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第二部 高校生編

開けゴマで開く扉に碌なものはないが、鞭で叩いて開く扉は割と楽しい ♡

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 今回のセックスであるが、なじみにはとにかく喘ぎまくってもらう。
 この際恋仲であることはもうバレて良い。俺が面倒を避けるためになじみに負担を与えるなどもってのほかだ。

 俺となじみが男女の関係でお互いずぶずぶ、結婚の約束までしていておまけに完全調教済み。

 渡辺にはすべて知り、諦めてもらう。
 盗聴器は聞き取りやすいよう、テーブルの上に置いた。
 七割くらいの確率で録音されているだろうが、個人が特定出来ないように名前呼びをしなければいい。防音だから環境音もしないしな。腹いせに名前つけてバラまいたところで噂止まりだ。なじみが羞恥心で死にそうだが、実害がないと割り切ってもらおう。例え退学になっても別のやり口で生きていけばいい。
 なじみに苦労を掛けるだろうが・・・まあ、最後の最後、最終手段だ。

 それに渡辺一人でもそれなりの金になるだろうし、存外そっちの方がのんびりできるかもしれない。

「ええっと、ですね」
「どうした?」
「・・・お尻、叩いてくれませんか?」

 そのセリフに俺の目が鋭くなった。

「ちっ違うんです! 別に癖になったとかそういうアレじゃなくて、この間迷惑かけてしまったのでそのお詫びに、というか罰にそういうことをしてくれると、その・・・」
「なんだ?」
「・・・嬉しいです」
「嬉しいなら罰にならないだろう、がッ!」

 瞬間俺の右手が空を切り、なじみの尻へ着弾する。
 ズボン越しの一撃だったが、なじみには十分だったようで。

「ヒアアッ!」

 爆竹の様に小気味よい音が鳴る。
 きっと今さぞかし赤くなっていることだろう。

「あー・・・とりあえず全部脱げ」
「はい、ご主人様」

 指示通りに動くなじみを見て、俺も行動を起こす。
 制服のズボンからベルトを外して、物置の中から結束バンドを見つけてきた。洗面所からタオルもだ。

「ほれ、おとなしくしな」

 そんなこと言わずとも唯々諾々と従うのだが。

 なじみの両手を後ろに回して結束バンドで縛り、タオルで目隠しする。
 床に座ったなじみの尻をこちらに向かわせ、先ほどひっぱたいたと思われる部分を優しくなでる。

「ああ・・・ご主人様。これから、何をされるのですか?」
「さあな。ま、何やるにしても中途半端は良くない。徹底的にするつもりだが・・・何されると思う?」
「私への、罰、では?」
「正解だ。では正解のご褒美だ」

 撫でるのを止め、即座に振りかぶったベルトを鞭の要領で叩きつける。
 べちぃん!!と合成皮となじみの肌がぶつかり、痛烈な痛みを注ぎ込む。

「ああんッ!」

 声がつやっつやなんだが・・・愛液も出てるし。

「さ、ご褒美をもらったらどうするのかな?」
「ああ・・・ありがとうございます」
「ようし、いい子だ」

 今度は尻ではなく頭を撫でる。
 表情が安心に満ちた所で次だ。

「しかし弱ったな。思わず鞭で叩いたが、本来これは罰。だがご褒美として叩いてしまった。どうすればいいと思う?」
「はあ、はあ・・・はい、本来の罰を、すればよいと思います」
「よくわかったな。いい子いい子」

 頭をなでなで。
 すかさずその尻にスパンキング!

「アヒイイッ!」
「ほれ、さっきこれを貰った時、お前は何と言った?」
「あ、ありがとうございます・・・」
「よしよし」

 先ほどより短くナデナデ。
 すかさずスパンキング!

「はああッ! ありがとうございます!」
「ようし!」

 もう一発。

「ひゃあああッ! ありがとうございます!」
「偉いぞ!」

 更にもう一発。

「えあんっ! ありがとうございます!」
「いい子だ!」

 おまけにもう一発。

「ありがとうございます!」

 もう喘ぎすらしないほど即座にお礼を言うようになったなじみ。
 一撃入る度に破裂する愛液の塊は大きくなっていく。
 既に絶頂カウントも四増えているし。最後の二発は入る度にイッていたようだ。

「よーし、直ぐお礼を言えるようになったじゃないか、偉いぞー。俺は誇らしい」

 頬を、頭を、首を、背中を撫でて労う。

「ご主人様・・・私は、ご主人様が喜んでくれて、何よりでございますぅ・・・」
「良お~~~し、よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」

 執拗なまでに撫で続ける。
 犬が『バウ!』と吠えて拒絶するレベルに撫で続けるが、なじみが拒絶することはない。

 ところで。
 なぜだろう、なじみの尻をひっぱたき、『ありがとうございます』となじみが絶叫したとき。
 こう・・・ゾクゾクしたものが背筋を這い上ったのは。

 Sに調教されている様な・・・。
 調教師はなじみの方だった?

「はああ・・・! ご主人様が私のことでお喜びに・・・」
「喜んでいるとも。そこでもう一度お前にご褒美を与えようと思うのだが、何が欲しい?」
「ああ・・・では、私のそこに、ご主人様の精液をくださいませ」
「ふむ。そこ、と言われてもな。どこであるかわからん。ここか?」

 なじみの口の中に指を差し込む。

「ひ、ひあいあふ」
「では・・・」

 手をなじみの下半身へ伸ばして。

「ここか?」

 つぷっと埋め込んだのは、なじみの尻の穴であった。

「うひゃあッ! ちッ違いますッ!」

 口の時よりだいぶ鬼気迫っていたので、結構嫌なのだろうか。
 慣れていないとただ気持ち悪いだけなのは分かる。素質の有無もあると思うし。
 そういえば昔エロステータスで見た気がするのだが、さて尻穴の素質はどうだったか・・・。

 まあ本命でもないので別に良いのだが。

「それじゃあ・・・さて、どこなのかな?」
「ふーっふーっふーっ・・・」

 指を引き抜いて聞き直す。
 荒い息は虚空を白く濁すほどに熱く、その体は融解した金属の様に真っ赤だ。
 特に顔などリンゴかと見まがうほど。

 この痴態がすべて俺の手で作られたものかと思うと、彫刻家が作品を仕上げたときの様な充足感がある。

「まっ・・・」
「マンティコア? いきなり何を言ってるんだ。はっきり言いなさい」
「ち、膣に・・・」
「もっとわかりやすい言い方があるだろう? 良いカッコしたって俺には無意味なんだ、下品で分かりやすい言い方をしなさい」
「まんこに、ご主人様のちっ・・・ちん、ぽをください」
「よく言えました」

 また頭をなでなで。
 しゅるりとタオルをほどき、台所から持ってきたハサミで結束バンドを切る。

 そうしてタオルの下から出てきたなじみの表情はまさにトロトロ。
 相当気持ち良くないとこうはなるまい。

「ベッド、行こうか」
「はい」

 成熟と未成熟の狭間にある肢体を持ち上げ、ベッドに転がす。
 仰向けになったなじみ全身からは俺を誘う芳香が立ち上り、それに当てられて俺の息子も勃ち上がる。

 窮屈な服を捨てるように脱ぎ、鞭代わりのベルトをテーブルの上に放り投げ、なじみの上にのしかかる。

「あん♪」
「おっと、痛かったか?」
「全然。でもケーくんが近づいてきたから、それだけで嬉しくって」

 やっぱりベッドの上だと恋人モードになるらしい。
 しかし俺個人としてはいちゃつく様なセックスも好きなので、何ら問題ない。
 むしろ一粒で二度おいしいまである。
 ただ、原理が全く分からない。

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
「事実だもーん」
「知ってるよ」

 そう言ってからなじみの頬にキスをする。

「んっ・・・唇じゃないの?」
「ずっと唇ってのも芸がないじゃないか」
「芸がなくても愛があるじゃん」
「愛だけで生きていけるほど、世の中は甘くないのさ」
「私はケーくんが一緒ならどこでも生きていけそうだけど」
「金がなきゃ飯も買えないだろ? 兼ね合いが大事ってわけよ」
「うまいので座布団の代わりに私を進呈しまーす」
「ずっと前から貰ってるよ」
「うん。だからもう一回、ね?」

 片腕でさらりとなじみの頬を撫で、反対側を舐めて、ゆっくりと一物を挿入した。

「んっ・・・ふあっあっ・・・」

 じわりじわりとなじみの中を進み、その度になじみが薄く喘ぐ。
 そこの締まりは依然健在でありながらも、吸い上げるように俺の愚息を受け入れていく。

 やがて一番奥まで突き刺さり、二人の境界は曖昧になる。

「ああ~~・・・幸せ」

 なじみが呟く。

「ふふっ。ケーくんと繋がる度に『女の子に生まれてよかったぁ』って思う」
「俺だってなじみに入る度に思ってるさ」

 呑気に話しちゃいるが、もうずっとぎゅうぎゅうに締め付けられている。
 俺じゃなかったら情けなく吐精していること間違いなしだ。

「よし、動くぞ」
「あっ待って」

 いざ腰を引こうとしたところでなじみから制止された。

「あのね、体勢変えてしよ」



 なじみが俺に望んだのは、対面座位だった。
 しどろもどろになりながら解説していたが、名称が出てこなかったのだろう。
 いよいよなじみの性知識がどうなっているのか興味深い限りだが、それはひとまず置いておく。

「えへへ、これぎゅーってできるから好き」

 本当にぎゅーっとしながらなじみが言う。

「んじゃ、動くぞ」
「うん、来て」

 まあこの体位だと突き上げるのはしんどい。
 そのため体を揺さぶって奥を刺激する形になるが、普通のピストンよりは弱い。
 密着感で刺激を補う体位である。

 俺自身もまた、その例に漏れない。
 ゆらゆらゆさゆさと擦り付けるように動くばかり。

「んっ・・・あっ・・・」

 明日も学校があることを考えると、程々に抑えておいた方がいいだろう。
 発狂するような快楽地獄はお休みだ。

 代わりに退廃と堕落に満ちた愛情攻勢でどろどろに甘やかすとしよう。

 もはやおなじみとなりつつある背中への愛撫を開始する。
 これまた刺激としては下の下。しかし直接的でない精神への愛撫とでもいうべきものは、確実になじみを高みへ導く。

 強い刺激は最低限だ。
 絶頂への決め手にのみ使う。

 舌を大きく使ってなじみの鎖骨を舐り上げる。
 びくびく震える体に愛おしさを感じながら、背中とは違う手でうなじを撫でる。
 これまたびくりと体が震えて体温が上がる。

 潤んだ瞳に懇願されて、俺はなじみの唇にキスをしていた。

 正直キスする気はなかったのだが、なじみに願われればしょうがない。
 うなじを撫でていた手を後頭部まで登らせ、こちらの唇へ押し付ける。
 代わりに背中を撫でていた手は尾骶骨付近まで下げた。

「ふみゅう、お尻の穴には絶対入れちゃだめだからね?」
「はいはい」

 どうやら相当嫌なようだ。
 たとえ肉体的な素質があったとしても、精神的な所で拒絶しているのだろう。
 心が拒絶しているなら、それを強引にするのはもはや強姦だ。

 ともかくなじみの忠言に従い、さわさわと尻と腰の境界を触りながらキスを続けた。

 舌とともに全身を絡ませ合いながら俺となじみは愛し合う。

 しばらくそうしていたら、何やらなじみの表情が段々曇っていく。

「・・・どうした?」
「・・・あんまり気持ち良くないんじゃないの?」

 はて。いきなり何を言うのか。
 実際のところ、全力でピストンしていた時と比べれば俺が得ている快楽は小さい。
 しかしそれは体位の相性の問題である。対面座位は幸福感と密着感を楽しむ物で、性感を楽しむためのものではないからだ。

 そこに関してはなじみも同じだと思うのだが。

「まあ気持ちいいって程ではないな。今は、幸せって気持ちの方が大きい」

 抱きしめる力を強める。

「それは、私もそうだけど。でもあんなに私を気持ちよくしてくれたんだから、一緒に気持ちよくなってくれないと嫌」

 え?
 もしかして気持ちよくしてくれたって、さっきのスパンキングの事?
 割と気が引けるんだけど。
 こう・・・価値を知らない奴から貴重な物品を買い叩いたみたいな感じで。

 なんだろう、貿易業が儲かるのってこういう感じ?

「どうしたの?」
「ああいや、うん、その気持ちは嬉しんだけど・・・こう、等価交換が成り立っていない様な」
「?」
「わかんないならいいや」

 段々俺も何言ってるのかわからなくなってきたし。

「むっ」

 なじみが少しむくれたような表情をして、体のゆすりを強めた。
 その腰がとてもいやらしくグラインドする。

「んっ・・・あっ・・・ふやッ・・・」

 動く度になじみの喘ぎが脳髄を犯し、俺の精神を摩耗させる。
 段々動きが大きくなる。

「んやッ、そこっ・・・」

 ある一点を擦ったとき、声の艶が一層盛り上がった。
 女陰の『良いところ』はそこなのだろう。
 なじみはそこを重点的にこすりつけ、どんどん声が大きくなっていく。

 いよいよ本格的に締まりだして、俺の愚息は虫の息だ。

「出してッ。出してッ、私の中に、一杯・・・!」

 その懇願を聞いて、俺の体は思わず射精の準備をする。

「出すぞッ!」
「来て、中に、全部ッ!」

 その超能力の全てを使い、なじみに最上の快楽を与えながら精液を注ぎ込む。

「んあっあああああああああ!!」

 お互いの体がビクビク跳ね回るが、お互い抱きしめているから安定はしている。

「・・・ふう」
「んはあ・・・気持ちよかったぁ・・・」

 トロ顔のなじみにキスをして、ゆっくりと逸物を抜き去る。
 ごぽりという音はなじみの中から精液が流れ出した音だろう。見えないけど。

「今日は、最後まで起きてた」

 しばらくベッドの上でお互い弛緩した後、ゆっくりとなじみが話し出す。

「これで、一杯気持ちよくできたかな?」
「当然だろ。というか、それ以前からずっと一杯気持ちよかったよ」

 明日学校とか、冷え切った夕食とか、ガビガビのシーツとか。
 そういう鬱な現実から目を逸らして、そのままピロートークに興じるのだった。
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