裏世界の蕀姫

黒蝶

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春人ルート

第52話

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「…それは一体、どういうことですか?」
「詳しいことは私にも分からない。ただ、これが罠なのかどうかも判別できなかった」
雪乃の話に背筋が凍る。
どうして真面目に仕事をしているだけなのに、春人たちが狙われているんだろう。
「それだけでは判断できませんが…他のメンバーには知らせましたか?」
「まだ。これからここの連絡手段を使わせてもらおうと思っていたから、多分誰も知らない」
春人は思考を巡らせるような仕草をした後、満面の笑みで答えた。
「ありがとうございます。あとは俺に任せてもらえませんか?」
「…分かった。月見も気をつけて」
「え?」
「…さっきカードを引いたとき、ちょっとよくないものがあったから」
雪乃はそんな言葉を残して去っていった。
もしも春人たちに何かあったらどうしよう、もしも私が棘さんたちを沢山出してしまったら…。
色々考えて俯いた私に、春人が声をかけてくれた。
「大丈夫だからここにいて。これからみんなを集める」
「は、はい…」
少しふらついた春人の隣を歩きながら、自分にできることを考える。
自分の部屋の周りは沢山警戒できているけれど、彼の部屋にも同じようなものを増やしてもいいだろうか。
…後で訊いてみよう。
「…つまり、それで集められたのか」
「申し訳ありません。いつもの場所に僕が出向ければよかったのですが…」
「仕方ない。俺たちは怪我人に出てこいって言うほど冷たくねえよ」
夏彦さんがくるのを待つ間、秋久さんが春人に声をかけている。
飲み物を運ぼうとすると、後ろから手がのびてきた。
「貸して。ひとりで運ぶのは重いでしょ」
「あ、ありがとうございます…」
いつの間にか背後に立っていた冬真さんが一緒に運んでくれた。
春人たちは会話に夢中でこちらに気づいていない。
「その…話、しなくていいんですか?」
「…別に。僕がいても邪魔になるだけだから」
「あの、えっと…」
どう話を切り替えそうか考えていて気づいたことがある。
「体調、悪いなら休んだ方がいいと思います」
「そんなことない」
「顔色があまりよくありません」
「…それは元々」
今少しだけ動揺したような気がする。
やっぱりこの人は無理をしているみたいだ。
どうしたら休んでもらえるだろうと考えていると春人と目が合う。
「…すみません、少し失礼します」
秋久さんとの会話を止めてこちらにやってきた彼は、全てを察したように冬真さんに声をかけた。
「何かあったんですか?随分顔色がよくないようですが…」
「別に、話すようなことじゃない。あの人も揃ってから報告したいことは、ある、けど…」
がちゃんと音がして、ティーカップが砕け散る。
崩れ落ちそうになった冬真さんの体を秋久さんが支えていた。
秋久さんの表情が少し曇ったのを感じていると、いつもより低い声で言葉が発される。
「…冬真、誰にやられた?」
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