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第六章 【二つの世界】
6-118 ラファエルの事情
しおりを挟むナルメルはセイラム家の保護の指示を出すため、イナとデイムは今回の疲れを癒すためにこの場を離れていった。ステイビルは、まだ不安定なこの村の指揮をとるためにこの場を離れており、いま場所にはハルナとサヤ、ルーシーとモイス……それとラファエルがいた。
それ以外の者たちは自ら席を外したことになっているが、サヤがそういう雰囲気を出しておりこの場から席を外さなければならない状況を作っていた。
そこにはもっとも話し合いたかったこと……いや、ラファエルに確認したかったことがサヤにはあった。
この場にルーシーを残したのは、キャスメル側の近くにいた者であるため、今までの行動などと照らし合わせるためにこの場に残した。
そしてようやく、誰もこの部屋の近くに怪しい者たちがいないことを確認し、サヤはようやく自分が望んでいた
「……で、ラファエル。なんでアンタは、あの場所にいたのさ?確か……”キャスメルに捕らえられていた”って言ってたけど、なんで?」
サヤは、退室前にドワーフの給仕たちが淹れてくれたお茶を口に含みながらそう告げた。
『はい……それは』
そうしてラファエルは、ハルナとサヤに助けられるまでの経緯を語り始めた。
今から千数百年程前――ラファエルやモイスなどこの世界で超越した存在には大した時間ではない――に、ある存在と出会った。
その存在は、自分を守って欲しいと告げられた。
当時から圧倒的な力を持つ存在……当時は名前もなくわずかながらにその存在を知る者たちからは”神”と呼ばれていた。
その神は、四つの元素の力を操り、様々な災害や時には手助けをして、この世界に生きるものたちに関与をしていた。
自分が消されてしまうと、この世界は崩壊し消えてしまうと言われる。
ラファエルは、にわかにその言葉が信じがたかったが、次の瞬間自分がいままで感じなかった恐怖を感じる。
常に空気と同様に存在していた元素が、自分の周りから一切なくなってしまった。
そして精霊である自身の元素も、薄くなった外気に引っ張られるように抜け出していく。
その驚きを感じ取った大きな存在は、その行為を止めてみせラファエルに告げた。
”私を狙う者もこの力が使えます。あなた方にできる限りの力を与えますので、どうかわたしを守ってください”……と。
ラファエルは自然界の生物的な勘で、目の前にいる者が今までに見たことのないほど自分よりも力を持ち、守らなければならない存在であると理解した。
きっとこの存在には、いま何か言えない理由があり、この世界で大きな力を持つ自分を頼りにしてきた。
本来なら、自分自身を無に帰すことができる力を持っているがそうせずに助けを求めてきていることに、相手が告げる言葉に信憑性が増した。
「わかりました……しかし、お願いしたいことがあります」
ラファエルは、その存在を守るにあたりいくつかの条件を付けた。
その条件を聞いた大きな存在はそのすべてを叶え、これからラファエルと共に来るべき日がくるまで準備を重ねていった。
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