32 / 52
【リーナ視点】ただいま戻りました。
しおりを挟む
メイド長のリーナを含めた53人のメイド達は食材の買い出しを終え、城へ戻る途中だった。
城の門をくぐり抜け、城まであと100メートルほどというところで、それは聞こえてきた。
「「「敵襲だーーーーーーーー!! 急げーーーーーー!」」」
大勢の兵士達が慌ただしく武器をとり、走って行くのが遠目でもわかった。
走る兵士の行く先を視線で辿れば、城の一箇所が灰色の粉を吹きながらゴロゴロと崩れているのが見えた。
「あそこは──────」
あの客間。
ということは………お嬢様⁉︎
「ごめんなさい。先に行くわ! これお願いね!」
「リーナさん⁉︎ どちらへ───」
その問いに答える余裕もなく、リーナは買い占めた食材を他のメイドに押し付け、走って行く兵士に続いた。
「一体、何があったのですか⁉︎」
最後尾に続く兵士達と並走しながら、問う。
「わからねぇ!」
「だが、あそこから爆発音がしたのは間違いねぇ!」
「城の一箇所が崩壊してる。襲撃を受けたんだ! きっと敵にちげーねぇ」
敵、ですって?
お嬢様……。
リーナは額から一筋の汗を流し、ゴクリと唾を飲み込んだ。
並走している途中で、異変に気付きリーナは足を止めた。
リーナと並走していた兵士もそれを感じ取ったようで、リーナの数歩先で足を止める。
「なん……でしょう?」
一番前を走っていたと思われる兵士達が戻ってきた。
何か恐ろしいものでも見てしまったような顔で、全力疾走して。
「おまえらぁ! 持ち場に戻れえぇぇえぇえぇ!」
そう叫んだ一人の兵士は恐怖で? なのか鼻水を垂らしに垂らしまくっているではありませんか。
陛下にお仕えする兵士とあろうものが、全く情けない。
「何があったんだよ! 敵はどうする!」
リーナと同様に足を止めていた兵士が走り戻ってくる兵士に問う。
「敵なんかいねぇーよ! つーか敵よりもヤベェーんだって!」
「敵よりもって相手は誰ですか⁉︎」
敵よりも、ということはこの城の関係者の誰かということでしょうか?
「陛下だよ! 陛下!」
陛下?
陛下………貴方、一体、何をされたのですか?
いえ、まだ勝手に陛下の所為だと決めつけてはいけませんね。
事情を聞こうと、私は兵士の皆様にお声をかけたのですが、皆、逃げるのに必死なようで結局は誰も足を止めて下さいませんでした。
共に足を止め、呆然としていた兵士達も何がなんだかわからないといった感じでした。
しかし、襲撃でなかったことに安心して各自、持ち場に戻られました。
お嬢様に何もなければいいのですが………。
お嬢様の安否を確認すべく、私一人で現場へ走って戻ることに致しました。
すると、客間の前についてみれば、瓦礫の山。
メイド服のスカートをたくし上げ、それを一つずつまたいで客間のドアを開くと、
「そのまえに、何か余に言うことはないのかな? 人の子よ。うん?」
中から陛下の声が聞こえてきた。
客間も瓦礫の山で、陛下の姿を捉えることができなかった。
陛下のお相手している方は誰でしょうか?
邪魔をしていた瓦礫を全てよけて、見てみれば、そこには─────
とてもいい笑顔で魔王覇気をダラダラ漏らしながらお嬢様の頭蓋骨をわしづかみしている陛下の姿がありました。
お嬢様は、床に足がつかず、プラプラ揺れていらっしゃいます。
お嬢様は助けてほしそうに陛下の側近であるガルシアに視線を向けているが、ガルシアは気づかないふりをするようにお嬢様とは反対の方向へ顔を背けています。
この状況は一体……。
私はどうするのが正解なのでしょうか?
リーナは解決策を見つけるべく、早急に思考を巡らせるのだった。
城の門をくぐり抜け、城まであと100メートルほどというところで、それは聞こえてきた。
「「「敵襲だーーーーーーーー!! 急げーーーーーー!」」」
大勢の兵士達が慌ただしく武器をとり、走って行くのが遠目でもわかった。
走る兵士の行く先を視線で辿れば、城の一箇所が灰色の粉を吹きながらゴロゴロと崩れているのが見えた。
「あそこは──────」
あの客間。
ということは………お嬢様⁉︎
「ごめんなさい。先に行くわ! これお願いね!」
「リーナさん⁉︎ どちらへ───」
その問いに答える余裕もなく、リーナは買い占めた食材を他のメイドに押し付け、走って行く兵士に続いた。
「一体、何があったのですか⁉︎」
最後尾に続く兵士達と並走しながら、問う。
「わからねぇ!」
「だが、あそこから爆発音がしたのは間違いねぇ!」
「城の一箇所が崩壊してる。襲撃を受けたんだ! きっと敵にちげーねぇ」
敵、ですって?
お嬢様……。
リーナは額から一筋の汗を流し、ゴクリと唾を飲み込んだ。
並走している途中で、異変に気付きリーナは足を止めた。
リーナと並走していた兵士もそれを感じ取ったようで、リーナの数歩先で足を止める。
「なん……でしょう?」
一番前を走っていたと思われる兵士達が戻ってきた。
何か恐ろしいものでも見てしまったような顔で、全力疾走して。
「おまえらぁ! 持ち場に戻れえぇぇえぇえぇ!」
そう叫んだ一人の兵士は恐怖で? なのか鼻水を垂らしに垂らしまくっているではありませんか。
陛下にお仕えする兵士とあろうものが、全く情けない。
「何があったんだよ! 敵はどうする!」
リーナと同様に足を止めていた兵士が走り戻ってくる兵士に問う。
「敵なんかいねぇーよ! つーか敵よりもヤベェーんだって!」
「敵よりもって相手は誰ですか⁉︎」
敵よりも、ということはこの城の関係者の誰かということでしょうか?
「陛下だよ! 陛下!」
陛下?
陛下………貴方、一体、何をされたのですか?
いえ、まだ勝手に陛下の所為だと決めつけてはいけませんね。
事情を聞こうと、私は兵士の皆様にお声をかけたのですが、皆、逃げるのに必死なようで結局は誰も足を止めて下さいませんでした。
共に足を止め、呆然としていた兵士達も何がなんだかわからないといった感じでした。
しかし、襲撃でなかったことに安心して各自、持ち場に戻られました。
お嬢様に何もなければいいのですが………。
お嬢様の安否を確認すべく、私一人で現場へ走って戻ることに致しました。
すると、客間の前についてみれば、瓦礫の山。
メイド服のスカートをたくし上げ、それを一つずつまたいで客間のドアを開くと、
「そのまえに、何か余に言うことはないのかな? 人の子よ。うん?」
中から陛下の声が聞こえてきた。
客間も瓦礫の山で、陛下の姿を捉えることができなかった。
陛下のお相手している方は誰でしょうか?
邪魔をしていた瓦礫を全てよけて、見てみれば、そこには─────
とてもいい笑顔で魔王覇気をダラダラ漏らしながらお嬢様の頭蓋骨をわしづかみしている陛下の姿がありました。
お嬢様は、床に足がつかず、プラプラ揺れていらっしゃいます。
お嬢様は助けてほしそうに陛下の側近であるガルシアに視線を向けているが、ガルシアは気づかないふりをするようにお嬢様とは反対の方向へ顔を背けています。
この状況は一体……。
私はどうするのが正解なのでしょうか?
リーナは解決策を見つけるべく、早急に思考を巡らせるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる