在庫処分

ほっこり系

私のスター

「千春」
「どうしたの？」
「今日も可愛いね」
「……」
いつもおっちょこちょいだけど、頼りになるお姉ちゃん。
本人に面と向かっては言えないけど、そんな姉が大好きだ。
「あ、お菓子食べる？」
「いいの？」
「だって千春、これ好きでしょ？」
小さい頃からふたりで分け合って食べていたチョコレートを口に入れる。
……やっぱり美味しい。
「私も時々食べてるよ」
「でも、最近はビター系にはまってなかった？」
「それとこれとは別」
私も姉もあれから随分年を取ったけど、この関係は変わらないでほしいと思っている。
ふたりでおしゃべりして、美味しいご飯を食べて……ずっとそうやって暮らしたい。
「あのコミック、アニメ化するらしいよ」
「そうなの!?知らなかった……」
「これが公式サイト」
いつもよりチョコが甘く感じるのは、お姉ちゃんが優しく声をかけてくれるからだ。
ふたりでなんだかんだ言いながら盛り上がる。
このまま時間が止まればいいのに、なんて考えてしまうほど沢山笑った。