鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜

犬斗

文字の大きさ
52 / 414
第三章

第52話 再会そして告白

しおりを挟む
 俺たちは、カトル地方の最大都市タークから、キーズ地方の最大都市アセンへ向かっていた。

 カトル地方からキーズ地方に入ると、すぐに山岳地帯が始まり街道は峠道となる。
 場所によっては断崖絶壁となり、落石もあるので注意が必要だ。
 実際に昨年ここを通った時は、落石で道が塞がれていた。
 そこで偶然、アセンの商人カミラさんと出会う。
 落石や鉱石詐欺を解決した結果、カミラさんが経営する高級宿に泊まることになった。

 そして、ファステルの件だ。
 あれから一年以上経っている。
 カミラさんもファステルも元気だろうか。

「アル、どうしたの?」
「昨年のことを思い出してたんだ」
「王都へ行く途中にアセンへ寄ったのね?」
「うん。この先の崖で落石があって道が塞がれていた。俺が全部どかしたんだけど、そこで知り合ったカミラさんという商人にお世話になったんだ」

 レイにカミラさんとの出会いを話す。
 レイは「あなたのあの力が役に立ったのね」と笑っていた。

 しばらく進むとアセンに到着。
 カミラさんとファステルに挨拶するため、そのまま高級商業地区にある宿へ向かった。
 宿の前まで来ると、レイが驚いた表情を浮かべている。

「あら? アル、私ここに泊まったことがあるわよ?」
「あ、そういえば、カミラさんもそんなようなことを言ってたな」

 建物に入り、受付でカミラさんに取り次いでもらう。
 俺の顔を覚えていた従業員が、すぐに話を通してくれた。

 しばらくすると、カミラさんが出てきてくれた。

「アルさん! お久しぶりです!」
「カミラさん!」
「お元気でしたか!」
「はい、もちろんです! 今日は挨拶」
「ウフフフフ、ちょっと待ってくださいね」

 カミラさんが俺の言葉を遮る。
 その意味が分からなかったが、奥から女性の声が聞こえた。

「アル!」

 一人の女性が物凄い勢いで走って来た。
 その勢いのまま俺に飛びつく。

「アル! アル!」
「ファステル! 元気だった!」
「ええ! もちろんよ! あなたのおかげよ!」
「良かった!」

 ファステルは俺の胸に抱きついたまま、首の後ろに両腕を回している。

「あの時どうして黙って行っちゃったのよ!」
「ご、ごめん。騎士団試験もあって急いでたんだ」
「もう、本当に悲しかったんだから! でも、こうしてまた会いに来てくれたから許すわよ」

 俺とファステルが話していると、レイが咳払いをした。
 ファステルが気づき、俺から離れてレイに会釈。

「失礼しました。私はこの宝石店で働いているファステル・エスノーです。アルには本当にお世話になりました」
「この宿を経営しているカミラ・ガーベラです。アルさんには本当にたくさん助けていただいてます」
「アルと冒険者をやっているレイ・ステラーです」

 カミラさんが驚いた表情を浮かべた。

「え? レイ・ステラー様って、あのレイ・ステラー様で……いらっしゃいます……よね?」

 騎士団の鎧を着ていないが、レイの名前とその容姿を見て、カミラさんは思い出したようだ。

「ええ、そうですね。恐らくそのレイ・ステラーだと思いますわ」
「し、失礼いたしました! レイ・ステラー様。まさか、クロトエ騎士団の団長様がいらっしゃるとは」
「え! 騎士団の団長さん?」

 ファステルまで驚いている。

「ふふふ、元よ、元」

 凄いことになっている。
 絶世の美女レイに、上品で可憐な美女ファステル、知的で大人の魅力溢れる美女カミラさん。
 この世の美女がここに集まったかのような光景だ。
 宿のロビーにいる客たちは男女問わず、この三人の姿に見惚れている。

「立ち話もなんですので、お部屋をご用意します」
「お気遣いありがとうございます」

 レイが答えた。

 俺たちはカミラさんが用意してくれた部屋に移動。
 そこは高級な調度品が並ぶ、最上級の部屋だった。

「ここは……。懐かしいわね」
「そうでしたね。レイ様はこの部屋でお仕事をされたことがありましたね」
「ええ、先王陛下の警備でした」

 レイの顔が懐かしそうだ。
 先王は昨年の事件で死亡した。
 色々あったが、レイは今でも先王を尊敬している。

「それで、アルさん。今日はどうされたのですか?」
「はい、アセンの冒険者ギルドに試験を受けに来ました」
「そうだったのですね!」

 冒険者試験を受けに来たこと、今後はレイと冒険者になることなど、俺たちの予定を伝える。
 カミラさんは団長だったレイが冒険者になることや、俺がレイと知り合いだったことにとても驚いていた。

「アルさん、レイ様。お部屋を用意します。今日はここに泊まってください」
「い、いや、そこまでお世話になるのは」
「アルさん。いつも言ってるではないですか。あなたは私に幸運をもたらせてくれます。少しでも恩を返させてください」
「わ、分かりました。ありがとうございます」
「お部屋は一つでよろしいですか?」
「アル、二つよね?」

 なぜかファステルが答える。

「そ、そうだね。二部屋でお願いします」
「ウフフフフ、分かりました。二部屋用意させますわ」

 夕食は相変わらず豪華な食事を用意してくれた。
 カミラさんとファステルも一緒だ。
 そこでカミラさんが、現在のファステルの様子を語ってくれた。

 ファステルは昨年ここで働き始めてから、見る見る頭角を現した。
 確かな鉱石の鑑定眼で信頼と安心を勝ち取り、可憐な美貌はアセンでかなりの評判になった。
 そこに目をつけたカミラさんが、ファステルを自店の宝石モデルにしたところ、宝石の売り上げが倍増したそうだ。
 今やファステルが身につけた宝石は、アセンで流行になるほどの人気となる。
 さらにはそれを聞きつけ、別の街からもファステル目当ての客が来ているとのこと。

「ファステル! 本当に凄いよ!」
「これも全てアルのおかげよ!」
「ウフフフフ、ファステルは本当に凄いんですよ」

 ファステルの活躍は、俺も自分のことのように嬉しい。
 カミラさんには本当に感謝している。

 食事を終え、食後の紅茶を口にしたレイ。

「アル、私は先に部屋に戻ってるわ。ファステルと話もあるでしょう? ゆっくりしてきなさい」
「私も少し仕事が残ってるので戻りますね。ファステルは久しぶりに会ったのだから、アルさんと散歩でもしてきたらどうですか?」

 大人たちが見せる気遣い。
 その言葉に甘え、俺とファステルは宿の中庭へ移動。
 まるで宮殿のような美しい庭園だ。

 月光が照らす花を眺めながら、ファステルと遊歩道を歩く。
 そして、庭園の中心にあるガゼボのベンチに座る。

「ファステル、弟のデイヴは元気かい?」
「ええ、手術は成功して、今はカミラさんの宝石店で専属鉱夫として働いてるわ」
「それは凄い!」
「あの子、カミラさんのことが好きみたいでね。一生懸命アプローチしてるわよ。ふふ」
「へえ、カミラさんか。上手くいくといいね」
「これも本当にアルのおかげよ。今の私たち姉弟は、お金の心配もなく幸せに暮らしているの」
「うん、良かった」
「アルがいなかったら、私たちは死んでいたもの」
「そ、そんなことないよ」
「いいえ。カミラさんを紹介してくれなければ、間違いなく命はなかったわ」

 言葉では否定したが、当時のファステルは本当に危機的な状況だった。

「家が燃えた時ね。正直あの時、もう諦めたの。死のうと思って……」
「ファステル……」
「アルにあの時もらった金貨で弟は助かったの。本当に感謝してるわ。そして、アルにもらった緑鉱石をね、指輪にしたの。これ見て?」

 ファステルは、繊細な彫刻のような美しい指と、その指の美しさを引き立てる小さな指輪を見せてくれた。
 その手は、ツルハシを握って汚れた以前の手ではなかった。

「とても綺麗な指輪だね」
「ええ、宝石店の職人さんが特別に作ってくれたの。まるでアルのように純粋で、透き通った美しい指輪よ。世界に一つだけの私の本当に、本当に大切な宝物よ」

 大切そうに指輪をさするファステル。

「あのね。一年前から、ずっとあなたに伝えたいことがあったの」

 月光が照らすファステルは、まるで月の妖精だ。
 俺はその姿に見惚れていた。

「アル、あなたを愛してるわ」

 沈黙が流れる。

「ファステル……」

 俺はどう答えていいのか分からず、正直に伝えることにした。

「あの……俺も……ファステルのことはとても大切だよ。ただ、俺はずっと山で一人暮らしをしていたから、その……恋愛というものがまだよく分からなくて……」

 夜風がファステルの美しい銀髪を揺らす。

「伝えられただけで嬉しいわ。だって、あの時はいなくなっちゃったから」
「あの時は……その、本当にごめん。騎士団の試験もあったし、ファステルを見ると分かれるのが辛くなっちゃうから……」
「もう、その言葉をあの時聞きたかったわ。そしたら全力で引き止めたのに。ふふ」

 俺は困惑したが、ファステルは笑顔だ。

「ねえ、アル。レイさんって信じられないくらいの美人よね」
「そうだね。俺もそう思う」
「宝石店で一年働いてるけど、あんな美人は今まで見たことないわ」
「ファステルだって! ……と、とても綺麗だよ」
「ありがとう」

 月光を遮る雲。
 ファステルの表情が一瞬見えなくなった。

「アルはレイさんのことが好き?」
「うん。……正直恋愛かどうかは分からないけど、俺にとって特別な存在だよ」
「レイさんのためなら死ねる?」
「もちろん」
「私のためだったら?」
「当たり前じゃないか!」
「……ありがとう。アル、ちょっと目をつぶって?」

 目を閉じると唇に柔らかい感触。
 驚き思わず目を開けると、ファステルの唇が重なっていた。

 そのまま三十を数えただろうか。
 時が止まったかのような錯覚。
 そして静かに、静かに風の音が流れ出す。
 雲の切れ目から月が姿を現すと、ファステルの唇が離れた。

「アル、私はあなたを愛してる。そして、いつまでもあなたを想っているわ」

 ◇◇◇

 宿の窓から、その光景を偶然見かけてしまったレイ。
 そっと窓から離れた。

 ◇◇◇

 ファステルと別れた後、俺はレイの部屋の前に来た。
 明日のこともあるし、レイと少し話そうと思ったからだ。
 レイの部屋をノックする。

「アル、もういいの?」
「うん。……レイ、今日はつき合ってくれてありがとう」
「ふふふ、私の知らないアルが見られて良かったわ」
「ちょ、ど、どういうこと?」
「カミラさんにファステル。二人ともとても綺麗なのに……。アル、あなたはモテるのね」
「そ、そ、そんなんじゃないよ!」

 ソファーに座ると、レイが珈琲を淹れてくれた。

「レイ、俺とファステルはたった数日間だったけど、本当に、本当に色々なことがあったんだ」

 俺は当時の出来事を全て話した。

「そんなことがあったのね。大変だったわね」
「ファステルにとっては悲しいことがたくさんあったけど、今は弟のデイヴと幸せに暮らせてるって。本当に、……本当に良かった」

 俺はなぜか涙が出ていた。
 ファステルの境遇に自分を重ねていたこともあったし、何よりファステルは不幸すぎた。
 だから、百倍も千倍も幸せになって欲しい。

 涙を見られたくなくて、俺は窓の方に歩いた。

「アルは……優しいのね」

 レイが俺の背中に抱きつく。

「ふふふ、アルも好きなように生きていいのよ? わ、私と無理に……冒険者をしなくても大丈夫よ……」
「何言ってるんだよ、レイ」

 俺は振り返りレイの顔を見る。
 レイの表情はとても不安そうだった。

「アル?」
「レイは俺の師匠だし、俺に生き方を与えてくれた特別なひとだよ。レイと冒険者になることは俺の意志だ」
「ありがとう。今はそれだけで十分よ。嬉しい。ふふふ」

 レイが俺の胸に額をそっと当ててきた。

「今日はもう寝ましょう」
「……うん、そうだね。移動の疲労もあるし寝ようか」

 俺は自分の部屋に戻った。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

処理中です...