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第六章 【二つの世界】
6-492 告白
しおりを挟む「……」
「あの……ハルナ様?」
「え?……あ、ごめんなさい!?」2
ステイビルの言葉に固まっていたハルナに対し、ニーナが声をかけたことでその空気が流れ始めた。
ハルナは、今までにないステイビルからの自分に対する直接的な要求に、思考が停止してしまっていた。
ハルナ以外の周囲の者たちは、その理由を理解しており、エレーナはハルナの反応を見て、片手で顔を覆い首を横に振った。
「あの……それは……どういう意……いや、分かるんですけど……どうして私なんですか?」
「私はこの国の……いや、すまない。それは私自身の望みだからだ」
ステイビルは、”国のため”という建前で誤魔化すのではなく、自分自身の意思でこれまで抱いてきた望みであるということをハッキリとハルナに伝えた。
その発言には、なぜかステイビルの傍にいるニーナの顔が誇らしげな表情をしていた。
エレーナとアルベルトとソフィーネは、その様子をただ静かに見守っていた。ハルナの返答の内容次第によって、これから先の国の運営や未来が大きく変わる事に対するこのやり取りを注視していた。
しかし、いつまでもたってもハルナはステイビルに対して言葉を発しない。迷っているのかと判断したステイビルは、さらに言葉を重ね自分が抱くハルナに対する想いを伝えた。
「ハルナは私にとって、とても魅力的な女性なのだ。キャスメルも……いや、なんでもない。あぁ、決してそれはハルナが、神々に匹敵する能力を持っているからというわけではない。王選の旅をしている中で、ハルナのことを……す……好きになったのだ。そう、一緒に人生を共にしたいと願うほどに……できることならば、二人の間に子を成して、その子が次の国を守っていける存在になれば、私の人生は最高の物になると信じている。だが、これはあくまでも私の希望だ。共に過ごすならば命令などではなく、ハルナの意志によって私を選ぶことを決めて欲しい」
ステイビルはハルナにそう告げて、ハルナの反応を待つ。
これまでの共に過ごした時間の中で、大きく嫌われるようなことは無かったはずだった。
王選の初期には、”自分を王子だと思わなくても構わないと”同行する者たちには告げていた。
完全には、その立場を無かったことにはできないだろう。だが、エレーナやハルナたちは、自分が王子であることを超えた関係で向き合ってくれていた。
だからこそ、全員で様々な試練を乗り越え、王国を歩き回ることができた。
元からこの世界にいるエレーナたちは親しくもあるが、どこかでやはり自分に対して制御をかけているところが見受けられた。そこはどうしても、一国の王子であることは忘れられないのだろう。
だが、違う世界から来たというハルナは違っていた。
同世代でずっと共に成長してきた親しい友人な距離感で接してくれる女性に、自分の心の中でその存在が膨らんでいき、いつの日か自分だけの女性にしたいという気持ちが心の中に生まれていった。
そして、今日この時にその全てを打ち明けて、ハルナの気持ちを確認することにしたのだった。
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