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02 なんで
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「そう。異世界……うん。そっち側から見ると、そう言うんだろう? 俺は異世界から来た。だから、ここで騒がれると困る。落ち着いてくれ」
彼は深呼吸をして、その真似をすると確かに落ち着いてきた。
目の前に居る彼の顔はよくよく見ると驚くほどに整っていて、私の好きな若手の人気俳優に似ていた。そんなことですぐに好意を抱いてしまう単純な生き物、それは私。誰にも迷惑はかけてない。
「え。けど、待って待って待って……異世界人なのに、なんで日本語が使えるの?」
それを言い出したら、異世界もののほとんどが否定されてしまうじゃないかというつっこみはどうか置いておいて欲しい。
私はどうしても、それが気になってしまった。
ちなみに異世界転移ものには、言葉を学ぶところから始めるものあるものの、ストーリー上必要のないものは、省いてしまうものがほとんどでございます。
「俺は、何もしてない。普通に話してる……そっちの問題じゃないか?」
泡まみれの風呂に落ちてびしょびしょになってしまった自分の服を不快そうに摘むと、彼は言いにくそうにそう言った。
「え。ちょっと……こちらに何か問題あるみたいな反応、止めてくれる? そっちがいきなり、ここに現れたんでしょう? このホテルに泊まるの、高かったんだからね!」
私はたまの贅沢に泡風呂を楽しんでいただけだし、悪いことは何もしていない。普通に被害者側だと訴えれば、彼は苦笑して両手を上げた。
「まぁまぁ。怒らない怒らない。リラックスして。また、深呼吸しなよ」
とにかく落ち着けって言いたいのはわかるけど、こんな状況でリラックスは無理!
「ねえ……もしかして、異世界人なら、魔法使えるの?」
私の疑問に彼は、なんなく頷いた。
「ある程度は俺も使えるけど、この世界では無理みたいだ。今、少し試したけど全く発動しない。魔力の源になるものが、ここには存在しないんだと思う」
「えっと……貴方のいる世界って、魔法のある異世界なの?」
「そうだよ」
「うわ。すごい……職業は何をしている人なの?」
「騎士。とある国に仕えている」
「騎士なの! 格好良い!」
無防備な裸で体を隠すものといえば、ふわふわの泡くらい。そんな状況でも、私は考えられないくらいに興奮していた。
幼い頃から、異世界ファンタジーものが好き! そんな世界にもし行けるのなら、絶対に行きたい! もう辛い現実すぎるこの世界になんて、帰って来なくても良い!
「うん……行ってみたい?」
「行きたい!」
日頃の願望が口をついて出て来て、彼は嬉しそうに満面の笑みを見せた。
なんでそんなにも彼は嬉しそうな表情をしたんだろうと、私はこの時に不思議に思ってしまった。
「あのっ……とにかく、私お風呂から出たいから……とにかく、一旦出てくれない?」
彼は深呼吸をして、その真似をすると確かに落ち着いてきた。
目の前に居る彼の顔はよくよく見ると驚くほどに整っていて、私の好きな若手の人気俳優に似ていた。そんなことですぐに好意を抱いてしまう単純な生き物、それは私。誰にも迷惑はかけてない。
「え。けど、待って待って待って……異世界人なのに、なんで日本語が使えるの?」
それを言い出したら、異世界もののほとんどが否定されてしまうじゃないかというつっこみはどうか置いておいて欲しい。
私はどうしても、それが気になってしまった。
ちなみに異世界転移ものには、言葉を学ぶところから始めるものあるものの、ストーリー上必要のないものは、省いてしまうものがほとんどでございます。
「俺は、何もしてない。普通に話してる……そっちの問題じゃないか?」
泡まみれの風呂に落ちてびしょびしょになってしまった自分の服を不快そうに摘むと、彼は言いにくそうにそう言った。
「え。ちょっと……こちらに何か問題あるみたいな反応、止めてくれる? そっちがいきなり、ここに現れたんでしょう? このホテルに泊まるの、高かったんだからね!」
私はたまの贅沢に泡風呂を楽しんでいただけだし、悪いことは何もしていない。普通に被害者側だと訴えれば、彼は苦笑して両手を上げた。
「まぁまぁ。怒らない怒らない。リラックスして。また、深呼吸しなよ」
とにかく落ち着けって言いたいのはわかるけど、こんな状況でリラックスは無理!
「ねえ……もしかして、異世界人なら、魔法使えるの?」
私の疑問に彼は、なんなく頷いた。
「ある程度は俺も使えるけど、この世界では無理みたいだ。今、少し試したけど全く発動しない。魔力の源になるものが、ここには存在しないんだと思う」
「えっと……貴方のいる世界って、魔法のある異世界なの?」
「そうだよ」
「うわ。すごい……職業は何をしている人なの?」
「騎士。とある国に仕えている」
「騎士なの! 格好良い!」
無防備な裸で体を隠すものといえば、ふわふわの泡くらい。そんな状況でも、私は考えられないくらいに興奮していた。
幼い頃から、異世界ファンタジーものが好き! そんな世界にもし行けるのなら、絶対に行きたい! もう辛い現実すぎるこの世界になんて、帰って来なくても良い!
「うん……行ってみたい?」
「行きたい!」
日頃の願望が口をついて出て来て、彼は嬉しそうに満面の笑みを見せた。
なんでそんなにも彼は嬉しそうな表情をしたんだろうと、私はこの時に不思議に思ってしまった。
「あのっ……とにかく、私お風呂から出たいから……とにかく、一旦出てくれない?」
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