物置小屋

黒蝶

文字の大きさ
上 下
170 / 1,797
1人向け・慰め系

世界で1番温かい場所(理想です、ごめんなさい)

しおりを挟む
あれ、鍵が開いてる...?
やっぱり来てたんだ。今夜は早く帰れてよかった。
こうやって君と過ごせる時間が増えるのは嬉しいな。
どうかしたの?...ねえ、大丈夫?
突然肩をたたいてごめん。吃驚させちゃったよね。
何度も声をかけたんだけど、全然気づいてないみたいだったから...。
何かあったの?...ごめん、女の子にこんなことはしたくないけど動かないで。
大丈夫だよ。俺は君を殴ったりしない。
...痣が増えてる。それはあの人たちにやられたの?
追い出したりなんかしないよ。...他に行くところ、ないんでしょ?
殴られるのに、無理に戻らなくていいんだよ。
...その為に荷物をまとめて出てきたんでしょ?
分かるよ、大切な恋人のことだから。
手当てするから、ちょっと体触るよ...ごめんね。
もう少しで終わるから待ってて。
この足の打撲傷も?...よし、ここも湿布を貼っておこう。
左足はテーピングで固定した方がよさそうだね。
さっき引きずってたでしょ?痛いときは痛いって言っていいんだよ。
そうだよね、痛いよね...。よし、終わり。
話をする前に、一緒にご飯を食べようか。
何も食べずにずっと座ってたんでしょ?
合鍵を使って入っても、君は俺が帰ってくるまで何も触らずに待っててくれる。
...今日もそうなんだよね?
鍋を作ろうと思ってたから、もしよかったら手伝ってもらってもいいかな?
ふたりで作ったらきっと美味しいよ。
無理して立たなくても大丈夫。実は具材は朝切って野菜室に入れてあるんだ。
あとは煮こんだら完成だよ。...カセットコンロを使えば一緒にいられるよね。
え、どうして泣いてるの!?もしかして泣くほど嫌だったとか...?
こんなふうに食べるのは初めて?そうなんだ...。
それなら君が好きなものを沢山入れよう。
俺?茸がちょっとだけ苦手なんだけど、こうして君と一緒に食べられるならどんなものでも美味しく食べられる気がする。
君はどんな具材が好きなの?
遠慮しないで、食べたいものを食べよう。
お肉と豆腐を入れて...あ、魚も投入しようか。
肉団子?確か冷蔵庫の中にあったからそれも入れよう。
あとは白菜に春菊に...その他諸々。
これで少しはあったまるはずだから、一緒に食べよう。
それじゃあ、いただきます。

美味しかったね。君はどうだった?喜んでもらえたならよかった。
...ベッド、いつもの部屋のを使って?
大丈夫だよ、食器の片づけは俺がしておくから。
よく見たら指先も荒れちゃってる...手、出して?
ハンドクリーム塗っておこう。これで少しはマシになると思うから。
何も心配しなくていいから、ゆっくり休んでね。
もし眠れなかったら、夜中でもいいから俺を起こして。
話し相手に離れると思うから。
それじゃあ、おやすみ。
...君が帰る場所は、これから先も俺が護るから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
...居場所を求めることが悪いことだと、私は言うことができません。
否定できないのです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

お尻たたき収容所レポート

鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。 「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。 ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜合体編〜♡

x頭金x
恋愛
♡ちょっとHなショートショートつめ合わせ♡

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...