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第六章 【二つの世界】
6-402 トラップ
しおりを挟む『こ……これは……!?』
今回の移動に関しては、ラファエルの主導で行われた。
そうすることによってサヤが持っている資源の節約にもなり、向こうに着いて何が起きた場合でもある程度の対応が可能であるメリットがあった。
ラファエルは今まで通りにやってきたことと異なる結果に対してもそうだが、”仲間”から疑われてしまうことを恐れた。
盾の創造者に脅されたとはいえ、一度サヤを裏切ってしまったことがあったために。
『……サヤ様』
ラファエルは、自分の知らないこの状況に対して、いろんな思いで助言をもらいたいと弱々しくその名前を口にした。
「……あぁ、わかってるよ」
その一言にラファエルはホッとした気持ちを感じているのが、この空間に存在するハルナにも伝わってくる。しかし、その理由がハルナ自身には理解できていなかった。
その感情が伝わってきたサヤは、呆れた声でその疑問に答えた。
「……ったく、あんたは。これはアイツの仕業だよ、アイツが仕込んでたんだよ」
「え?仕込んでたって……何を?」
「多分だけど、アイツは世界を渡る能力を使った際に”トラップ”を仕掛けてたんだよ」
「トラップって……罠でしょ?一体何でそんなことを!?」
「はぁ、そんなこと当たり前……いや、いま考えたらそう言うこともあるべきだって考慮すべきだったか」
ハルナはサヤの言葉に対して、言っている意味は通じるがその内容は半分も理解できていなかった。
そこにラファエルが、サヤの言葉に足してハルナの疑問を埋めようとした。
『この”能力”が使用できるのは、この世界でもほんの一部……いえ、我々しか使うことができません。世界が二つに分かれることなど、誰も想像できなかったことですし。それに、そういう事態になったのはここ最近ですので、この能力が仕えるということは、この世界の理を監視しているような存在なのです』
その言葉を聞き、ハルナは疑問の氷塊の一部が解けていく思いがした。
確かに、二つの世界を行き来できるのは、ステイビルやエレーナなどこの世界でも能力の高い存在でさえ不可能だ。
であれば、そう言うことができる存在はほんの一部の存在に限られるだろうことは理解した。
「で……でも。それどうやって!?」
「ハルナ……アンタ、ゲームやってた時に”マクロ”って言葉聞いたことあるか?」
「マクロ……えぇ、プログラムを使って不正にゲームをすることでしょ?」
「あれも実際はプログラムで動かしてるんだよね……アタシもやってたけど、何かの動作を”検知”した時にあらかじめ仕込んでいた動作をさせるっていう奴でさ。だから、貴重なアイテムをドロップする敵とかの発生場所に仕込んで自動で狩ってたりしたんだけど……」
「あぁ、いたわねそんな人。でもああいう人は運営に規制されたでしょ?……って、あれ?まさかサヤちゃんも!?」
「うん……まぁ、アタシもやったけど、本アカでやるようなヘマはしてないしまぁ、あれはあれでいい勉強になった……っていまはそういうことじゃないんだよ!」
「ご、ごめん!ってなんで自分も誤ってんのかわからないけど……」
「言いたかったのは、アタシたちが世界を渡ることを見越してトラップを仕掛けてたやつがいるってことだよ」
『……よくそこにたどり着いたものですね、少し感心してしまいますわね?』
この空間の中に聞き慣れた声が入り込んできたことにより、ハルナたちの緊張感が急激に高まった。
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