114 / 352
第七章
第110話 女二人旅
しおりを挟む
アルと住んでいるウグマの街を出て、数日が経過した。
街道を進む私の横にいるのは、リマ・ブロシオンとエルウッド。
「レイ。アル君と離れ離れで寂しくないかい?」
「エルウッドがいるから寂しくないわよ。リマもいるし」
「嬉しいこと言ってくれるね」
リマはイーセ王国クロトエ騎士団の近衛隊隊長で、現在は団長代理も兼務している。
そして、私がクロトエ騎士団を退団する際に発動された騎士の責務と交換条件を実行するため、私を迎えに来た。
騎士の責務と交換条件の内容の一つに、騎士団や女王陛下の呼び出しには必ず応じるという項目がある。
もし応じない場合は逮捕状が出るというもの。
代理とはいえ、現騎士団のトップであるリマが私を迎えに来た理由は、冒険者カードを持っているから。
帝国内では表立って騎士団の活動ができない。
場合によっては国際問題になってしまう。
リマは過去、私と一緒に冒険者パーティーを組んでいたことがあり、実はAランクの冒険者だった。
帝国のウグマで活動していたので地理にも詳しい上に、私とリマの二人なら移動中何があっても対処できる。
リマは最も最適な人物だった。
それに、今はエルウッドもいる。
「ウォン」
エルウッドを見つめていたら応えてくれた。
「エルウッドは本当にいい子ね」
本来ならエルウッドはアルから離れない。
しかし、今回はアルが気を使ってくれてエルウッドを同行させてくれた。
「エルウッド、あなたもアルから離れたくなかったでしょう? ごめんね。でもありがとう」
「ウォンウォン!」
エルウッドが尻尾を振って、笑顔を見せてくれた。
◇◇◇
街道を進むレイとリマを森の中から見つめる五人の男たち。
その視線は卑しく、商品を見定めるようだった。
「おい、獲物がいるぞ!」
「女二人に狼牙か」
「しかも女は若いぞ」
「狼牙も高く売れる」
「久しぶりに簡単な仕事だ」
女二人と舐めてかかっている男たち。
ゆっくりと仕事の準備に取りかかる。
仕事とは人身売買だ。
簡単に終わると思っているのだろう。
それがイーセ王国最高戦力の二人だと知らずに。
◇◇◇
「ひひひ、女二人でどこへ行くのかな?」
「おい! すげー上玉だぞ!」
「売る前に楽しんでもいいか。げへへへ」
街道沿いの森の中から、五人の男がゆっくりと出てきた。
風貌からして盗賊か人さらいの類だろう。
エルウッドが唸り声を上げて構えるが、私はそれを制する。
「エルウッド、大丈夫よ。気にしないで」
男たちと私たちの距離は約五メデルトほど離れている。
「金髪の方はすっげー美人じゃねえか。大人しくしてりゃ怪我はしねーよ。むしろ気持ちよくなれるぞ。げへへへ」
「私たちをどうするつもりなのかしら?」
「あ? さらって売り飛ばす。が、その前に楽しませてもらうことにした」
この下衆な男の顔は見覚えがある。
「あら? あなたたち懸賞金がかかってるわよね?」
「ネエちゃんよく知ってるな。俺たちの懸賞金は金貨二枚だぞ?」
「へー、そんなに?」
「強がるなって。抵抗するとどうなっても知らねーぞ。お前ほどの美人なら腕が一本なくても価値は変わんねーだろ。ってかもうダメだ。興奮してきた。げへへへ」
男たちが全員腰の剣を抜いた。
「リマ」
私はリマに声をかけるも、すでにリマは剣を抜いて飛び出していた。
五メデルトの距離を一瞬で詰める、凄まじい瞬発力。
両手剣で、次々と男たちを斬っていく。
その剣は正確に急所を狙う。
あっという間に三人の男を斬り倒した。
四人目は対抗しようと剣を振りかぶるが、振り下ろす前にリマが喉を一突き。
さすがはイーセ王国近衛隊隊長。
そしてAランク冒険者。
人さらいごときでは相手にならない。
「ひいいいいい」
残った最後の男が叫び声を上げるが、リマはそのまま叩き斬った。
「レイ、全員斬ったよ」
「ご苦労様。正当防衛よ。それに賞金首だし」
「よく賞金首って分かったな」
「ギルドの掲示板に貼ってあったのよ」
「相変わらずの記憶力だな。で、これどうする?」
「賞金は別にいらないし、先を急ぎたいわね」
「そうか、仕方ないな。……暗部にやってもらおう」
リマがそう言うと、二人の暗部が現れた。
「リマ様、お見事でした」
「すまないが、これの始末を頼めるか?」
「かしこまりました」
私は暗部に指示を出す。
「少し戻ると街があるから、そこのギルドへ首を出すといいわ。賞金はあなたたちが受け取りなさい。団に申請は不要。そのままもらっていいわよ」
「もったいなきお言葉」
暗部は国外で秘密裏に諜報活動を行うことから、全員がCランクの冒険者カードを持っている。
Cランク以上の冒険者カードがあれば、国際的に活動ができるのだった。
リマが暗部に声をかける。
「良かったなお前たち。団長様からのボーナスだ」
「元団長よ」
「じゃあ、お前たち。あとよろしくな」
リマは暗部の直接の上司だ。
私たちは暗部に処理を任せ出発。
先程の人さらいの襲撃がなかったかのように、街道を進む私たち。
「なあ、レイ。アル君ってやっぱり凄い?」
「身体能力や感覚の全てが異常なのよ。人のそれを超えてるもの。ダーク・ゼム・イクリプスのスピードについていける人間なんていないわ。そしてウォール・エレ・シャットの鉱石でできた尻尾ですら切り落とす力もある。さらには標高三千メデルトで一晩中戦う心肺機能も持っている。そもそも、標高九千メデルトで身体を鍛えてたしね。そうそう、五百メデルト先で監視してる人の気配も感じ取るわよ」
「な、なんだよそれ? ネームドなんか相手にならないくらいの化け物じゃねーか」
「そうよ。アルについていくのは私でも大変なのよ」
「レイも苦労してるんだな」
「最近は特に無理するから、いつか死んじゃうんじゃないかと心配ばかりよ」
「アタシが見てきた中では、レイが全てにおいて最強の剣士で、最高の冒険者だったけどな」
「ふふふ、ありがとう。でも、アルは私なんかもう軽く超えてるもの。だって、初めて剣を握った日にいきなり私と引き分けよ? そんな人間いる?」
「そうだったな。アル君ならネームドどころか、竜種でさえ倒してしまいそうだ」
「竜種なんて倒したら、それこそ世界が変わるわよ」
「いいなー。いつかアタシもパーティーに入れてくれよ?」
「ふふふ、いつかね」
アルのことだから、次に会う時はまた成長しているはず。
その姿を楽しみにしながら、私はイーセ王国を目指し街道を西へ向かう。
街道を進む私の横にいるのは、リマ・ブロシオンとエルウッド。
「レイ。アル君と離れ離れで寂しくないかい?」
「エルウッドがいるから寂しくないわよ。リマもいるし」
「嬉しいこと言ってくれるね」
リマはイーセ王国クロトエ騎士団の近衛隊隊長で、現在は団長代理も兼務している。
そして、私がクロトエ騎士団を退団する際に発動された騎士の責務と交換条件を実行するため、私を迎えに来た。
騎士の責務と交換条件の内容の一つに、騎士団や女王陛下の呼び出しには必ず応じるという項目がある。
もし応じない場合は逮捕状が出るというもの。
代理とはいえ、現騎士団のトップであるリマが私を迎えに来た理由は、冒険者カードを持っているから。
帝国内では表立って騎士団の活動ができない。
場合によっては国際問題になってしまう。
リマは過去、私と一緒に冒険者パーティーを組んでいたことがあり、実はAランクの冒険者だった。
帝国のウグマで活動していたので地理にも詳しい上に、私とリマの二人なら移動中何があっても対処できる。
リマは最も最適な人物だった。
それに、今はエルウッドもいる。
「ウォン」
エルウッドを見つめていたら応えてくれた。
「エルウッドは本当にいい子ね」
本来ならエルウッドはアルから離れない。
しかし、今回はアルが気を使ってくれてエルウッドを同行させてくれた。
「エルウッド、あなたもアルから離れたくなかったでしょう? ごめんね。でもありがとう」
「ウォンウォン!」
エルウッドが尻尾を振って、笑顔を見せてくれた。
◇◇◇
街道を進むレイとリマを森の中から見つめる五人の男たち。
その視線は卑しく、商品を見定めるようだった。
「おい、獲物がいるぞ!」
「女二人に狼牙か」
「しかも女は若いぞ」
「狼牙も高く売れる」
「久しぶりに簡単な仕事だ」
女二人と舐めてかかっている男たち。
ゆっくりと仕事の準備に取りかかる。
仕事とは人身売買だ。
簡単に終わると思っているのだろう。
それがイーセ王国最高戦力の二人だと知らずに。
◇◇◇
「ひひひ、女二人でどこへ行くのかな?」
「おい! すげー上玉だぞ!」
「売る前に楽しんでもいいか。げへへへ」
街道沿いの森の中から、五人の男がゆっくりと出てきた。
風貌からして盗賊か人さらいの類だろう。
エルウッドが唸り声を上げて構えるが、私はそれを制する。
「エルウッド、大丈夫よ。気にしないで」
男たちと私たちの距離は約五メデルトほど離れている。
「金髪の方はすっげー美人じゃねえか。大人しくしてりゃ怪我はしねーよ。むしろ気持ちよくなれるぞ。げへへへ」
「私たちをどうするつもりなのかしら?」
「あ? さらって売り飛ばす。が、その前に楽しませてもらうことにした」
この下衆な男の顔は見覚えがある。
「あら? あなたたち懸賞金がかかってるわよね?」
「ネエちゃんよく知ってるな。俺たちの懸賞金は金貨二枚だぞ?」
「へー、そんなに?」
「強がるなって。抵抗するとどうなっても知らねーぞ。お前ほどの美人なら腕が一本なくても価値は変わんねーだろ。ってかもうダメだ。興奮してきた。げへへへ」
男たちが全員腰の剣を抜いた。
「リマ」
私はリマに声をかけるも、すでにリマは剣を抜いて飛び出していた。
五メデルトの距離を一瞬で詰める、凄まじい瞬発力。
両手剣で、次々と男たちを斬っていく。
その剣は正確に急所を狙う。
あっという間に三人の男を斬り倒した。
四人目は対抗しようと剣を振りかぶるが、振り下ろす前にリマが喉を一突き。
さすがはイーセ王国近衛隊隊長。
そしてAランク冒険者。
人さらいごときでは相手にならない。
「ひいいいいい」
残った最後の男が叫び声を上げるが、リマはそのまま叩き斬った。
「レイ、全員斬ったよ」
「ご苦労様。正当防衛よ。それに賞金首だし」
「よく賞金首って分かったな」
「ギルドの掲示板に貼ってあったのよ」
「相変わらずの記憶力だな。で、これどうする?」
「賞金は別にいらないし、先を急ぎたいわね」
「そうか、仕方ないな。……暗部にやってもらおう」
リマがそう言うと、二人の暗部が現れた。
「リマ様、お見事でした」
「すまないが、これの始末を頼めるか?」
「かしこまりました」
私は暗部に指示を出す。
「少し戻ると街があるから、そこのギルドへ首を出すといいわ。賞金はあなたたちが受け取りなさい。団に申請は不要。そのままもらっていいわよ」
「もったいなきお言葉」
暗部は国外で秘密裏に諜報活動を行うことから、全員がCランクの冒険者カードを持っている。
Cランク以上の冒険者カードがあれば、国際的に活動ができるのだった。
リマが暗部に声をかける。
「良かったなお前たち。団長様からのボーナスだ」
「元団長よ」
「じゃあ、お前たち。あとよろしくな」
リマは暗部の直接の上司だ。
私たちは暗部に処理を任せ出発。
先程の人さらいの襲撃がなかったかのように、街道を進む私たち。
「なあ、レイ。アル君ってやっぱり凄い?」
「身体能力や感覚の全てが異常なのよ。人のそれを超えてるもの。ダーク・ゼム・イクリプスのスピードについていける人間なんていないわ。そしてウォール・エレ・シャットの鉱石でできた尻尾ですら切り落とす力もある。さらには標高三千メデルトで一晩中戦う心肺機能も持っている。そもそも、標高九千メデルトで身体を鍛えてたしね。そうそう、五百メデルト先で監視してる人の気配も感じ取るわよ」
「な、なんだよそれ? ネームドなんか相手にならないくらいの化け物じゃねーか」
「そうよ。アルについていくのは私でも大変なのよ」
「レイも苦労してるんだな」
「最近は特に無理するから、いつか死んじゃうんじゃないかと心配ばかりよ」
「アタシが見てきた中では、レイが全てにおいて最強の剣士で、最高の冒険者だったけどな」
「ふふふ、ありがとう。でも、アルは私なんかもう軽く超えてるもの。だって、初めて剣を握った日にいきなり私と引き分けよ? そんな人間いる?」
「そうだったな。アル君ならネームドどころか、竜種でさえ倒してしまいそうだ」
「竜種なんて倒したら、それこそ世界が変わるわよ」
「いいなー。いつかアタシもパーティーに入れてくれよ?」
「ふふふ、いつかね」
アルのことだから、次に会う時はまた成長しているはず。
その姿を楽しみにしながら、私はイーセ王国を目指し街道を西へ向かう。
19
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる