裏世界の蕀姫

黒蝶

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冬真ルート

第61話

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【今日はお客さんがやってきました。私みたいに困っている人なのか、何か事情があってあってきた人なのか、私には分かりません。
ただ、誰かの為に動ける冬真はやっぱりかっこいいです。心から尊敬します。
…いつか私も、冬真の隣で役に立てる日がくるのでしょうか】
丁度書き終わったところにスノウが飛んできて、思いきり腕を伸ばした。
「スノウ、こっちへきてください。一緒に冬真を待ちましょう」
ふたりで待っていれば、きっと冬真がやってくる。
もしかすると、お手伝いできることもあるかもしれない、
雪乃のことも心配だけれど、冬真が無理をしないか不安だ。
「入るよ」
「ど、どうぞ」
扉を開けて入ってきた冬真の顔は、なんだか疲れていた。
「あ、あの…お茶を持ってきます」
「ありがとう」
依頼をした人たちから話を聞いているところを何回か見たことがあったけれど、こんなにぐったりするくらい疲れているのは初めてだ。
冷たいお茶を淹れてすぐ戻ると、彼はスノウに話しかけていた。
「今回の依頼人は相当厄介そうなんだ。荷が重い」
そんな言葉を聞いて、スノウは羽をばさっと大きく広げた。
「やらなきゃいけないのは分かってるけど、向こうは何か隠してる。…月見を巻きこまない方法を考えないと」
ラムネ屋さんと関係があるのか、他の危ない事件に巻きこまれそうになっているのか、やっぱり判別がつかない。
「私のことも巻きこんでもらえませんか?」
「…いつからそこにいたの?」
「ついさっきです」
冬真の前にグラスを置いて、少し離れた場所に腰をおろす。
「私も巻きこまれたいです」
こんなことを言ってしまったら困らせてしまうかもしれないけれど、それでも力になりたい。
もう彼にひとりで背負って苦しんでほしくなかった。
「君は正直者だから駄目」
「どういうことですか?」
「正直者に嘘つきの偵察は向かない。だから、今はあの人に関することに首を突っ込まないでほしい。
その代わり、君にはこれを一緒にやってもらうから」
渡されたのは筒状の何かだったけれど、どうやって使うものなのか全然分からない。
「ここに火をつけると軽く爆発する。春人さんみたいに上手にできるわけじゃないけど、今度一緒に練習しよう」
「どんな場所に使うんですか?」
「ラムネ屋の本拠地、もう少しで割り出せそうなんだ。ちゃんと分かったらすぐ終わらせないと、またあんな薬を売られたら大変なことになる」
そうなる前に全部焼き払ってしまおう、ということだろうか。
冬真の話に頷きながら、どうしてもさっきの人が気になってしまう。
関わらない方がいいのは分かっているけれど、そのまま放っておきたくなかった。
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