛下に突き出すから、おとなしく捕まってくれないかな。
じゃないと我々全員で袋叩きにしないといけなくなる」
そうゴールド宮中伯が言うと。
「フハハハハ!」
豪快に方伯が笑い声をあげる。
「な、何が可笑しいんだいじーさん」
とシーキャット海賊伯。
「待て気をつけろアキ、選帝侯の最年長の卿の事だ、何かを仕込んでいるに違いない」
「察しがいいな宮中伯どの。
長く虐げられた共和国だが、密かに新技術を開発していたのだ」
ゴールド宮中伯の言葉に方伯老人が答える。
「新技術、ですか?」
そう尋ねるのはマクノーチ辺境伯。
「そうとも辺境伯、魔石より抽出した高濃度の量子を動力にした、蒸騎の数倍の駆動を持つゴーレム」
そう方伯が告げると、選帝侯達の蒸騎の背後に、それより一回り大きな機械兵士が数体出現した。
「名付けて量騎!
さあ時代遅れの蒸騎で勝てるかな?
今は何故か主人公以外の、海賊伯の息子の所有物の機体になってるけど。
そして私の隣には一人の老人。
彼は皇帝を決める権限を持つ選帝侯の一人、ドッチ方伯だ。
えーと閣下、色々お聞きしても?
「構わんよ?」
まずお聞きしたいのですが、何故選帝侯を集めた合同演習を行おうと?
「爺は寂しがりだからのお。
偶には皆を集めて切磋琢磨したいと思う事もある」
……嘘ですね。
多分貴方は大きな戦が起きるのを知っていて、その準備の為に皆を招集した。
「どうしてそう思う?」
そうする理由を私なりに考えて、思いついた可能性が二つあります。
「ほう?」
一つは、貴方が方伯という立場にあり自由に帝国を行き来出来る立場にある事です。
帝国内に不穏な動きあり、その為に準備をしようと考えた。
「ふむふむ、ではもう一つは?」
そもそも方伯が、不穏な動きの首謀者の可能性ですね。
反乱する気満々だけど、その前にとりあえず他の選帝侯に挨拶しておきたかったと。
「後者の発言は穏やかでないな。
違っていた場合にはワシに侮辱罪で訴えられる可能性も考えなかったか?」
そう思ったので、色々調べましたよ。
……ナパルレオーン将軍。
「むっ!?」
その名前を聞いて、初めて目の前の好々爺が険しい顔つきになる。
旧共和国は王を持たない議会政治であったが、国民の大半から慕われ王に匹敵する権限を持つ者が一人いた。
それがナパルレオーン将軍。
帝国の逆襲が起きるまでは常勝無敗を誇った共和国の英雄だ。
そしてドッチ方伯は他の選帝侯と違い血縁関係のない子供を養子に取った。
ソレハと名乗る彼こそがナパルレオーンの孫にあたる、ナパルレオーン三世とも呼べる存在なのだ。
「軍を率いるあいつの才能は素晴らしい。それこそ初代将軍を超える逸材になれるかも知れん」
あっさりとドッチ方伯は内情を暴露した。
「だから帝国を裏切って共和国の反乱に力を貸すってのかい?」
いつの間にか近くに来ていた女海賊伯、アキ・シーキャットがそう口を開く。
「むむむ、それが本当であれば由々しき自体」
「筋肉は裏切らないが、貴様は裏切るのか」
「んー、ソレハ君はうちのリルと仲が良かったんだけどねえ。ちょっとガッカリだな」
辺境伯、大司教、宮中伯の三人もそう口にする。
「ふっ、ならばどうする?
選帝侯の諸兄よ」
開き直った口調でドッチ方伯がそう言うと。
「陛下に突き出すから、おとなしく捕まってくれないかな。
じゃないと我々全員で袋叩きにしないといけなくなる」
そうゴールド宮中伯が言うと。
「フハハハハ!」
豪快に方伯が笑い声をあげる。
「な、何が可笑しいんだいじーさん」
とシーキャット海賊伯。
「待て気をつけろアキ、選帝侯の最年長の卿の事だ、何かを仕込んでいるに違いない」
「察しがいいな宮中伯どの。
長く虐げられた共和国だが、密かに新技術を開発していたのだ」
ゴールド宮中伯の言葉に方伯老人が答える。
「新技術、ですか?」
そう尋ねるのはマクノーチ辺境伯。
「そうとも辺境伯、魔石より抽出した高濃度の量子を動力にした、蒸騎の数倍の駆動を持つゴーレム」
そう方伯が告げると、選帝侯達の蒸騎の背後に、それより一回り大きな機械兵士が数体出現した。
「名付けて量騎!
さあ時代遅れの蒸騎で勝てるかな?
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