物置小屋

１人向け・看病系

変わらないもの(元・執事)

お嬢様、失礼します。お加減はいかがですか？
…嘘を吐かれてもすぐ分かります。
当てましょうか。…お腹が痛い、吐き気がするのではありませんか？
どうやら後者があたっていたようですね。
吐き気がおさまらないようなら、そのまま楽な体勢でいてください。
心配しなくても、私はあなたを──


…目が覚めましたか？別に怒っていませんよ。
ただ、うなされているから起こそうか迷っていただけで…。
いつもどおり話すから、そんな不安がらないで。
昔の夢でも見た？…俺のこと？
そういえば、そんなこともあったね。
もう謝らなくていい。あのときはまだ無力で、君の前に立つのがせいいっぱいだった。
だけど、あのとき君をあいつらから護れたのは今でも誇りなんだ。
心配しなくても、ここにあいつらが来ることはない。
どうしても不安なら今夜は一緒に寝ようか。
…その前に、ココアでも淹れてくるから待ってて。

おまたせ。傷痕？何の話？
…ああ、あのときのことか。本当にもう痕は残ってないよ。
痛むこともないし、心に傷を負ったわけでもないから。
やっぱり夢で見ると不安になる？…怖い、か。
心配しなくても、俺は君を置いていったりしないよ。
君の側にいられることが1番の幸せだから。
だから、眠れなかったりうなされたときは起こして。
君との時間が増えるのは俺も嬉しいから。
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元・執事で綴ってみました。