異世界行っても怠惰を貫く。

産屋敷 九十九

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妊娠六ヶ月くらいだと思う。

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食事を終えた後、再び客間に戻ってきた。

「とりあえず、今日は食事とお風呂以外の時間ではこちらのお部屋で過ごしてください。これは、陛下からの命令でございます」




 
ご飯だけでなく風呂もいいのか⁉︎

なんか色々、趣旨かわってきてない?

このままお泊りになりそうな流れなのは気のせいだろうか?

まぁ、どうせ帰る手段もないわけだし、余計なことは黙っておくとしよう。

だが、できるかぎり多く情報を得ておきたいところだな。






メイドは出て行こうと背を向けた。

「すみません」

呼び止めれば、メイドは振り返り首をかしげた。

「はい?」

「陛下にこの後、会うことはできませんか?」

「なにかご用でも?」

「尋問の途中でしたので、説明できればと」

「尋問は敵にするものですのでその必要はございません」

「私が敵でないと判断されたということですか?」

「はい」

「その理由は聞いていますか?」

「はい。そのまま申し上げますと『あんなでかい音を鳴らして余を倒そうなどとする間抜けはおるまい』とのことです」

理由を説明するメイドの顔は真顔で、余計に恥ずかしくなる。






恥ずかしい。

恥ずかしい、の一言に尽きる。 

真顔はやめてほしい。

いっそ笑い飛ばしてくれた方がマシだと思った。 

あぁ、顔がとてつもなく熱い。

こらえろ私!





「尋問以外にも、この大陸に入ってしまった理由も説明しておりませんし、身元不明なままここに置かせていただくのは申し訳ないので、陛下に会わせていただくことはできませんか? 会って直接、説明したいので」

「その件に関しましては明日でも良いとのことです。今日はとりあえずお腹を満たして休んでほしいと陛下はおっしゃっておりました。それに、陛下は今、仕事に追われておりますので、今日お話しされるのは難しいかと」





明日っ⁉︎

まさかのお泊り決定⁉︎





「そうですか‥‥‥引き留めてしまってすみません。ありがとうございました」

「いえ、それでは失礼致します」

メイドは一瞬、こちらに笑顔をむけると部屋から出て行った。




メイドが出て行き、客間には私しかいない。
 
ボスンと音が鳴るくらいに勢いよく、部屋に設置してあるキングサイズのベッドにダイブした。

「あ~恥ずかし、あと、腹いっぱい」

ベッドに寝転がり、ぽんっと妊娠六ヶ月くらいに膨らんだ腹をたたいた。

「うっぷ。う、生まれる!」

生まれるはずもなく冗談で言ってみたものの、出てくるという意味ではあながち間違ってはいない。

食べてすぐに寝るべきではなかった。

「やば」

口を手で押さえてがばりと起き上がり、ゴクリと唾を飲み込んだ。

あともう少しで戻すとこだった。

まあ、それは置いといて。

どうしたものか。

この状況は軟禁状態ではあるが、決して居心地が悪いわけではない。

もてなされている? くらいだからむしろ居心地が良いくらいだ。

今のところ拷問的なことにはならなそうだな。

というかそもそも敵と思われていない。

‥‥‥なんか、それはそれでどうなんだろうか。

複雑。

まぁ、色々あって(城に響き渡るほどのでかいお腹の音を鳴らしたこと)恥ずかしい思いばかりしたがかえってそれが良かったのだろう。

うむ。魔王相手によく生きてたものだ。

今回はお腹の音に感謝してやる。

ありがとう。

君(お腹の音)のおかげで宿泊も決定したよ!
 
まぁ、時間もあることだし、まずはここに来るまでに何があったのかを整理するとしよう。



***



今日は土曜日で、朝から家でゴロゴロしながらテレビを観ていた。

目を覚ましたら、なぜか外で寝ていた。

はい、異世界転移完了。
 




おい‥‥‥ラノベ定番の事故して転生とか神との出会いとか勇者召喚での異世界転移は!?




 
理由のない転移は極めて例外。

ラノベは参考にならなそうだな。
 
っというか、理由なく転移した場合って帰れるのか?
 
「ふわぁ」

大きな口をあけてあくびをした。




‥‥‥こんな状況で眠たくなるってどんなけ肝が据わってるんだよ私。




「まぁいいや。寝よ」




面倒くさいことは後回し。

おやすみ。

また明日。


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