問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第六章 【二つの世界】

6-396 別な経路

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「――来るよ、ハルナ!」


「大丈夫、まかせて!サヤちゃん!!」



全ての存在を消滅させてしまう光の塊を、盾の創造者は無数に打ち込んでくる。
ハルナは、とっさに水と土の属性で壁を創り出し、その攻撃を防いで見せた。


『――っ!?』


盾の創造者は、ハルナが自分の攻撃を防いだことに驚いた。
本来ならば、元素で作られた精霊の力でさえ消し去ってしまうほどの攻撃であったが、ハルナが創り出した壁はそれらの攻撃を全て防いで見せていたことに驚きを隠せなかった。


『な、なぜ?どうしてそんなことができる!?』


「アタシも黙って見てたわけじゃないんですよ?あなたがその力を獲得するときに、どう対応すればいいかってずっと考えてたんです」


『そ、そんなこと……できるはずないでしょ!?あなたは私の”中”で全てを遮断して、私との感覚も思考も拒絶していたでしょ!?』


「そう思ってるってことは、やっぱりバレてなかったみたいですね?」




『……!?』



「あなたとの感覚は別な”経路”で繋げていたんですよ。私たちの世界では、その経路は”神経”ってよばれているんです。神経は一つだけの経路ではなく、様々な経路を持っていて、それを感知してるんですよ。よく使う神経以外の経路を使って、外の情報を入手してたんです。もちろん、あなたが考えていたことも……ね」


そう言うと、自分によく似た顔が壊れている盾の創造者に向けて不思議な笑みを向けた。


「あなた……本当は」


『……だ、だまれぇっ!!』



『――ぐぶぅ!』


盾の創造者の口から、情けない声が漏れ出た。
その声は、自分の秘密の発言を止めようとハルナに襲いかかった盾の創造者は、今までにないほどの無防備な横顔にサヤの拳が再び打ち付けられた。
カウンターを喰らった盾の創造者は横に吹き飛び、防御することなく地面に顔を擦って傷だらけになっていた。
盾の創造者は力尽きたのか、うつぶせの状態で倒れたままピクリとも動かない。
サヤは警戒しつつも、普通の足取りで近付いていき、上からその姿を見降ろした。



「……そろそろ、観念したらどう?これ以上続けるなら、本当に”消す”よ?」


その言葉に反応するように、弱々しく両手を地面に付いてゆっくりと身体を起こした。
先ほどの一撃で、もとハルナの顔だったその姿はほとんど原型をとどめていない。顔中にヒビが走り、創りかけのジグソーパズルのように所々が抜け落ちていた。


「そうです、もうあなたは今の行動を完結させることは出来ないはずです。このまま何もしないと約束して頂ければ、またお二人で……っ!?」


ハルナの言葉に、盾の創造者はハルナのことをボロボロの顔で睨みつける。その表情は決してこの提案を飲み込むことはないもので、それどころかハルナとサヤに向けた憎しみを目から叩きつけているかの視線だった。
その視線に押されて、ハルナは危険を感じ身構えて次の防御と攻撃に備えようとした。



『こうなったら……ハルナ。アンタの全てをまず壊してやる!絶対にゆるさない!!』


盾の創造者の身体は、一気にハルナの殻が剥がれ落ちて、光の塊となった。
そして、もう一つの世界へと渡っていった。





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