物置小屋

１人向け・other

百合のように美しい君に(分類不能・『999本の薔薇』の続き)

あれ？偶然だね。
...なんだか様子がおかしい気がする。
僕は元気だったよ。
え、薔薇をくれるの？ありがとう。なんだかそういうの、君らしいね。
...ねえ、これから一緒に帰らない？
...そっか、それならまた今度。

やっぱり気になる。ここから見ていよう。
...！泣いてるのに放っておけないよ。
ちょっと待って！駄目だよ、離さない。
話聞くまで今日は帰らないから。僕のことはいいから、早く。

...ちょっと待ってて、何か飲み物を...わっ、どうしたのいきなり抱きついてきて...いいよ、泣きたいだけ泣いて。
よしよし、偉かったね。何があったか詳しくは知らないけど...でももう、一人で戦う必要ないんだよ。
僕が必ず護るから。

『おまえなんか必要ない』って言われた？酷い、どうしてそんなことを...なれてるからって、その状況にってこと？
いつもそんなこと言われてたの？ご家族に？...なんでそんなことが言えるんだろうね。
君はいつだって一生懸命でこんなにもボロボロになるまで頑張ってるのに。
頑張ってるよ、君が気づいてないだけで、誰よりも頑張ってる。...僕はそう思うよ。
大丈夫、大丈夫だよ。
僕には君が必要だし、いなくなっちゃった世界なんて考えたくもない。だから...もう、あんなことしないで。
僕のところに逃げて。それで、僕の側にいてよ。それで、辛くなったら言うこと。...約束ね。
そんな理不尽な人たちの為に君がいなくなる必要なんてない。
...本当はもっとかっこよく言いたかったんだけど、今言うね。
これから、僕と住んでください。
すぐにとは言わないから、取り敢えず合鍵とこれを渡しておくね。
見てのとおり百合です。花言葉は『...』。どう？なんだか君っぽいでしょ？
よかった、やっと笑ってくれた。
僕は君が困ってたら、絶対に助けにいくよ。
理不尽な言葉なんて全部跳ね返す。
だから...側にいて。約束ね。
さて、何か飲もうか。何がいい？
君が笑顔になるなら、僕はなんだってするよ。
...もう絶対、あんなことさせない。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
最後はばっちりハッピーエンドにしました。
『俺のところに逃げてこい』、言われてみたいです。
逃げられる居場所があるっていいと思うんです。
...いてもいいよって言われたいという私の理想の欠片です。
百合の花言葉は、この場合は『純粋』です。
彼女の人柄を分かっているからこそのチョイスだと言えると思います。