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23枚目
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「すみません、投稿したりはしないので1枚写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「勿論!」
一応帽子を被っているからか、はたまたネットに顔が出回っていないからか。
道行く人々に写真を求めても嫌がられない。
嫌がらせもされないし、比較的平和だ。
「結さん、よかったら食べてください」
「アイス?」
「好きじゃなかったらすみません」
「ありがとう。丁度食べたいと思ってたんだ」
蓮はとても気遣い上手な子だ。
素直で良い子なのに、持ち札の事情で過酷な道を歩いてきた。
なんでこんなに優しい子を追い詰める世界なんだろう。
「結さん?」
「ごめん、なんでもない」
風船を持った子供を視線で追っていると、風に飛ばされてしまっていた。
呆然と立ち尽くす子供に駆け寄ろうとしていたら、蓮が先に走り出した。
猛ダッシュで掴み取った風船を返し、しゃがんで笑みを向ける。
「怪我はしてない?」
「うん!ありがとう」
その子の保護者と思わしき人物に声をかけられて困っている蓮に近づくと、何かを思いついたように微笑んだ。
「どうしてもお礼をと言うなら、カメラマンさんのモデルになっていただけませんか?」
「カメラマンさん?」
「あ、えっと……幸せをカメラに収めたくて、色々な方にお声がけさせていただいているんです。
どこにも投稿しないので、よろしければ1枚撮らせていただけませんか?」
「素敵な企画ですね。お姉さんがお写真撮ってくれるって」
「おかあしゃんもいっしょ!」
「分かったわ」
幸せな親子というのはこの人たちのためにある言葉かもしれない。
蓮が掴んでくれたシャッターチャンスを逃さないよう、カメラに記憶を閉じこめた。
「勿論!」
一応帽子を被っているからか、はたまたネットに顔が出回っていないからか。
道行く人々に写真を求めても嫌がられない。
嫌がらせもされないし、比較的平和だ。
「結さん、よかったら食べてください」
「アイス?」
「好きじゃなかったらすみません」
「ありがとう。丁度食べたいと思ってたんだ」
蓮はとても気遣い上手な子だ。
素直で良い子なのに、持ち札の事情で過酷な道を歩いてきた。
なんでこんなに優しい子を追い詰める世界なんだろう。
「結さん?」
「ごめん、なんでもない」
風船を持った子供を視線で追っていると、風に飛ばされてしまっていた。
呆然と立ち尽くす子供に駆け寄ろうとしていたら、蓮が先に走り出した。
猛ダッシュで掴み取った風船を返し、しゃがんで笑みを向ける。
「怪我はしてない?」
「うん!ありがとう」
その子の保護者と思わしき人物に声をかけられて困っている蓮に近づくと、何かを思いついたように微笑んだ。
「どうしてもお礼をと言うなら、カメラマンさんのモデルになっていただけませんか?」
「カメラマンさん?」
「あ、えっと……幸せをカメラに収めたくて、色々な方にお声がけさせていただいているんです。
どこにも投稿しないので、よろしければ1枚撮らせていただけませんか?」
「素敵な企画ですね。お姉さんがお写真撮ってくれるって」
「おかあしゃんもいっしょ!」
「分かったわ」
幸せな親子というのはこの人たちのためにある言葉かもしれない。
蓮が掴んでくれたシャッターチャンスを逃さないよう、カメラに記憶を閉じこめた。
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