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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
192:カラフル兎?
しおりを挟む全員で行くには狭いと言う事で、レイが自分の部屋から作成中の兎小屋を持って来た。
さっきはちゃんと見なかったけど、目が痛い色合いだな。
「あ!何か判った気がするわ!」
実物を眺めていた咲樹が、手を上げて叫ぶ。
「俺も判った気がする~」
オーベも手を上げた。
「もしかして、魔力ですか?」
おずおずとレイが手を上げる。
「多分だけどね~」
オーベがレイの質問へ答える。
魔力か。リルにカラフル兎が居なかったのは、本来の姿じゃ無いからなのか?
小狼の姿までしか、戦闘に自信がないってリル自身が言ってたくらいだからな。
その前に、カラフル兎の色とリルでは色が合わないか。
「あ!」
急に立ち上がった俺に、皆の視線が集まる。
「クッションを取り込むの忘れてた!」
洗って外の遊具に干しっぱなしだった。
外に干したまま年越しをしてしまった。
「ちょっと取って来る」
皆に断って、大量のクッションを取りに公園と化した従魔の遊び場へと向かった。
手近な所にあるクッションを次々とインベントリへ放り込む。
調子に乗ってジャングルジムの上の方へ干したのは失敗だったな。
回収が大変だ。
一緒に来たガルムは、俺の行動を見守っていた。まるで公園で遊ぶ孫を見守るお爺ちゃんのようだ。
<主、また居るぞ>
ガルムに呼ばれて、シーソーに干してあるクッションへと近付く。
ここにあるのは、リルの毛で作ったヨミ、テラ、小狼サイズのリル用のクッションだ。
そのひとつひとつの真ん中に、丸い毛玉がチョコンと置いてある。
丸まって寝ているカラフル兎だ……よな?
「えぇ~。添付画像になかった色だけど、カラフル兎だよな?」
三匹のカラフル兎は、白と言うには輝き過ぎていた。
いや、そもそもカラフル兎に白は居なかったぞ。
1番大きいリル用のクッションに三匹まとめて、急いでクランハウスへと戻る。
「カラフル兎、多分、白!」
リビングに入った途端に叫んだ俺に、皆が集まって来た。
叫んだ俺も悪いが、寄って来なくても良いのに……と、思っていたら、俺の部屋に強制連行された。
ユズコに子供を持ち上げるようにされて連れて行かれたから、強制連行で合ってるはず。
「なぜ多分なんだ?」
ユズコが笑いながら聞いてくる。
「白にしてはキラキラしてるからだ」
感じたままを答える。
「そもそもカラフル兎って、赤、青、緑、黄色、黒の5色しか発表されてなかったよね~?」
オーベがクッションの上の三匹を眺めながら言う。
「どこかに黄色が居れば、全色揃うな」
あ、ジルド。柵作成は終わったのか。
(白?)三匹を兎小屋へ入れる。
すぐさま他の兎と同じように、魔物茄子を食べ始める。
名前の通り、本当にカラフルだな。
レイの部屋にいた(黒)と(青)二匹も一緒に入れられている。
「ジルド、(緑)連れて行くだろ?」
ニコニコしながら兎達を見ているジルドへ声を掛ける。
ファンが泣くほど、緩んだ顔だ。
「それだけど、せめてもう一匹増えるまで預かってくれ。一匹では可哀想だろ」
うぅむ、確かに。
レイを見ると、苦笑される。
「僕は囲いが完成したら引き取りますよ。ヴィンにばかり、世話させるわけにはいきませんからね」
世話は餌やりくらいだし、野菜は外に行けば山程あるから、別に大した手間では無いけどな。
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