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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
別人ってワケじゃないんですよ
しおりを挟む見れば、いつの間にか魔王軍が保持する飛龍部隊が、鎖のようなものでバケモノの動きを封じている所だった。仕事が早い。クラスの連中は此処ぞとばかりに、奴から離れて休憩をとっている。
「……まあ、良い。お前らはそのままアレの動きを封じていろ」
「かしこまりました!」
なにが嬉しいのかルージオは満面の笑みで、俺の言葉に答えた。まるで犬のように。
「なんだか彼、性格変わってないかい!?」
「こちらのリュージはあまり好きではないのですが、今は仕方ありませんか……」
リトとシータが何か言っているが、今は無視。最優先すべきは敵の殲滅。アレは放置してはいけない害悪だ。
「別に城ごと吹き飛ばしても問題ないだろう? アレと同じものがあったら厄介だ」
最初にコアが置かれていた研究所のような場所。どうせ城の敷地内にあるんだろう。一切合切吹き飛ばせば後腐れもない。
「いやいやいやっ! 流石に召喚陣くらいは残して欲しいんだけどなあ!?」
リトが慌てて言いつくろう。
「断る。だいたい何のために血を提供したと思ってる?」
世界の座標とやらをどうにかするために提供したんだろうが? 俺の分で足りないならば、クラスの連中からもかき集めればいい。
そもそも召喚陣だけ残すのが面倒だとは言わない。ある程度、俺の性格は理解しているだろうから言わずとも、そんな細かなコントロールなど出来ないと承知しているだろうに。それにこの国の上層部――どれだけ残ってるのかは知らない――が、二度と馬鹿な真似をしないように消し去ってやるのが親切というものだろう?
「それは『親切』とは少し違う気がしますが……」
「――問題ない」
「問題有りまくりだからね!? 森羅君だっけ? 彼、飛べるんだから真上からブレスを吐かせればいいじゃないかぁ!」
どうあっても召喚陣だけは確保したいリトが食い下がってくる。理由は研究速度に差が出るとか、そんなところだろうが……。鬱陶しい事この上ない。どうにかするにはある程度の妥協も必要か?
「…………仕方ない。城ごとは止めておく」
「本当かい!? ありがとう!!」
途端に笑顔になり上機嫌になるリト。こいつもルージオと同類の犬系か……。
さて、森羅。もうそろそろ準備万端だろう? 俺の問いに「是」と思念が返ってきた。……さあ、バケモノを消し去りに行こうか。
「……面倒だが、上空から狙い撃つぞ」
本当に面倒だが約束してしまったのだから仕方がない。コクリとうなずく森羅。それに乗って空高く舞い上がり、ベストポジションへ。
『マリョクヲヨコセェェー!!』
ついに思考すら放棄したのか、片言で叫びながら森羅に手らしきものを伸ばすアルスター王だったモノ。魔族の部隊に拘束されているので当然こちらには届きもしないが、あまり気分の良いものではない。さっさと始末するに限る。
「――やれ、森羅」
「グルォォォ――!!」
空気を震わせる唸り声が響くと同時に放たれた森羅のブレスが、バケモノを呑み込み地面を深くえぐる。巻き上がる砂ぼこりで視界がふさがれた。……果たして奴は再生してくるか否か。まあ、無いだろうな。
*
森羅さんの放ったブレスの跡に残ったのは、ちょっとしたクレーターだった。すり鉢みたいになった穴の底はどろっどろに溶けた溶岩みたくなっていて、生物の気配は無い。ちなみに城の敷地が一部含まれている。……やばい、あそこが召喚陣のある所とかだったりしたら、リトが発狂してしまう!
「リュージ!」
「おう、シータ。巻き込んでなくて何より」
「……あら、今回は自然に元に戻ったのですね?」
シータの言葉で、ささくれていた心が穏やかになっているのに気付いた。森羅さんもいつの間にかデフォルメボディに戻っている。シータの背後ではコボルト君ちゃんさんが、心なしか残念そうに振り上げた棍棒を下ろしていた。……って、そう毎度殴り倒されてたまるか!
「……やりましたの?」
――ちょおっ、待っ、それフラグやシータさん!!
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