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チャリ、放置ダメ!ゼッタイ!(ユウシ side)
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ミヤビの家の近くにチャリを止めて、地面に降りた途端、俺は何故かミヤビに急に腕を引かれて彼の家の中に連れてかれた。
うん。これ自体は別に間違いじゃないんだけど、ちょっと待ってくれ!
俺とミヤビのチャリ、スタンドかけ忘れてるから、地面に倒れてるんだけど!?
ああああ気になる!でも、ミヤビの家族に挨拶しなきゃだし、どうすれば…。
「おっ!おかえりミヤ。そして、隣にいるのがユウシくんかな」
「あ。ただいま、兄ちゃん。そう、つい流れで俺の家に呼ぶことになって」
あああああ!玄関に脩さんいるってぇ!
数日前に会ったばかりだけど、ここはミヤビの家だから、緊張するってぇ!
でも、チャリ…。チャリが気になる!
俺はミヤビに腕を掴まれた状態で、玄関の中をソワソワさせる。
それに気付いた脩さんは、首を傾げた後に、心配そうな声をかけた。
「ん?どうしたんだ、ユウシくん。トイレか?」
「えっ!?ユウシ、トイレ行きたいの?ごめんごめん、今から手を離すわ」
「ファッ!?えっ、いやいや、トイレじゃなくて…」
どうしよう!トイレだと思われた!
俺はチャリを戻したいと思ったけど、出来そうにないからソワソワしてるってだけでぇ!
ああもう、ここは何がなんでも声をかけて一旦ここを出よう!
そう決心した俺は、ミヤビと脩さんに向かって、声を張り上げた。
「えっと、俺、チャリが心配なので出ます!!」
「へ?ユ、ユウシ?ちょっ、どこいくんだよ!」
うわあああ!!ミヤビが止めようとしてるけど、振り切る!
そして、家を出た近い場所に倒れたチャリを見つけると、息を整えて、それらを立たせてスタンドをかけた。
ふぅ。これで一安心だ。早くミヤビの家に戻ろう。
「…あ。ユウシ、俺のチャリ、戻してくれたんだ」
「ハッ!ミヤビ…。おう、なんか気になって。だめだぞ~ミヤビ。さっき慌てて俺の腕掴んで家入れただろ?もしチャリ乗ってなかったら、それでもよかったけど。もしここでチャリが倒れたままずっと放置してたら、砂まみれになってたかもしれないぞ?」
「う…。ごめん、ユウシ。なんか、お前をばぁちゃんに紹介するの、緊張しちゃって。だったら、早くユウシをばぁちゃんたちに紹介して、俺の部屋にあげた方が、緊張和らぐかなって。…ユウシ、焦ってごめん」
「ミヤビ…」
くぅぅぅ!ミヤビが可愛い!!
なんでミヤビがチャリを放っておいて、家の中に連れてきたのか、すっごく分かった!可愛い!
そんなミヤビの可愛すぎる動機に、俺はトキメキのあまり、胸を押さえてその場に蹲った。
そう、そうだよなぁ!誰しも家に恋人を呼ぶのは緊張するよなぁ!
だからと言って、チャリ放置された時は慌てたけど、今なら納得できる。
しばらく俺は、その場で深呼吸をした後に立ち上がり、心配そうに見ているミヤビを正面から抱きしめた。
「わっ?ユ、ユウシ!?」
「はぁ~可愛い。そんな理由なら、許しちゃう!ミヤビは、早く緊張から解放されたかったんだよな。けど、やっぱり慌てるのは良くないよな、俺もミヤビも。だから、これからミヤビの家に入る時は、お互い緊張しちゃうけど、落ち着いて行動しような」
「…わ、分かった…」
俺の言葉を理解してくれたミヤビは、おずおずと両腕を俺の背中に回して抱きしめ返してくれた。
それだけでもう幸せで、俺は全身で幸福感を感じて、ミヤビをより強く抱きしめた。
けれど、この時はまだ知る由もなかった。ミヤビが感じている気持ちは、俺とは少し違っていたということを。
うん。これ自体は別に間違いじゃないんだけど、ちょっと待ってくれ!
俺とミヤビのチャリ、スタンドかけ忘れてるから、地面に倒れてるんだけど!?
ああああ気になる!でも、ミヤビの家族に挨拶しなきゃだし、どうすれば…。
「おっ!おかえりミヤ。そして、隣にいるのがユウシくんかな」
「あ。ただいま、兄ちゃん。そう、つい流れで俺の家に呼ぶことになって」
あああああ!玄関に脩さんいるってぇ!
数日前に会ったばかりだけど、ここはミヤビの家だから、緊張するってぇ!
でも、チャリ…。チャリが気になる!
俺はミヤビに腕を掴まれた状態で、玄関の中をソワソワさせる。
それに気付いた脩さんは、首を傾げた後に、心配そうな声をかけた。
「ん?どうしたんだ、ユウシくん。トイレか?」
「えっ!?ユウシ、トイレ行きたいの?ごめんごめん、今から手を離すわ」
「ファッ!?えっ、いやいや、トイレじゃなくて…」
どうしよう!トイレだと思われた!
俺はチャリを戻したいと思ったけど、出来そうにないからソワソワしてるってだけでぇ!
ああもう、ここは何がなんでも声をかけて一旦ここを出よう!
そう決心した俺は、ミヤビと脩さんに向かって、声を張り上げた。
「えっと、俺、チャリが心配なので出ます!!」
「へ?ユ、ユウシ?ちょっ、どこいくんだよ!」
うわあああ!!ミヤビが止めようとしてるけど、振り切る!
そして、家を出た近い場所に倒れたチャリを見つけると、息を整えて、それらを立たせてスタンドをかけた。
ふぅ。これで一安心だ。早くミヤビの家に戻ろう。
「…あ。ユウシ、俺のチャリ、戻してくれたんだ」
「ハッ!ミヤビ…。おう、なんか気になって。だめだぞ~ミヤビ。さっき慌てて俺の腕掴んで家入れただろ?もしチャリ乗ってなかったら、それでもよかったけど。もしここでチャリが倒れたままずっと放置してたら、砂まみれになってたかもしれないぞ?」
「う…。ごめん、ユウシ。なんか、お前をばぁちゃんに紹介するの、緊張しちゃって。だったら、早くユウシをばぁちゃんたちに紹介して、俺の部屋にあげた方が、緊張和らぐかなって。…ユウシ、焦ってごめん」
「ミヤビ…」
くぅぅぅ!ミヤビが可愛い!!
なんでミヤビがチャリを放っておいて、家の中に連れてきたのか、すっごく分かった!可愛い!
そんなミヤビの可愛すぎる動機に、俺はトキメキのあまり、胸を押さえてその場に蹲った。
そう、そうだよなぁ!誰しも家に恋人を呼ぶのは緊張するよなぁ!
だからと言って、チャリ放置された時は慌てたけど、今なら納得できる。
しばらく俺は、その場で深呼吸をした後に立ち上がり、心配そうに見ているミヤビを正面から抱きしめた。
「わっ?ユ、ユウシ!?」
「はぁ~可愛い。そんな理由なら、許しちゃう!ミヤビは、早く緊張から解放されたかったんだよな。けど、やっぱり慌てるのは良くないよな、俺もミヤビも。だから、これからミヤビの家に入る時は、お互い緊張しちゃうけど、落ち着いて行動しような」
「…わ、分かった…」
俺の言葉を理解してくれたミヤビは、おずおずと両腕を俺の背中に回して抱きしめ返してくれた。
それだけでもう幸せで、俺は全身で幸福感を感じて、ミヤビをより強く抱きしめた。
けれど、この時はまだ知る由もなかった。ミヤビが感じている気持ちは、俺とは少し違っていたということを。
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