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第193話 [それぞれの有用性。]
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「フローガ、居るか?」
俺がそう言うと目の前に火柱が発生し、その中からフローガが出てきた。
「何だ?ん?ブラッドストーンじゃねぇか?素がねぇから火山フィールドじゃ無理だと思ってたけど、何でこんなにあんだ?」
フローガが出てくるなりそう言ったので事の成り行きを説明した。
「はぁ~、シュウト様は相変わらずだな。まぁいいや、そんで呼んだって事はコレを増やすのか?」
「あぁ、頼めるか?」
「言ってたみてぇに一瞬では増やせねぇけど、同じ位ならコレ1個と魔宝玉1つ有れば明日には同じ量にしとくぜ。」
「じゃあ頼む。」
俺はそう言うとフローガの要望通り、1つずつ渡した。
「あぁ分かった。」
フローガはそう言うと火柱の中に消えて行った。
「それじゃあ儂も良いかの?」
「あぁ、今回もありがとな。」
「良いんじゃよ。さてと後始末をしに行くかのぅ。」
エダはそう言うと土の中に潜って行った。
後始末って何だ?
俺がそう思っているとレイから声が掛かった。
「それにしてもシュウトは相変わらずだね。」
「相変わらずって何だよ。」
「人の事を気にして、自重しないとこだよ。」
「確かにそうだな!」
レイがそう言うとドラウも同意した。すると先程まで黙って見ていたアキトが2人に声を掛けた。
「諦めた方が良いよ。」
「何を?」
「自重だよ。自重。」
「そうなの?」
「だって前世でも人助けしようとして1つの組織を潰してたからね。普通はそこまでしないよ。」
「いや、アレはそうしないと助けた人にも報復が来ると思ってだなぁ・・・。」
「あそこまでしなくても助けられたでしょ。」
「いや、まぁそうなんだけど・・・。」
俺がそう言い淀んでいると3人がお互いを見て笑っていた。
「何だよ・・・まぁいいや、それより残った魔血石はどうするんだ?」
「そりゃあ全部使うつもりだったけど何か拙いのか?」
「良いんだけど大変じゃないのか?」
「まぁな。ミスリルと混ぜて糸にするのはかなり大変だけど乗り掛かった船だ、任せろ!」
「まぁドラウがそう言うなら・・・っていうかミスリルと混ぜるのか?」
「あぁ、じゃないと吸収しても行き場の無い魔力が暴発するかもしれねぇからな。ミスリルで放出する様に調節するつもりだ。」
「へぇ~。」
俺がドラウとそう話しているとレイが声を掛けてきた。
「もしや魔動線を復活させるつもりかい?」
「魔動線?」
「そう失われた技法と呼ばれ、かなり古い魔道具には使われていた物なんだよ。」
「そうか、お前ら人族には失われた技法って事になるのか、俺は爺様が魔道具技師だったから見た事はねぇけど作り方だけは教えてもらったからなぁ。」
「爺様って相当昔だよなぁ。」
「そうだな。爺様が作ってたのは千年くれぇ前だと思うぞ。その時も今程じゃねぇけど数が少なくなってたみてぇで、代替品でミスリルだけを使ったミスリル線を使う様になったって言ってたがな。」
「へぇ~でもミスリル線って?」
「今の魔道具で使われてる物だよ。」
「ふ~ん。」
「ふ~んってシュウト、この凄さが分かっ・・・らないか。」
「そんなに凄い事なのか?」
「そりゃそうだよ。今まで安定しないって理由で魔石を加工してきたのに魔動線が有ればその必要が無くなる物が多くあるんだよ。」
「魔石の加工から魔動線に代わるだけじゃないのか?」
「全然違うよ!使用者側からしたら最初が多少高くなるけどその後は魔石の値段で済むし、冒険者なら魔道具の魔力が切れない様に気にしなくても魔石によっては現地調達が出来るんだからそんなに凄い事ないよ!」
「そ、そうなのか。でも魔動線がどれだけ安く出来るかに掛かってるんじゃないのか?」
レイのあまりの迫力に多少狼狽えながらも聞いてみた。
「それは技術さえ教えてもらったら何とか出来るだろうし、肝心の魔血石も目処が立ちそうだしね。」
「俺がいる間は良いけど将来的に考えたら安くは出来ないんじゃないのか?」
「そこは研究してみてからだね。例えば、そのサイズから破裂するまでに必要な魔力量だとか、魔物が湧く様な魔力濃度が濃い場所に放置したら魔物の発生を抑えられるのかとかね。」
「魔物が湧くってダンジョンか?」
「違うよ。まぁダンジョンにも放置してみるのも有りかもしれないけど多分ダメだろうね。」
「何でだ?」
「だって迷宮神ラビリス様が創った場所だから。」
「あぁ、確かにその可能性の方が高いかもな。」
「まぁ、ダメ元でやってみるのも有りだけど。それよりもダンジョンじゃない場所で魔力溜りになってる場所に放置かな。」
「それってセルジュさんの所から王都までの間に在った様な場所か?」
「彼処もそうだね。でも他にもそういう場所は各地に在って中心にはダンジョンが在るんじゃないかって噂になってるけど、あくまで噂だからね。」
「調べ・・・あぁ、下手したらスタンピードになるかもしれないから誰も出来ないのか。」
「そういう事。」
「じゃあどうやって魔力溜りに放置するんだ?」
「そうだねぇ・・・例えば魔力溜りの外周に等間隔で置いてみて薄くなるなら徐々に中心へ移動させて行くとかかなぁ。」
「あぁ、それなら問題なさそうだな。」
「でしょ。まぁ、やってみない事には話が進まないけどね。」
「なら俺が動こうか?」
「ダメだよ。シュウトが行ったらそれこそスタンピードが起こるよ。」
「あ、あぁそうか。」
「大丈夫。今、隠密が得意な人達を集めて部隊に出来ないかをバトと協議してるから。」
「隠密部隊?要るのか?」
「一応ね。そういう部隊が必要なダンジョンもあるかもしれないし。自国の利益の為にいや、利己的な理由で民を蔑ろにしてダンジョンを放置する様な国も有るから必要なんだよ。」
「民っていうか、住んでる人達は?」
「王侯貴族以外は人とは思っていないんだよ。それこそ使い潰しても湧き出てくるって思ってるくらいの扱いだよ。」
「あ゛ぁ!」
胸糞悪い話を聞いて俺が怒りを露わにするとその場に居た3人の顔が青ざめていたので、俺は深呼吸して落ち着かせた。
「すまない。」
「いや、話をする上で覚悟はしてたから大丈夫だよ。2人もそうだろ?」
「そうだね。」
「あぁ、そういう話になってたな。」
「この組織に隠密部隊を創る上で納得してもらうにはどうしても話さないといけない事だからね。」
「・・・そういう事か。」
「そういう国は教国の軍どころか教国の人間すら入国拒否するからねぇ。」
「そうなのか?」
「うん。教国は凶悪な犯罪者の奴隷は認めてるけど、それ以外の奴隷は認めてないし、教義に反して民に対し非人道的な扱いを行っている場合、実情を確かめた上で教国として対処しようとするからね。」
「教国としての対処?」
「初めのうちは書面での抗議かな。」
「それで変わるのか?」
「まぁ変わらないね。その時は度合いで行動方針を決めるんだけど、大体は暗部の人達が助け出すかな。」
「それって大丈夫なのか?」
「バレたら戦争になるかもしれないけど流行病を演出してるから自国の民を奴隷か家畜としか見てない彼等が勝手に何処かに集めて火を放つからね。」
「何だそれ。つくづくムカつく奴等だな。」
「だけど、そのお陰でバレないんだよ。」
アキトとそんな話をしていると再びレイが声を掛けてきた。
「今のでも暗部というか、隠密部隊が必要な理由が分かったでしょ。」
「まぁな。でもそれなら俺が使徒として何かした方が良いんじゃないのか?」
「それは無理だと思うよ。」
「そうなのか?でも使徒って偉いんだろ?」
「だからだよ。もし来られたら困るから隠すだろうし、下手したら見つかる前に言い方は悪いけど処分してしまうかもしれないよ。」
「殺されたとしても霊が留まってたら俺には分かるぞ。」
「シュウトなら分かるだろうけど、相手はそんな事出来るって知らないからね。」
「あぁ、そうか。」
「それにそんな事が行われた事実が分かったらシュウトは国自体を消滅させない?」
「それは・・・。」
「答えられない時点でOUTだよ。それに国の方針がそうだとはいえ、中には反発して良心的な領主だって一定数は居るからね。」
「全てがそうって訳じゃないか。」
「まぁ、大抵そういう人は小さい領しか持ってないけどね。」
「まぁ、国の方針に反発するならそうなるだろうな。」
「だからそういう人を陰ながら助ける為にも隠密部隊が必要なんだよ。」
「分かった。でも無理だけはさせるなよ。」
「そんな事は分かってるさ。行動させる段階では一人一人が最低Aランク冒険者と同等の強さで尚且つ、バトの公認が取れた者だけにしようと思ってるから。」
「・・・基準は分かるけど、それって相当狭き門じゃないか?」
「普通はほぼ無理だろうね。」
「だよなぁ。部隊が出来るような人数が揃わないだろ?」
「此処は攻略組だよ。その時点で普通じゃないからね。何せ死ぬ事が出来ないダンジョンが有るんだよ。志と覚悟、それにバトが認める最低限の能力が有ればそこまで難しくないよ。」
「そんなものか。」
俺達がそう言うとドラウから声が掛かった。
「なぁ、2人とも・・・いや、アキトも普通に頷いてたから3人か、3人とも死なないから大丈夫って考えは無茶苦茶だからな。」
ドラウは俺達が理解出来ない様な表情をしているのを見て、溜め息を吐いていた。
「はぁ~、俺ら恐ろしい組織に入ったんだなぁ~。」
「何言ってんだよ。安全に強くなれるのに良い事しかないだろ。」
「それでも痛いとか恐怖はあるだろ。」
「強くなるんだからそれはそうだろ。」
「まぁ、死んでも良いって思う奴は殆ど居ないだろうから良いのかもしれないけどなぁ・・・。」
「自ら死のうとする事はシュウトが決めた方針に反発する行為だからね。」
「そうだな。ってか、これで納得しちまう俺も大概なんだろうな。」
「シュウトに関わると大概可笑しくなるだろうね。」
「何だよそれ・・・まぁいいや。それで少しならすぐ出来るか?」
「ん?あぁ、魔動線か・・・思い出しながらになるし、実際造ってるとこは見てねぇけど1時間あれば出来ると思うぞ。」
「そうか。じゃあ晩飯までには出来そうだから俺達はどうする?」
「見ていても良いかい?」
「あぁ構わねぇぞ。」
「じゃあ僕もそうしようかな。」
「なら、俺はもう少し別の場所で聖光石を作っておくかな。」
俺達はそう言うとそれぞれ出来上がるまで別行動する事にした。
俺がそう言うと目の前に火柱が発生し、その中からフローガが出てきた。
「何だ?ん?ブラッドストーンじゃねぇか?素がねぇから火山フィールドじゃ無理だと思ってたけど、何でこんなにあんだ?」
フローガが出てくるなりそう言ったので事の成り行きを説明した。
「はぁ~、シュウト様は相変わらずだな。まぁいいや、そんで呼んだって事はコレを増やすのか?」
「あぁ、頼めるか?」
「言ってたみてぇに一瞬では増やせねぇけど、同じ位ならコレ1個と魔宝玉1つ有れば明日には同じ量にしとくぜ。」
「じゃあ頼む。」
俺はそう言うとフローガの要望通り、1つずつ渡した。
「あぁ分かった。」
フローガはそう言うと火柱の中に消えて行った。
「それじゃあ儂も良いかの?」
「あぁ、今回もありがとな。」
「良いんじゃよ。さてと後始末をしに行くかのぅ。」
エダはそう言うと土の中に潜って行った。
後始末って何だ?
俺がそう思っているとレイから声が掛かった。
「それにしてもシュウトは相変わらずだね。」
「相変わらずって何だよ。」
「人の事を気にして、自重しないとこだよ。」
「確かにそうだな!」
レイがそう言うとドラウも同意した。すると先程まで黙って見ていたアキトが2人に声を掛けた。
「諦めた方が良いよ。」
「何を?」
「自重だよ。自重。」
「そうなの?」
「だって前世でも人助けしようとして1つの組織を潰してたからね。普通はそこまでしないよ。」
「いや、アレはそうしないと助けた人にも報復が来ると思ってだなぁ・・・。」
「あそこまでしなくても助けられたでしょ。」
「いや、まぁそうなんだけど・・・。」
俺がそう言い淀んでいると3人がお互いを見て笑っていた。
「何だよ・・・まぁいいや、それより残った魔血石はどうするんだ?」
「そりゃあ全部使うつもりだったけど何か拙いのか?」
「良いんだけど大変じゃないのか?」
「まぁな。ミスリルと混ぜて糸にするのはかなり大変だけど乗り掛かった船だ、任せろ!」
「まぁドラウがそう言うなら・・・っていうかミスリルと混ぜるのか?」
「あぁ、じゃないと吸収しても行き場の無い魔力が暴発するかもしれねぇからな。ミスリルで放出する様に調節するつもりだ。」
「へぇ~。」
俺がドラウとそう話しているとレイが声を掛けてきた。
「もしや魔動線を復活させるつもりかい?」
「魔動線?」
「そう失われた技法と呼ばれ、かなり古い魔道具には使われていた物なんだよ。」
「そうか、お前ら人族には失われた技法って事になるのか、俺は爺様が魔道具技師だったから見た事はねぇけど作り方だけは教えてもらったからなぁ。」
「爺様って相当昔だよなぁ。」
「そうだな。爺様が作ってたのは千年くれぇ前だと思うぞ。その時も今程じゃねぇけど数が少なくなってたみてぇで、代替品でミスリルだけを使ったミスリル線を使う様になったって言ってたがな。」
「へぇ~でもミスリル線って?」
「今の魔道具で使われてる物だよ。」
「ふ~ん。」
「ふ~んってシュウト、この凄さが分かっ・・・らないか。」
「そんなに凄い事なのか?」
「そりゃそうだよ。今まで安定しないって理由で魔石を加工してきたのに魔動線が有ればその必要が無くなる物が多くあるんだよ。」
「魔石の加工から魔動線に代わるだけじゃないのか?」
「全然違うよ!使用者側からしたら最初が多少高くなるけどその後は魔石の値段で済むし、冒険者なら魔道具の魔力が切れない様に気にしなくても魔石によっては現地調達が出来るんだからそんなに凄い事ないよ!」
「そ、そうなのか。でも魔動線がどれだけ安く出来るかに掛かってるんじゃないのか?」
レイのあまりの迫力に多少狼狽えながらも聞いてみた。
「それは技術さえ教えてもらったら何とか出来るだろうし、肝心の魔血石も目処が立ちそうだしね。」
「俺がいる間は良いけど将来的に考えたら安くは出来ないんじゃないのか?」
「そこは研究してみてからだね。例えば、そのサイズから破裂するまでに必要な魔力量だとか、魔物が湧く様な魔力濃度が濃い場所に放置したら魔物の発生を抑えられるのかとかね。」
「魔物が湧くってダンジョンか?」
「違うよ。まぁダンジョンにも放置してみるのも有りかもしれないけど多分ダメだろうね。」
「何でだ?」
「だって迷宮神ラビリス様が創った場所だから。」
「あぁ、確かにその可能性の方が高いかもな。」
「まぁ、ダメ元でやってみるのも有りだけど。それよりもダンジョンじゃない場所で魔力溜りになってる場所に放置かな。」
「それってセルジュさんの所から王都までの間に在った様な場所か?」
「彼処もそうだね。でも他にもそういう場所は各地に在って中心にはダンジョンが在るんじゃないかって噂になってるけど、あくまで噂だからね。」
「調べ・・・あぁ、下手したらスタンピードになるかもしれないから誰も出来ないのか。」
「そういう事。」
「じゃあどうやって魔力溜りに放置するんだ?」
「そうだねぇ・・・例えば魔力溜りの外周に等間隔で置いてみて薄くなるなら徐々に中心へ移動させて行くとかかなぁ。」
「あぁ、それなら問題なさそうだな。」
「でしょ。まぁ、やってみない事には話が進まないけどね。」
「なら俺が動こうか?」
「ダメだよ。シュウトが行ったらそれこそスタンピードが起こるよ。」
「あ、あぁそうか。」
「大丈夫。今、隠密が得意な人達を集めて部隊に出来ないかをバトと協議してるから。」
「隠密部隊?要るのか?」
「一応ね。そういう部隊が必要なダンジョンもあるかもしれないし。自国の利益の為にいや、利己的な理由で民を蔑ろにしてダンジョンを放置する様な国も有るから必要なんだよ。」
「民っていうか、住んでる人達は?」
「王侯貴族以外は人とは思っていないんだよ。それこそ使い潰しても湧き出てくるって思ってるくらいの扱いだよ。」
「あ゛ぁ!」
胸糞悪い話を聞いて俺が怒りを露わにするとその場に居た3人の顔が青ざめていたので、俺は深呼吸して落ち着かせた。
「すまない。」
「いや、話をする上で覚悟はしてたから大丈夫だよ。2人もそうだろ?」
「そうだね。」
「あぁ、そういう話になってたな。」
「この組織に隠密部隊を創る上で納得してもらうにはどうしても話さないといけない事だからね。」
「・・・そういう事か。」
「そういう国は教国の軍どころか教国の人間すら入国拒否するからねぇ。」
「そうなのか?」
「うん。教国は凶悪な犯罪者の奴隷は認めてるけど、それ以外の奴隷は認めてないし、教義に反して民に対し非人道的な扱いを行っている場合、実情を確かめた上で教国として対処しようとするからね。」
「教国としての対処?」
「初めのうちは書面での抗議かな。」
「それで変わるのか?」
「まぁ変わらないね。その時は度合いで行動方針を決めるんだけど、大体は暗部の人達が助け出すかな。」
「それって大丈夫なのか?」
「バレたら戦争になるかもしれないけど流行病を演出してるから自国の民を奴隷か家畜としか見てない彼等が勝手に何処かに集めて火を放つからね。」
「何だそれ。つくづくムカつく奴等だな。」
「だけど、そのお陰でバレないんだよ。」
アキトとそんな話をしていると再びレイが声を掛けてきた。
「今のでも暗部というか、隠密部隊が必要な理由が分かったでしょ。」
「まぁな。でもそれなら俺が使徒として何かした方が良いんじゃないのか?」
「それは無理だと思うよ。」
「そうなのか?でも使徒って偉いんだろ?」
「だからだよ。もし来られたら困るから隠すだろうし、下手したら見つかる前に言い方は悪いけど処分してしまうかもしれないよ。」
「殺されたとしても霊が留まってたら俺には分かるぞ。」
「シュウトなら分かるだろうけど、相手はそんな事出来るって知らないからね。」
「あぁ、そうか。」
「それにそんな事が行われた事実が分かったらシュウトは国自体を消滅させない?」
「それは・・・。」
「答えられない時点でOUTだよ。それに国の方針がそうだとはいえ、中には反発して良心的な領主だって一定数は居るからね。」
「全てがそうって訳じゃないか。」
「まぁ、大抵そういう人は小さい領しか持ってないけどね。」
「まぁ、国の方針に反発するならそうなるだろうな。」
「だからそういう人を陰ながら助ける為にも隠密部隊が必要なんだよ。」
「分かった。でも無理だけはさせるなよ。」
「そんな事は分かってるさ。行動させる段階では一人一人が最低Aランク冒険者と同等の強さで尚且つ、バトの公認が取れた者だけにしようと思ってるから。」
「・・・基準は分かるけど、それって相当狭き門じゃないか?」
「普通はほぼ無理だろうね。」
「だよなぁ。部隊が出来るような人数が揃わないだろ?」
「此処は攻略組だよ。その時点で普通じゃないからね。何せ死ぬ事が出来ないダンジョンが有るんだよ。志と覚悟、それにバトが認める最低限の能力が有ればそこまで難しくないよ。」
「そんなものか。」
俺達がそう言うとドラウから声が掛かった。
「なぁ、2人とも・・・いや、アキトも普通に頷いてたから3人か、3人とも死なないから大丈夫って考えは無茶苦茶だからな。」
ドラウは俺達が理解出来ない様な表情をしているのを見て、溜め息を吐いていた。
「はぁ~、俺ら恐ろしい組織に入ったんだなぁ~。」
「何言ってんだよ。安全に強くなれるのに良い事しかないだろ。」
「それでも痛いとか恐怖はあるだろ。」
「強くなるんだからそれはそうだろ。」
「まぁ、死んでも良いって思う奴は殆ど居ないだろうから良いのかもしれないけどなぁ・・・。」
「自ら死のうとする事はシュウトが決めた方針に反発する行為だからね。」
「そうだな。ってか、これで納得しちまう俺も大概なんだろうな。」
「シュウトに関わると大概可笑しくなるだろうね。」
「何だよそれ・・・まぁいいや。それで少しならすぐ出来るか?」
「ん?あぁ、魔動線か・・・思い出しながらになるし、実際造ってるとこは見てねぇけど1時間あれば出来ると思うぞ。」
「そうか。じゃあ晩飯までには出来そうだから俺達はどうする?」
「見ていても良いかい?」
「あぁ構わねぇぞ。」
「じゃあ僕もそうしようかな。」
「なら、俺はもう少し別の場所で聖光石を作っておくかな。」
俺達はそう言うとそれぞれ出来上がるまで別行動する事にした。
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