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第1章
何やら察せられたぽい
しおりを挟む目が覚めると部屋のふかふかなベットの上でノヴァと一緒に横になっていた。
ノヴァは僕よりも先に目が覚めていたみたいで、僕と目が合うと安心したように笑い額から頭へ手を滑らせ優しく頭を撫でてくれた。
ノヴァからの話をとーさまとアドにぃ様と聞いた。
僕は軽い魔力暴走を起していたようで、その原因は僕の心の問題…なのだという。
心の問題と言われても…僕には思い当たるものが何もない。
とーさまもアドにぃ様もとても優しい。
ばぁややヨハネス達、使用人は皆優秀で優しく不満に思うことなんて何もない。
首を傾げる僕にノヴァは無意識なものだろうと告げた。
「ルナイス、君がこうして心を堕としたのは今日が初めてではないだろう?」
ノヴァの言葉に頷く。
心が突然堕ちて空っぽになることは前世の時から偶にあったことだ。
そういう人間もいるだろうっと…どうしようもないことだと思って耐えてきた。
「事前に言っておこう。言いたくないこと、または言えないことであるなら無理に私たちに言う必要はない。ルナイス…君にはルナイスの生として以外の記憶があるのではないか?」
突然の爆弾投下に僕は固まった。
とーさまもにぃ様も見開き動揺した様子であるが、今の僕にそれを気にする余裕はない。
まさかそんなことを言われるとは思ってなかった。
3歳になるまで色んな絵本や本を読んだけれど、前世の記憶のある登場人物はいなかった。
だから前世の記憶を持っていることは今世でもアブノーマルな事なのだと思っていたので、ノヴァのような問いを投げられるとは思ってもみなかった。
どう答えるべきか脳みそをフル回転させて考える。
なにそれ?って首を傾げて惚けるのか…否、しかし僕の心が堕ちることを心配してくれているとーさま達にそんな事をして良いのか?
じゃあ、実は前世の記憶がって伝える?…否、母の命を奪って産まれてきて魔力膨大で暴走しそうですってなって、前世の記憶ありますって爆弾盛沢山の息子、弟ですって可哀想すぎない?
なかなか答えが出せずにいる僕に、沈黙は肯定と捉えた3人が何故かフムフムと頷きだした。
「ルナイス、お前にルナイスではない記憶がなくてもあったとしても問題はない。むしろ納得する。産まれたばかりの時から妙に聡い子だったからな。」
とーさまはウンウン頷きながらそう言って僕の頭をぽんと撫でる。
そういえば、とーさまは僕と初めて会った時は抱っこがすごくぎこちなくて、落とされそうでハラハラしたし頭を撫でるのもグワングワンしてたけど今では安定した抱っこをしてくれるし丁度良い加減で頭を撫でてくれる。
「どっちであっても僕の弟。」
にぃ様も初めはじぃっと見てくるだけだったのに、今ではよく遊んでくれるし口数も増えた。
「僕の推測違いであるなら原因を考えていかないといけないし、推測があながち間違いでないのなら心が堕ちてしまう原因に心当たりがある。まぁ…また心が堕ちそうになったら何時でも私を呼ぶといい。」
ノヴァ…
皆一応記憶がなくても~って言ってくれてるけど、僕がルナイスではない記憶を持ってるって確信してるんじゃない?コレ。
しかも僕に心当たりのない心当たりが何故ノヴァにあるんだ。
「ルナイス、あまり気にしなくていい。お前の思うまま生きていろ。」
何だかよく分かりませんが、ノヴァが僕の心堕ちの原因に心当たりがあるらしいし、とーさまも気にしないでいいと言うし、にぃ様は無心に僕の頭を撫でているし…とーさまの言う通り、あまり気にせずにいさせてもらいますね。
気づかぬ振りをしてくれている3人には…僕がもう少しだけ大きく成長したら前世の記憶のこと、少しお話をしてみようかな。
平凡でつまらない前世の記憶ですけれども。
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更新期間が空きましたがお気に入り数が200を超えましたありがとうございます土下座。
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