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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第414話:再認識
しおりを挟む行動によって変化するスキル。
そのうち『従僕』とか『下僕』とか生えそう。誰にとは言わないが。
その場合は、どこに区分されるだろうか。
種族か?職業や戦闘ではないだろうな。
いやいや。本当になったら嫌だから、馬鹿な事を考えるのはやめよう。
「種族スキルの[可愛い]は僕では難しそうですね」
なぜか嬉しそうだな、斗苫斗的。
<お話、終わったにゃ?>
ネルが膝の上にスルリと乗って来た。
<きゅ!>
負けじとヨミが肩に跳び乗って、頬にスリスリと頬擦りしてくる。
<シズカも!>
俺の腕と体の間に無理矢理頭を入れてくるシズカ。これって、犬が構って欲しくてグイグイ来る時みたいだよな。
<我も居るのだよ>
リルが超小狼になって、ネルの横に乗って来た。
俺の膝の上は、これで満員御礼だ。
<ぴい!>
ユキの背中の上のプーリが鳴く。
ユキはシズカの居る側とは逆側にいて、ピッタリと寄り添って伏せをしている。
もう俺の体で乗れる所は無いので、プーリの頭を撫でた。
もうプーリの大きさでは、俺の肩には乗れないからな。
最後に駄目押しのように、ガルムが俺の頭の天辺に頬擦りをした。
「これが[可愛い]の威力か!」
ユズコが俺を指差して笑う。
おい、指を指すな。
「咲樹が居なくて良かったな」
ジルドの言葉に、あぁ確かにと思ってしまった。
レイが口元を押さえてプルプルしているのを見て、羨ましいのか?と聞こうとしたがやめた。
無言で眉間に皺を寄せて口角を下げている斗苫斗的に、ヨミ爆弾を投げようかと思ったが、悪友達と違うから止めておこう。
代わりにレイにぶつけておく。
レイの顔にぶつかったヨミは、クルリと回転してレイの頭の上に着地した。
レイが嬉しそうにヨミを撫でようとしたが、サッと跳び降りたヨミが戻って来る。
<きゅう!>
え?嬉しそうに俺を見上げて鳴くけど、これは『もう1回!』か?
<我も遊ぶのだよ>
膝の上のリルが丸まる。
これは投げろって事だよな。
プーリとシズカも丸くなってみせたが、俺にはお前達を投げる技量は無い。
転がすのが精一杯だ。
思わず周りを見回すと、ユズコと目が合った。
サムズアップしてくる。
俺の知らないところで、丸まった従魔を投げる遊びをしていたのだろうか。
最初にヨミを投げ始めたのは俺だから、文句は言えないが……。
他の従魔も投げて欲しかったのか。
動物に同じ事をやったら確実に虐待だな。
意志の疎通が出来る従魔だからこそ、許される遊び。
そしてそれを現実に持ち込まない分別。
幻想世界が18歳からなのは、こういうところなのかもしれない。
因みにテラとムンドは、オーベと一緒にリヴァイアサンの卵に夢中だった。
「孵化は良いけど、成長したら大きいままとかは無いよね~?大丈夫だよね~?」
まるで卵に言い聞かせるかのように、ブツブツと呟くオーベがちょっと怖かった。
<成長しても最大50メートル位だから大丈夫だろ!>
ムンドや。それは全然大丈夫じゃないな。
中学校とかにあるプールが、一匹のリヴァイアサンでいっぱいになるって事だよな。
「何とかなるか~」
何故そう思った?オーベ!
常識人のようで、やっぱりどこかおかしいのが悪友達だと再認識した。
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