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最低な人を好きになりました。
15話 狭いベッドでふたり
しおりを挟む15話 狭いベッドでふたり
だいきside
『辛かったよね…今日はもう、遅いし…泊まってく?終電無いよね?』
『えっ…でもっ…』
『俺も、ひとりで居りたくないし!ふたりで居った方が悲しさも半分こになるじゃん?』
『…はい…じゃあ…』
『でも、ベッド…ひとつしかないから、俺がソファで寝るから!あべちゃんはベッド使って』
『そんなっ!ダメです!!ここ姫川さんの家ですし、姫川さんだって…傷ついてますよね?』
そう言って、あべちゃんは俺の頭をふわっと撫でてくれた。
さっきまで幼い子供みたいだったのにっ///
なんかっ///いきなり男って感じだしてくるから、思わずドキっとしてしまってっ…
『とっとりあえず、もう遅いしっつ…お風呂っ入っておいでっ!』
『はいっ!じゃあ。』
そう言って、あべちゃんは浴室へ消えてった。
それからしばらくすると、、スエットの上下を着て出て来た。
あべちゃんが来ているスウェットは、以前俺がサイズを間違えて買ってしまったやつだ。
『よかった♡サイズちょうど!持って帰ってもいいよ。どうせおれ、着られないし!間違えて買っちゃったけど…着てもらえるならあげる!』
『いや…もらうわけにはいきませんっ!お金っ払います!!』
『そんな前の事覚えてないしっ!俺も風呂入ってこようっと!』
俺の気持ちはあべちゃんによって癒されてた。
泣いてすっきりしたのか?わかっていたから割り切ることが出来たのかは不明だけど…
明日からはきっぱりと気持ち切り替えられそうなそんな、すっきりとした気持ちだった。
お風呂から出ると、あべちゃんはソファの前でうろうろしてて
『どうした?』って声をかけると
『やっぱり、俺がソファで寝ますっ!!』
って、あべちゃんはソファにごろんと横になった。
『ははっ。足も頭もはみ出てるじゃん(笑)』
長身のあべちゃんには、ソファは小さすぎたみたいだ(笑)
『でも…慰めてもらって、家に泊めてもらって…ベッドまで取ってしまったのでは…申し訳けなくて…』
『別に…俺がしたくてしたんだから…。別にいいって。じゃあ、一緒に寝る?それならいいんでしょ!一緒に寝たかったんでしょ?…まぁ、俺蓮くんと違うけど。一緒に寝てあげるくらいできるよ』
『っ//////…』
『おいおいっ。そういう顔するなよっ!なんか、こっちまで恥ずかしくなるだろ!!』
『すみませんっ』
それから、ふたりでベッドに横になっていろんな話をした、どれだけあの『最低なふたり』をすきだったかとか、どんな風に過ごしてたとか…こんな事したかったとか…それはそれはいろんな話をした。
そして、突然沈黙が流れる
『ん?どした?』
『…姫川さんって…色白いんですね。…お風呂上りだし…なんかっ///…すごくっ///…色っぽいっ』
『…ははっ。そんなの言われた初めて!』
『…蓮くんは健康的な肌の色で…姫川さんは…なんかっ…ゴクンっ。』
生唾をわかりやすく飲み込む音がして、あべちゃんの目は恥ずかしそうに、でも少し熱っぽくて…
久しぶりにそんな瞳で見られたっ///
『そ…っそんなこと、ないだろっ///普通だよ!』
狭いベッドでは互いの体温を感じてしまっても仕方がない事だと思う
あべちゃんの手が俺の首筋にそっと触れて
『…っンンっ♡』
その瞬間に一気にカラダが熱くなっていた…
甘い声出てて
『っ///すみませんっ…つい、肌…白くて…俺、肌白いのすごく好きでっ///…蓮くん全然そんな感じじゃなくて…っ///…姫川さんの肌…すごく…きれいでっ…柔らかくてっ…触りたくなっちゃってっ…』
さっきまで泣いていた子供のような姿を全く感じさせないその姿は、完全にひとりの男で…
俺に触れた指は…もう一度俺に触れたがっているみたいだった。
『…少し…なら…触っても…いいけど…』
俺は、少しじゃ終わらない事をきっとわかっていた。
あべちゃんの瞳が熱くて…そんな視線を向けられることに喜びを覚えたのかもしれない。
少し目を細めて、熱い視線を向けられたのは…
もしかしたら、初めてかもしれない。
自分の体温がどんどん上がっていくのがわかった。
あべちゃんだけじゃなくて…俺も…
求めているのかもしれない。
その温もりと愛情を…。
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