ほんわりゲームしてます

仲村 嘉高

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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第307話:高級=希少価値のはずなのに

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 咲樹の口から出た新しい街の名前『びぼうしょく街』。
 美貌職?美貌食?美貌色?
「女性の為の街か?」
 化粧品とか、宝飾品とか、飾る物系?
 それか、コラーゲンとかヒアルロン酸とか、ビタミンCとかEとか、美容に良い物系か?

「現実に在ったら、女性の天敵の街ね!美味しいから食べすぎちゃう街。まぁ、ある意味女性の為の街だよねぇ。ここならいくら食べても太らないから」
 リコンスがチラリと横のリイドを見る。
「ええ。妻がこの街に入り浸ってます」
 妻のゲームの目的は美食らしい。
 ちなみに街名は、漢字で書くと『美暴食街』だとか。
 美食を暴食。それは太りそうだ。

<主、それでこの荷物はどうすれば良いのかい?>
 あ、放置してすみません。
「取りに行くよ。ヨミを召喚するから、案内してくれ。案内できるか?」
<きゅ!>
 ヨミの元気な返事が返ってきました。


「ヨミ、召喚」
 召喚すると、ガルムの背中からヨミが跳び出して来た。
 実際には俺の影から出て来たのだが、ガルムが黒いから影が見えないのだ。
<きゅぅ!>
 ただいま!みたいな感じで鳴かれた。
 さすがに今回は跳びついては来なかったな。
 一匹だけなら、俺でも耐えられるけどな!

「ヨミ。ガルムへの道案内頼むな」
<きゅきゅ!>
 とても良い返事をしてから、ヨミはガルムの頭の方へと移動して行った。
 最初、ガルムは俺ののつもりでヨミを連れて来たのだが、仲良くなってくれて良かったよ。



 肉、肉、肉、角、肉、肉、魔石、肉、肉、肉、金?

 積み上げられた肉をしばし茫然と見上げる。
 多いのはわかっていたけど、想像を遥かに超える量だった。
「はぁ!?何コレ!!」
 素直に声に出して驚いているのはリコンスだ。
リッチブル成金雄牛の群れに遭遇したのだよ>
 リルが嬉しそうに説明してくれる。
<リッチブルの群れが3つも合流したんだよ~!>
 テラがビシッと指を3本立てる。
 小さい手、可愛い。


「バーベキューどころか、パーティーでも消費しきれるかどうかの量だね~」
「うわぁ、レアドロの金も山程あるわ」
「テイマーのインベントリが通常より大きいのは、こういう事態を想定しているんでしょうか?」
「そんなわけないじゃない!」

 オーベと咲樹がドロップの山を前に驚いている。
 コイツ等が驚くって事は、やっぱりこの量は多いのか。
 群れ3つだしな。
 そして綺羅が何かを言って、リコンスがツッコミを入れる……定番になってきたな、この遣り取り。

「高級食材が、高級食材がおかしな量ある」
 リイドがブツブツ言ってる。
 おかしな量って、群れに当たればそりゃいっぱいになるよな?
「アンタ、またおかしな事考えてるでしょ」
「いや、群れに3つ当たれば当然の量なのでは?と思っただけだが」
 失礼だな、リコンス。

「言っとくけど、普通リッチブルの群れって滅多に無いからね!ポーンブル歩兵雄牛の群れの中に、リッチブルが数匹居たらラッキーなの」
「ポーンブルの中に?」
「そうよ。リッチブルはポーンブルから進化すんのよ!」
 歩兵から成金って将棋か!?

「さすがヴィンクオリティですね」
 レイがとても良い笑顔を向けてくる。
 前にも誰かに似たような事を言われたな。
 まぁ、良いか。
 とりあえず肉をインベントリに仕舞って、ボスを目指さなくては!


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