異世界行っても怠惰を貫く。

産屋敷 九十九

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いただきます。

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「どうぞお召し上がりくださいませ」

メイドの格好をした綺麗な金髪のお姉さんが目の前のテーブルに料理を並べた。

「あ、ありがとうございます」
 




なんでこんなことになってしまったんだろう。
 



遡ること、20分前。


 
「その人間を客間へ案内してやれ。あと、食事の用意もな」

「「はっ!」」

「人数はこんなにもいらんだろう。そこのおまえたちは厨房へ、そこのおまえは客間へ案内してやれ。後の者たちはそれぞれの職務をまっとうするように」

「「はっ!」」

「それでは参りましょうか」

メイドの格好をした金髪のお姉さんが、笑顔で手を差し出してきた。





まさか手をつなげということではないだろうな。

あの、私、11歳なんだが?






伸ばされた手とメイドの目を交互に見れば、どうやらそういうことらしい。

もてなされてる身? で拒否するのは申し訳ない感じがしたので手を繋ぐことにした。





キャッ恥ずかしっ!
 




客間に案内された。

「食事が出来ましたらお呼びいたしますので、こちらのお部屋でしばらくお待ちください」 

「はい。ありがとうございます」
 


20分後、目の前には数々の料理が並べられている。




その品数といったら、尋常じゃあない。

50品くらいはあるんじゃなかろうか。

そのくらい、私は空腹だと思わせてしまったのだろうか。

いくら空腹音を響き渡らせようとも、私は11歳、身長146cm、体重45kgの細身な少女である事実は変わるまい。

申し訳ないが、残してしまうことになるだろう。

先に謝っておこう。 





残して、すみません。





 
*****





残すつもりだったのだが。 





「ごちそうさまでした」

余裕でたいらげてしまった。
 
食事中に、「おかわりもございますので、どうぞお申し付けくださいませ」といわれたのでおかわりまでしてしまった。

「おかわりしてもいいですか?」と遠慮がちに聞いたとき、食事を用意してくれたメイドは哀れむような目で見てきた。

その目は「そんなにもおなかが減っていたのか。可哀相」と言っているように見えた。





あぁ、恥ずかしい。
 


ここに来てなんだか恥ずかしい思いしかしていないような気がする。

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