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後編
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「僕の寵愛する聖女を傷つけようというのか」
視線を鋭くし、私を庇うようにして前に立つマーニー。
今はまだ昼下がり。彼の体はうっすら透けていて、完全に実体化しきれている状態ではない。神であるからして本気を出せば人間など一捻りなのに、なんとも間が悪いと私は唇を噛み締める。
「あなたが『月の神』マーニーね。そんな輝くような見た目をして、ずいぶん醜悪なことをしでかしてくれたじゃない」
「僕は何もしていない。当然ドロレスもだ」
「あなたたちがいなくなった途端異変が起こったんだもの、因果関係は明白でしょう!
王都は一面の焼け野原、コーネリアス様は亡くなって、陽の女神ソールーは暴走! 呪いでもかけたのかしら。まさか本当に魔女だったとはね」
王都一面焼け野原。
それを聞いて、しかし私は少しも驚かなかった。
月の神マーニーと陽の女神ソールーの二柱は兄妹。
ソールーは大地に光と恵みをもたらす一方で非常にいたずら好きな性格をしており、放っておくとすぐに暴走してしまうのだとマーニーに聞かされていたからだ。
今までは『月の聖女』の私を通じてマーニーの力で抑えていたので均衡を保っていたが、それが失われれば力が傾き、惨状が生まれるのは目に見えていた。
「だからあの婚約破棄の時、申し上げたのです。『本当によろしいのですか』と。それに私は魔女などではありません。ですからその剣を――」
「収めろとでも? ワタクシ、あんたを殺すためにここまで来たのよ。言い訳したって、聞いてやるもんですか」
コーネリアス様と寄り添い、か弱く優しい乙女のように振る舞っていたのと同一人物とは思えないギラついた目で私を射抜く。
彼女が短剣を片手に私へ突っ込んできたのと、マーニーが手に神力――月の神特有の輝きを彼女へぶつけたのは、一体どちらが早かったか。
そのまま二人はぶつかる――はずだった。
『ねえねえワタシの聖女ちゃん、兄様に一体何してくれてるの?』
明るく無邪気で、しかし背筋がゾッとするほど恐ろしい声が降り注ぎ、二人の間に乱入者が現れることがなかったなら。
「初めましての人は初めまして、兄様には久しぶりと言っておこうかな! ワタシは皆さんご存知ソールーちゃんでーす!」
――朝陽のような朱色の髪を揺らす幼い少女が出現したのは、あまりにも突然のことだった。
キラキラと輝く赤い瞳はイタズラっぽい光を宿し、その場にいた全員を見回してから「みんな殺気立ってるねぇ」とくすくす笑い出す。
私は慌てて彼女に問うた。
「あ、あなたが陽の女神様なのですか?」
「そうだよー? 兄様と違ってワタシ、神秘的な表れ方とかしないけど、この場所で実体化できるのは兄様だけじゃないから! ……そうそう、それよりさ」
ソールーがヘレン様を振り返った。
「せっかく火遊びを楽しんでたのにその間になんで兄様に喧嘩売ってるわけ、お馬鹿さんで可愛いワタシの聖女ちゃん? もしかして神殺しなんてこと、許されると思ってるのかな?」
「ソールー、あなたこそどうしてっ」
「ワタシが人間の国を焼くのはただのお遊び。王国一つくらいぶっ潰しちゃっても、何の問題もないでしょ? でも神殺しと、聖女殺しとなれば話は別ってもんだよ。陽の女神として黙認できない。だから今から火炙りの刑に処すね!」
「え――」
先ほどまでヘレン様が立っていた場所がたちまち燃え出し、天井まで高く立ち上る。瞬きの間に起きたその出来事に私は絶句するしかない。
しばらく呻くような、泣き叫ぶような声が響いたがそれはすぐに収まり、やがて炎も消えて、あとに残るは灰ばかり。
『陽の聖女』が一瞬にして陽の女神に焼き殺された。その現場は言葉で言い表せないほど、とんでもないものだった。
「出てきたのか、ソールー。相変わらず乱暴なやり方だが助かったよ」
「まだ陽が高いのに兄様がワタシの聖女ちゃんに向かって行った時はヒヤヒヤしたよー。あの聖女ちゃん、いい具合にお馬鹿で自尊心が強くて、なかなか有用な道化だったんけど代わりは他にもいるし、サクッと処分しちゃった!」
一人の人間が灰に変えられたばかりだというのに、平然として話せるところはさすが神なんだなと思う。
ヘレン様の言葉を聞いた限りではコーネリアス殿下もすでに亡き人となっているから、これぞまさに因果応報というやつなのかも知れないけれど。
突然の襲撃、唐突な陽の女神の登場、ヘレン様の死。怒涛の勢いで繰り広げられたそれらの出来事を受け入れた途端、緊張が緩んだのか地面に座り込んでしまった。
「大丈夫かい、ドロレス。怖かったろう」
「……いいえ、マーニーが庇ってくれましたから。マーニーこそ無事ですか」
「なんともないとも。本当は僕の手で懲らしめたかったところだけど、ドロレスが大丈夫ならそれだけでいい」
柔らかな微笑みを向けられて胸の鼓動がどくんと跳ねる。
――ああ、この人は、いやこの神はなんて優しいんだろう。
本当ならこのまま抱き合ってしまいたいが、まだ夜ではないので彼には触れられないし、ホールに二人きりというわけでもないのでできない。
しばらく私とマーニーを退屈そうに眺めていたソールーだったが、やがてすくっと立ち上がって。
「もぅ、ワタシの前でイチャイチャしちゃってつまんないのー。そろそろ遊びにも飽きたしワタシは後片付けしてこようっと!」
楽しげに声を弾ませた直後、彼女はまるで最初からそこに存在していなかったかのように消失していた。
ヘレン様を聖女に選んだ時点でまともな神ではないだろうとわかっていたが、あれは癖が強過ぎる。『月の聖女』で本当に良かったと、心から思った。
「マーニー、好きです」
「嬉しいな。君の方からそう言ってくれるなんて。これで両想いだね」
陽が傾きはじめた空は徐々に黄昏色に染まり、刻一刻と夜が近づいてくる。ほんの少し頭を見せ始めた月は綺麗な円の形をしていて、そういえば今夜は満月だったと思い出す。
「今日は二人きりの時間を邪魔されたんだ、夜はたっぷり愛でさせてもらうけど、いいかい?」
「もちろんですよ」
満月の夜のマーニーは最も力が強い。いつもにも増して甘く幸せな一夜になりそうだ。
柔らかな月の光が降り注ぎ始める。
それに照らされたマーニーは徐々に実体を濃くしていき、私は強く抱きしめられた――。
視線を鋭くし、私を庇うようにして前に立つマーニー。
今はまだ昼下がり。彼の体はうっすら透けていて、完全に実体化しきれている状態ではない。神であるからして本気を出せば人間など一捻りなのに、なんとも間が悪いと私は唇を噛み締める。
「あなたが『月の神』マーニーね。そんな輝くような見た目をして、ずいぶん醜悪なことをしでかしてくれたじゃない」
「僕は何もしていない。当然ドロレスもだ」
「あなたたちがいなくなった途端異変が起こったんだもの、因果関係は明白でしょう!
王都は一面の焼け野原、コーネリアス様は亡くなって、陽の女神ソールーは暴走! 呪いでもかけたのかしら。まさか本当に魔女だったとはね」
王都一面焼け野原。
それを聞いて、しかし私は少しも驚かなかった。
月の神マーニーと陽の女神ソールーの二柱は兄妹。
ソールーは大地に光と恵みをもたらす一方で非常にいたずら好きな性格をしており、放っておくとすぐに暴走してしまうのだとマーニーに聞かされていたからだ。
今までは『月の聖女』の私を通じてマーニーの力で抑えていたので均衡を保っていたが、それが失われれば力が傾き、惨状が生まれるのは目に見えていた。
「だからあの婚約破棄の時、申し上げたのです。『本当によろしいのですか』と。それに私は魔女などではありません。ですからその剣を――」
「収めろとでも? ワタクシ、あんたを殺すためにここまで来たのよ。言い訳したって、聞いてやるもんですか」
コーネリアス様と寄り添い、か弱く優しい乙女のように振る舞っていたのと同一人物とは思えないギラついた目で私を射抜く。
彼女が短剣を片手に私へ突っ込んできたのと、マーニーが手に神力――月の神特有の輝きを彼女へぶつけたのは、一体どちらが早かったか。
そのまま二人はぶつかる――はずだった。
『ねえねえワタシの聖女ちゃん、兄様に一体何してくれてるの?』
明るく無邪気で、しかし背筋がゾッとするほど恐ろしい声が降り注ぎ、二人の間に乱入者が現れることがなかったなら。
「初めましての人は初めまして、兄様には久しぶりと言っておこうかな! ワタシは皆さんご存知ソールーちゃんでーす!」
――朝陽のような朱色の髪を揺らす幼い少女が出現したのは、あまりにも突然のことだった。
キラキラと輝く赤い瞳はイタズラっぽい光を宿し、その場にいた全員を見回してから「みんな殺気立ってるねぇ」とくすくす笑い出す。
私は慌てて彼女に問うた。
「あ、あなたが陽の女神様なのですか?」
「そうだよー? 兄様と違ってワタシ、神秘的な表れ方とかしないけど、この場所で実体化できるのは兄様だけじゃないから! ……そうそう、それよりさ」
ソールーがヘレン様を振り返った。
「せっかく火遊びを楽しんでたのにその間になんで兄様に喧嘩売ってるわけ、お馬鹿さんで可愛いワタシの聖女ちゃん? もしかして神殺しなんてこと、許されると思ってるのかな?」
「ソールー、あなたこそどうしてっ」
「ワタシが人間の国を焼くのはただのお遊び。王国一つくらいぶっ潰しちゃっても、何の問題もないでしょ? でも神殺しと、聖女殺しとなれば話は別ってもんだよ。陽の女神として黙認できない。だから今から火炙りの刑に処すね!」
「え――」
先ほどまでヘレン様が立っていた場所がたちまち燃え出し、天井まで高く立ち上る。瞬きの間に起きたその出来事に私は絶句するしかない。
しばらく呻くような、泣き叫ぶような声が響いたがそれはすぐに収まり、やがて炎も消えて、あとに残るは灰ばかり。
『陽の聖女』が一瞬にして陽の女神に焼き殺された。その現場は言葉で言い表せないほど、とんでもないものだった。
「出てきたのか、ソールー。相変わらず乱暴なやり方だが助かったよ」
「まだ陽が高いのに兄様がワタシの聖女ちゃんに向かって行った時はヒヤヒヤしたよー。あの聖女ちゃん、いい具合にお馬鹿で自尊心が強くて、なかなか有用な道化だったんけど代わりは他にもいるし、サクッと処分しちゃった!」
一人の人間が灰に変えられたばかりだというのに、平然として話せるところはさすが神なんだなと思う。
ヘレン様の言葉を聞いた限りではコーネリアス殿下もすでに亡き人となっているから、これぞまさに因果応報というやつなのかも知れないけれど。
突然の襲撃、唐突な陽の女神の登場、ヘレン様の死。怒涛の勢いで繰り広げられたそれらの出来事を受け入れた途端、緊張が緩んだのか地面に座り込んでしまった。
「大丈夫かい、ドロレス。怖かったろう」
「……いいえ、マーニーが庇ってくれましたから。マーニーこそ無事ですか」
「なんともないとも。本当は僕の手で懲らしめたかったところだけど、ドロレスが大丈夫ならそれだけでいい」
柔らかな微笑みを向けられて胸の鼓動がどくんと跳ねる。
――ああ、この人は、いやこの神はなんて優しいんだろう。
本当ならこのまま抱き合ってしまいたいが、まだ夜ではないので彼には触れられないし、ホールに二人きりというわけでもないのでできない。
しばらく私とマーニーを退屈そうに眺めていたソールーだったが、やがてすくっと立ち上がって。
「もぅ、ワタシの前でイチャイチャしちゃってつまんないのー。そろそろ遊びにも飽きたしワタシは後片付けしてこようっと!」
楽しげに声を弾ませた直後、彼女はまるで最初からそこに存在していなかったかのように消失していた。
ヘレン様を聖女に選んだ時点でまともな神ではないだろうとわかっていたが、あれは癖が強過ぎる。『月の聖女』で本当に良かったと、心から思った。
「マーニー、好きです」
「嬉しいな。君の方からそう言ってくれるなんて。これで両想いだね」
陽が傾きはじめた空は徐々に黄昏色に染まり、刻一刻と夜が近づいてくる。ほんの少し頭を見せ始めた月は綺麗な円の形をしていて、そういえば今夜は満月だったと思い出す。
「今日は二人きりの時間を邪魔されたんだ、夜はたっぷり愛でさせてもらうけど、いいかい?」
「もちろんですよ」
満月の夜のマーニーは最も力が強い。いつもにも増して甘く幸せな一夜になりそうだ。
柔らかな月の光が降り注ぎ始める。
それに照らされたマーニーは徐々に実体を濃くしていき、私は強く抱きしめられた――。
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