問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第三章  【王国史】

3-117 山の反対側へ

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ハルナたちがドワーフの町から戻り数日が経過した。

今回のモレドーネからの支援は物資の他に、常駐する警備兵も到着した。
これで、一応はこの村で何が起きても対応できるであろう。


倉庫の再生も建築を学んでいる警備兵が手伝うことになり、復旧も早く進みそうだった。




そして、いよいよエルフの村に向かうことになる。

最初は尻ごみをしていたブンデルだったが、サナの協力もあり渋々道案内を受け入れてくれた。






「それじゃブンデルさん、お願いします」






あまり気乗りしないブンデルが、先頭を歩きエルフの村の入り口まで道案内するまでという約束で一緒に行ってくれることになった。



そして、村の人たちに見送られながらステイビルたちは村を出てエルフの村へ向かって出発した。



エルフの村は丁度、ポッドの村とドワーフの町がある斜面の反対側の山にあった。
ステイビルたちは山を半周する必要があるが、安全策をとって山のふもとを大きく迂回し反対側を目指すこととした。




村を出て、半日が経過した。

反対側に向かう程、時折突風がハルナたちに吹き付ける。
その風は冷たく、ハルナたちのローブを揺らして体温を奪っていく。


山に打ち付ける風はそのまま上昇し、空には灰色の雲が作られていく。






「山のあっちとこっちで随分と……っとと!!……か、変わるものねぇ!?」






突風に身体を流されそうになるのを堪えながら、エレーナがハルナに話しかける。

ハルナは風冷たさと、自分の身体が飛ばされない様に堪えることに必死だった。




と思えば、その数分後には嘘のように突風が収まりをみせる。


ハルナたちは、休憩を取るつもりだったが我慢をしてその先へと歩みを進めていった。






「これで、グラキース山の側面を通り抜けました。少しは風も収まることでしょう」


先程通っていたのは丁度中間地点で山の間の側面だった。
そのため細い山の間を風が通るため、突風にされされているとサナが説明した。





「ということは、山の反対側に着いたということだな」



ステイビルは周りの景色を見渡し、グラキース山を村から正面に見て左右にあった他の山が、丁度反対側に来るようになった。






「それでは、ここでいったん休憩にしますか?」




アルベルトのその言葉に、エレーナとハルナとサナが一緒になって首を縦に振る。




一同が食べる食事は簡素な者が用意されていた。
周囲を警戒しつつ、素早く摂取する。


そのとき、ソフィーネが何か物音を耳にした。





「ソフィーネさん、何か……」





ソフィーネは周囲を警戒しつつ、話しかけるハルナの声を制止する。









耳を澄ますと数人が茂みの中を移動し、草や枝をかき分けていく音がする。





ステイビルは、ソフィーネに指示をしてその者たちを確認してもらいに行く。
ハルナたちもこの場を片付け、急いで後を追うことにした。











ソフィーネはは茂みの影に身を隠しつつ、その人影を発見した。


その影は3つ、二人は先頭と後方に、残りの一人は何か袋を担いでいるように見える。




ソフィーネは近寄り、姿が見られない様に隠れつつその者たちに問いかける。





「……あなたたち。こんなところで何をしているの?」





誰もいない場所で、突然声が聞こえ焦る三人。






「だ……誰だ!?」





先頭の男はソフィーネの問いかけには無視して、腰に下げていた剣を抜いて警戒する。





「もう一度だけ聞くわね……あなたたちは、ここで何をしているの?」





「くそっ!?」




真ん中の男が姿を見せない声に焦りを見せて、我慢が出来ずに逃げ出そうとした。







ソフィーネは口元を布で隠しローブのフードを深くかぶり、顔を隠した状態で逃げ出した男の前に立ちはだかる。

その不気味な様子に、男は腰を抜かしてしまった。






「た、助けてくれぇ!?」



ソフィーネは袋を置いて四つん這いの状態で逃げ出そうとする、がら空きになった男の後頭部に手刀を打ち付ける。





「ぐっ!」





素早い衝撃で脳を揺らされた男は、意識を失いその場に倒れ込んだ。






その素早い動きと、男を一撃で気絶させた実力から危険を感じたのか先頭の男が大声をあげて剣を振り上げてソフィーネに向かってくる。


ソフィーネは倒れた男の腰にあった短剣を抜き逆手に構え、男の攻撃に備える。
男は闇雲に剣を振り回すも、ソフィーネの短剣によってことごとくその軌道をそらされていく。




多分、この男がこの中では一番強いのだろう。
しかしソフィーネの前には、この男の剣技も赤子の手をひねるようなものだった。




「お、おい!お前もこっちに来て加勢しろ!!」



「ひぃっ!!!!」




「あ?おい、待てどこに行く!!」




もう一人の男は、この状況はマズいと思い深い茂みの中に駆け出した。






「さて、あなたはどうするの?ここから逃げるの?それとも無駄な攻撃を続けてみる?」




その言葉を聞き、男は手にしていた剣を地面に放り投げた。





そのままソフィーネは男の手を後ろに回し、紐で男の手を縛る。
気絶した男の手も動揺に、拘束をした。



ソフィーネは地面に落ちている麻袋に気付き、その中身を確かめようとする。






「……こ、これは!?」




袋に触れたその時、後ろから声が聞こえた。





「あら、あなたは……またお会いしましたね?」








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