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1章 出会いと記憶
1.始まり
しおりを挟む深い深い森の中、2人の男女が足早に森を抜けようとしていた
「あぁ、大丈夫だろうか
バレて国からの追っ手が出てしまったら
もし、そうなってしまったらせめてあなただけでも…」
「何馬鹿なことを言ってるのですリオン!
大丈夫です、足取りも残しておりませんしもしもの事があればお兄様が足止めをしてくれると仰っていたではありませんか!」
「…そうだな、すまないエーデル。
私とした事が弱気になってしまったようだ
さぁ、早く森を抜けよう!」
道無き道を歩く2人だがエーデルと呼ばれた女性は慣れていないのだろう、何度も足を縺れさせていたが2人が歩みを止めることは無かった。
どのぐらい時間が立ったのだろうか?
2人は木々に覆われた暗い森の中1つの光を見つけた
「…あら?ねぇリオン、あの光は何かしら?」
「光…?森を抜けるのは早すぎる…
村か…それか狩人の小屋でもあるのか…?」
リオンが少し警戒して光に寄り、様子を伺った
するとそこには立派な門がそびえ立っているではないか
「もしかして誰かの別荘の御屋敷かしら…?」
「こんな深い森の中に…?
怪しすぎる。エーデル、早く先へ」
進もう、とリオンが言うよりも先にギギギと鈍い音が上がり門が開き、人影が現れる
「なっ、エーデル!私の後ろへ!」
「え、えぇ!」
「おや…?こんな辺鄙な所に人間が…
御二方、どうされたのですか?」
現れた人影は、燕尾服を着た初老の男であった
エーデルとリオンのただならぬ様子に男は2人に声を掛けた
「もし、何かの事情があるならば、
今直ぐに森を抜けるのは辞めなさい
今宵は満月、狼に襲われてしまいます。
お嬢様に話を通しますので泊まって行ってくださいな」
「…いや、大丈夫だ。
これでも剣の腕に関しては自信があるし、
魔道具も彼女に持たせている」
腰に下げた剣を見せ、エーデルに視線を送るとこくりと頷き銃型の魔道具を男に見せた。
しかし男は深く息を吐きそれに言葉を続けた
「もし、出るのが狼や熊などの動物だけじゃないと言ったら…?」
「なに…?」
カランと軽い音を鳴らし、2人の前に男は持っていたものを見せるとリオンはハッと息を飲んだ
「それは…魔除のランタン…?!」
魔除のランタン、それは最近祖国でも流行り始めたもの…
其の名の通り、魔を避ける、魔物が寄り付かなくなる効果があり…
「えぇ、お嬢様が今日は置いておけとの命でして。
どうやら今夜は魔物が出やすいらしいですが」
如何なさいますかな?
その言葉に、2人は頷く事しか選択は無かった
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