王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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赤城玲音 篇

第9話

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この日、黒羽以外のメンバーは帰りが遅かった。
(夕飯の買い出し、行かないと...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玲音は帰りを急いでいた。
◆「嫌な予感がするぜ...ってわあっ!」
「...うう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒羽は大量の荷物を両手に抱えて歩いていた。
(足が痛い...。それに、前が見えない...)
そこへ後ろから走ってきた玲音がぶつかったのだ。
◆「すいません!って、黒羽!大丈夫か!?」
「私は、平気だよ?」
◆「...嘘ついてるでしょ」
「嘘なんか」
◆「かして!それと...ちょっとじんじんするだろうけど、我慢して」
「っ...」
◆「あとはテーピングで固定、と...」
手慣れた手つきで黒羽の足に応急処置を施す。
「玲音、ごめんなさい...」
◆「謝らないでよ、元はと言えば俺が遅くなったのが悪いんだし」
「私は、何もできない役立たずだね...」
◆「そんなことない!」
玲音に抱きしめられていた。
◆「いつだってみんなを安心させてた。...今日だって、こんな量を一人で買い物に行ってくれた。それが何もできないことにはならない!みんなのためにって必死で頑張ってるの、知らないと思ってるの?」
「玲音...」
◆「俺は、そういうがんばり屋なところも含めて、黒羽が好きなんだ」
「...え!?」
(玲音が私を好き?)
◆「だから、その...黒羽が好きなんだよ」
顔を真っ赤にして玲音は黒羽に気持ちを伝えた。
「私も...玲音のこと、好きだよ」
◆「え?本当に?夢じゃない?」
「夢じゃないよ」
ふわり。
そう笑いかけてみせる。
◆「やった!」
子どものようにはしゃぐ玲音を急いで止め、できるだけ急いで家に帰るのだった。
(まだ、夢みたい...)
幸せの瞬間を噛みしめて。
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