在庫処分

黒蝶

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ほっこり系

私の天使

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ひとりだらけていると、扉がゆっくり開く音がした。
「ただいま」
「おかえり。アイス食べる?」
「食べたい!」
なんだこの可愛い生き物は。
どんなアイスでも買ってやろう。
なんて思いながら手を引く。
コンビニのレジは混んでいて、なかなか自分達の順番が回ってこない。
それでもいい子で待っている私の天使はにこにこしている。
「ねーね、あれほしいなあ」
「1個だけならいいよ」
「ありがとう」
このきらきらした目を向けてくる生き物の威力に耐えられる人がいるなら是非知りたい。
少なくとも私には無理だ。
「今日はお姉さんと買い物?いいね」
「うん!」
店員さんとは顔見知りだ。
見かける度に声をかけてくれるらしく、とても助かっている。
「いつもすみません。ご迷惑をかけていませんか?」
「いえ、寧ろこちらの方が元気をもらっています」
いい店員さんだ。
この町は住みやすい。心からそう思う。
「ねーね、溶けちゃう」
「そうだね。帰ろうか」
ふたりきりの帰り道、こうして歩いていられるだけで疲れが吹き飛ぶ。
今日もこの子を愛でていたい。
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