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いろんな意味での初イベントに参加しますよ!
191:知らない名前
しおりを挟む「ひどい目にあいました」
ちくわ巻きを食べながら、レイが溜め息と共に呟く。
いや、 それ、俺の台詞だからね!?
扉を開けたら、上半身裸で絵文字の OTZ みたいになってるレイを発見した俺の心情を察して!
「はい、あ~ん」
レイの声が聞こえているはずなのに、全然関心なくリルへ煮物を与えているオーベ。
<上品な味がするね。鰹出汁かな>
食レポのようなリルの感想。
当たってるけど、顆粒出汁でゴメン。
咲樹とヨミのコンビは、フォトコンテストに出して良いくらいのほっこり画だが、食べているのはキラーバニーの丸焼きである。
しかも、骨ごと与えているからバリボリ凄い音がしている。
咲樹さんや、せめてナイフを使ってくれ。
丸焼きの足を掴んで引き千切るのは、儚いハイエルフの姿ではやめて欲しい。
ほっこりだけど、どこか体育会系なのはテラとユズコ。
<次は、コレ!>
「お!わかってるな!」
テラが指差したツマミを、ユズコがテラと自分の分を取り分ける。
同じタイミングで食べて、アルコールを飲む。
飲んでいるのは、ジントニックかジンリッキーか。
ガルムは俺の横で、俺と同じ物を食べている。
勿論、飲み物は日本酒だ。
「あぁ、なぜ日本酒は『日出処』でしか売ってないのだろうか」
前に爺さんから貰った日本酒も、これが最後の1本になった。
<主は『日出処』へ行きたいのか?>
「いや、日本酒が欲しいだけ」
<うむ、そうか>
ガルムと目を合わせて、うへへと笑った。
「さて、レイの部屋で見つかったカラフル兎は(青)と(黒)だったね~?」
食事がひと段落したので、イベントの検証を始めるようで、オーベがいきなり話しだした。
「ヴィンが捕まえたのは(赤)でしたよね?」
あ、レイはガルムの背中に(黒)が居たのを知らないのか。
「(黒)も捕まえた。ガルムの背中で」
お?レイの目が大きくなったぞ。
「僕の小屋に使ったのも『エリアボスの皮』ですよ」
おぉ?共通点!気を遣って、『ガルム』を『エリアボス』と言い換えているのか。
「ジルドの部屋では畳の上に(緑)が居たって言ってたわよね」
「畳って何で出来てるんだ?」
「藺草?」
「ここでは魔草だったかな~?種類まではわからないな~。藺草では無いよ~」
藺草は魔草ではなく、普通に畳の材料だしな。
「ねぇ、レイの小屋は青と黒の2色だけなの?」
咲樹に言われて、思い出す。確か6色だったな。
「エリアボスの黒、キラーバニーの黄色、チェシャのピンク、キマイラの山羊部分の青、フェニックスの赤、バイコーンの緑の6色です」
知らない名前が沢山出てきましたよ!
因みに発表されてるカラフル兎は5色なので、ピンクは隙間を埋める為に選んだそうだ。
「全色は居ないって事は、何が違うんだろうね~」
首をひねるオーベの横で、テラが真似して首をひねっている。
真面目な話し合いだから、笑わせるなよ!
余談だが、リルとヨミは皿に山盛りにされたミニトマトを黙々と食べている。
テラは、先にお腹いっぱいになったのだろう。
ガルム?俺の横に控えてます。
俺の手からキュウリをポリポリ食べながら。
「実物を見てみれば良いと思うぞ!」
サムズアップしながらユズコが言う。
確かに!現場100回って言うからな。
ちょっと違うか。
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