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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第415話:新しい試み
しおりを挟むハーフリングの種族スキル[可愛い]は、斗苫斗的では何か条件が合わないのか、あれからレベルが20上がってもリストに載らなかった。
「じゃあしょうがないから俺が取得しようか」と言ったら、皆に反対された。
さっきまで[可愛い]の威力がどうのと人の事を笑ってたくせに。
「さっきまでのは[可愛い]が生えた行動を笑……んん!行動に納得していただけです」
笑ったって言おうとしたよな?咳払いで誤魔化せるとでも!?
またヨミ爆弾ぶつけようか?
「今でも[可愛い]と認識されるのに、スキル取得は怖くないか?誘拐されるぞ」
ジルドに言われて、思わずはぁ!?と低い声が出た。
「それか~咲樹みたいに~、常に野次馬付けて歩く~?」
今まで会話に参加していなかったオーベが、リヴァイアサンの卵に頬擦りしながら言ってきた。
それは嫌過ぎる。
咲樹は女王様だから遠巻きに見てるだけで実害はないけど、リコンスの前キャラのペルセポネみたいになったら困る。
実害ありまくりだ。
「何かすみません」
『commerce(コマース)』まで戻って来て別れる時に、申し訳なさそうに斗苫斗的が謝ってきた。
斗苫斗的としては、希望の[幸運]を取得出来て万々歳なのだが、俺が協力する条件の[可愛い]が取得出来なかったので、一方的に得してしまった感が強いのだろう。
「どうなるのだろうって、好奇心があっただけだから気にするな」
斗苫斗的の肩に手を置いて、ポンポンと慰める。
こうして目線を合わせると同じ身長だと実感するのに、なぜ俺ばかり子供だと思われてしまうのか。
等身か?実は俺の方が顔がデカいのか!?
作業場に行くと言う斗苫斗的に手を振って、【ペットカフェ】へと向かう。
そろそろ紫蘭の火蜥蜴が孵化しても良い頃だと思う。
植木鉢にいるアルラウネとトレントとマンドラゴラのその後も気になるしな。
お店まで行くと、外に行列が出来ていた。
皆、モフモフに癒されたいのだろうか。
並んでいる中に、兎を抱っこしている人が居るのは何故だろう?
列が進んで、隠れていた看板が見えた。
『カラフル兎お預かりします』
ペットホテルみたいな感じだろうか。
俺にはクランハウスもある。何ならペットのお家もある。
しかし世間では、ココア達のようにログアウト中や冒険中は、狭いケージに閉じ込めておかなければいけない人も多いのだろう。
そしてイベントの影響なのか、カラフル兎は群れるのが好きだ。
放置されて、元気の無くなってしまった兎も居たのかもしれないな。
色々と苦労したココア達らしい新サービスにほっこりしながら、列の最後尾に並ぶ。
偶然前に並んだ人もカラフル兎を抱いていた。
うちの子達よりは大きいけど、喜亜羅のよりは小さいだろうか。
因みに喜亜羅の子は11✕11だ。
飼い主が気付くより早く、そのカラフル兎がガルムに気付いた。
飼い主は並んでいる間にメールチェックか何かをしていたのだろう。視線が目の前に固定されていた。
あっと思う間も無く、カラフル兎が跳んで来た。
着地先はガルムの頭。
敵意も害意も無いから、皆で飛んで来たカラフル兎を眺める。
色は黒。
嬉しそうにガルムに頬擦り……より激しく全身で懐いてた。
匂い付け?
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