36 / 39
最低な人を好きになりました。
15話 狭いベッドでふたり
しおりを挟む15話 狭いベッドでふたり
だいきside
『辛かったよね…今日はもう、遅いし…泊まってく?終電無いよね?』
『えっ…でもっ…』
『俺も、ひとりで居りたくないし!ふたりで居った方が悲しさも半分こになるじゃん?』
『…はい…じゃあ…』
『でも、ベッド…ひとつしかないから、俺がソファで寝るから!あべちゃんはベッド使って』
『そんなっ!ダメです!!ここ姫川さんの家ですし、姫川さんだって…傷ついてますよね?』
そう言って、あべちゃんは俺の頭をふわっと撫でてくれた。
さっきまで幼い子供みたいだったのにっ///
なんかっ///いきなり男って感じだしてくるから、思わずドキっとしてしまってっ…
『とっとりあえず、もう遅いしっつ…お風呂っ入っておいでっ!』
『はいっ!じゃあ。』
そう言って、あべちゃんは浴室へ消えてった。
それからしばらくすると、、スエットの上下を着て出て来た。
あべちゃんが来ているスウェットは、以前俺がサイズを間違えて買ってしまったやつだ。
『よかった♡サイズちょうど!持って帰ってもいいよ。どうせおれ、着られないし!間違えて買っちゃったけど…着てもらえるならあげる!』
『いや…もらうわけにはいきませんっ!お金っ払います!!』
『そんな前の事覚えてないしっ!俺も風呂入ってこようっと!』
俺の気持ちはあべちゃんによって癒されてた。
泣いてすっきりしたのか?わかっていたから割り切ることが出来たのかは不明だけど…
明日からはきっぱりと気持ち切り替えられそうなそんな、すっきりとした気持ちだった。
お風呂から出ると、あべちゃんはソファの前でうろうろしてて
『どうした?』って声をかけると
『やっぱり、俺がソファで寝ますっ!!』
って、あべちゃんはソファにごろんと横になった。
『ははっ。足も頭もはみ出てるじゃん(笑)』
長身のあべちゃんには、ソファは小さすぎたみたいだ(笑)
『でも…慰めてもらって、家に泊めてもらって…ベッドまで取ってしまったのでは…申し訳けなくて…』
『別に…俺がしたくてしたんだから…。別にいいって。じゃあ、一緒に寝る?それならいいんでしょ!一緒に寝たかったんでしょ?…まぁ、俺蓮くんと違うけど。一緒に寝てあげるくらいできるよ』
『っ//////…』
『おいおいっ。そういう顔するなよっ!なんか、こっちまで恥ずかしくなるだろ!!』
『すみませんっ』
それから、ふたりでベッドに横になっていろんな話をした、どれだけあの『最低なふたり』をすきだったかとか、どんな風に過ごしてたとか…こんな事したかったとか…それはそれはいろんな話をした。
そして、突然沈黙が流れる
『ん?どした?』
『…姫川さんって…色白いんですね。…お風呂上りだし…なんかっ///…すごくっ///…色っぽいっ』
『…ははっ。そんなの言われた初めて!』
『…蓮くんは健康的な肌の色で…姫川さんは…なんかっ…ゴクンっ。』
生唾をわかりやすく飲み込む音がして、あべちゃんの目は恥ずかしそうに、でも少し熱っぽくて…
久しぶりにそんな瞳で見られたっ///
『そ…っそんなこと、ないだろっ///普通だよ!』
狭いベッドでは互いの体温を感じてしまっても仕方がない事だと思う
あべちゃんの手が俺の首筋にそっと触れて
『…っンンっ♡』
その瞬間に一気にカラダが熱くなっていた…
甘い声出てて
『っ///すみませんっ…つい、肌…白くて…俺、肌白いのすごく好きでっ///…蓮くん全然そんな感じじゃなくて…っ///…姫川さんの肌…すごく…きれいでっ…柔らかくてっ…触りたくなっちゃってっ…』
さっきまで泣いていた子供のような姿を全く感じさせないその姿は、完全にひとりの男で…
俺に触れた指は…もう一度俺に触れたがっているみたいだった。
『…少し…なら…触っても…いいけど…』
俺は、少しじゃ終わらない事をきっとわかっていた。
あべちゃんの瞳が熱くて…そんな視線を向けられることに喜びを覚えたのかもしれない。
少し目を細めて、熱い視線を向けられたのは…
もしかしたら、初めてかもしれない。
自分の体温がどんどん上がっていくのがわかった。
あべちゃんだけじゃなくて…俺も…
求めているのかもしれない。
その温もりと愛情を…。
30
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる