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第8章 すてきな夜会!
(3)楽しいダンスを!
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お嬢さまと執事のペアが向かい合う。わたしも、ロゼと手を取り合った。いつもより近い距離に、きらきらのロゼのひとみがある。かわいい……。
「リリイ、緊張してる?」
「……ちょっとだけ」
練習はたくさんしてきたけど、大丈夫かな。
と、そこでロゼがわたしの手を離して、頬に触れてきた。ロゼとの距離がもっと近くなる……って、えっ!?
「リリイなら、平気よ。自信をもって。わたしの自慢の執事なんだから。ね?」
至近距離で、わたしは、ロゼを見つめた。吸い込まれそうな赤いひとみに、わたしが映ってる。
「自慢の執事……か。うん! ありがとう、ロゼ」
「ええ。楽しみましょう、リリイ!」
どこからともなく、音楽が流れだす。なめらかなメロディーは、静かな夜にぴったり。音に身をゆだねれば、自然と身体が動く。よし、ちゃんと踊れてるんじゃない!?
「リリイ、ダンスがうまくなったわね。さすがだわ!」
「ほんと? よかった! シトリンに感謝しないとだね!」
「え? どうして?」
「練習につき合ってもらったことがあるんだ。アドバイスもくれて、助かったんだよ」
ロゼはぽかんとして、「そうなの? いつ?」と聞いてきた。
「ロゼが使い魔をひとりで捜しに行ってた、休みの日に」
「……へえ、わたしの知らないところで、いつのまにか仲よくなっていたのね」
ぷくっとロゼの頬がふくらむ。やきもち、かな?
「あはは、いなくなるロゼが悪いんじゃん」
「今度からは大丈夫よ。お休みの日も、リリイと一緒にいるわ」
音楽にあわせて、ロゼがくるりとターンする。ドレスがふわっと揺れた。
『いたっ!』
『ちょっと、じゃまよ!』
ん? なんだろう……? お嬢さま同士でぶつかる事故が、たくさん起きてるみたい?
「あら。みんな、先生に見てもらいやすい場所で踊りたくて、ポジション争いになってるのね。ご褒美がほしいのよ」
「ああ、なるほど。部屋が豪華になるご褒美ね……。ロゼは、ご褒美ほしい?」
ロゼはすこし考えてから、首をふって、照れくさそうにささやいた。
「わたしはそれよりも、リリイと楽しく踊りたいわ」
「……うん。わたしも」
みんなを見返すために、夜会のダンスで一番になろうって思ったこともあったけど……。でも、ほかのペアとぶつかりながら踊るのは、嫌だな。いまは、この時間を楽しみたい。ロゼも同じ気持ちなら、うれしいよ。
「うまくリードするね。任せて、ロゼお嬢さま」
笑ってロゼの手をひいた。ほかのペアとぶつからないようにしなきゃ。
「もう、リリイったら、かっこいいわね。……ありがとう。いま、すごく幸せよ」
ロゼが頬を染めて、ふわりと笑ってくれた。それだけで、わたしも幸せだ。
一曲が終わるころになると、ほかのお嬢さまたちはみんな疲れた顔をしていた。でも、わたしとロゼは笑ってた。すぐにつぎの曲がはじまる。よーし、もう一曲楽しもう! ――と思ったら。
「リリイ、ちょっと抜けだしましょうか」
ロゼはわたしの手を引いて、ダンスホールを出ちゃった。えええっ、ダンスは!?
「リリイ、緊張してる?」
「……ちょっとだけ」
練習はたくさんしてきたけど、大丈夫かな。
と、そこでロゼがわたしの手を離して、頬に触れてきた。ロゼとの距離がもっと近くなる……って、えっ!?
「リリイなら、平気よ。自信をもって。わたしの自慢の執事なんだから。ね?」
至近距離で、わたしは、ロゼを見つめた。吸い込まれそうな赤いひとみに、わたしが映ってる。
「自慢の執事……か。うん! ありがとう、ロゼ」
「ええ。楽しみましょう、リリイ!」
どこからともなく、音楽が流れだす。なめらかなメロディーは、静かな夜にぴったり。音に身をゆだねれば、自然と身体が動く。よし、ちゃんと踊れてるんじゃない!?
「リリイ、ダンスがうまくなったわね。さすがだわ!」
「ほんと? よかった! シトリンに感謝しないとだね!」
「え? どうして?」
「練習につき合ってもらったことがあるんだ。アドバイスもくれて、助かったんだよ」
ロゼはぽかんとして、「そうなの? いつ?」と聞いてきた。
「ロゼが使い魔をひとりで捜しに行ってた、休みの日に」
「……へえ、わたしの知らないところで、いつのまにか仲よくなっていたのね」
ぷくっとロゼの頬がふくらむ。やきもち、かな?
「あはは、いなくなるロゼが悪いんじゃん」
「今度からは大丈夫よ。お休みの日も、リリイと一緒にいるわ」
音楽にあわせて、ロゼがくるりとターンする。ドレスがふわっと揺れた。
『いたっ!』
『ちょっと、じゃまよ!』
ん? なんだろう……? お嬢さま同士でぶつかる事故が、たくさん起きてるみたい?
「あら。みんな、先生に見てもらいやすい場所で踊りたくて、ポジション争いになってるのね。ご褒美がほしいのよ」
「ああ、なるほど。部屋が豪華になるご褒美ね……。ロゼは、ご褒美ほしい?」
ロゼはすこし考えてから、首をふって、照れくさそうにささやいた。
「わたしはそれよりも、リリイと楽しく踊りたいわ」
「……うん。わたしも」
みんなを見返すために、夜会のダンスで一番になろうって思ったこともあったけど……。でも、ほかのペアとぶつかりながら踊るのは、嫌だな。いまは、この時間を楽しみたい。ロゼも同じ気持ちなら、うれしいよ。
「うまくリードするね。任せて、ロゼお嬢さま」
笑ってロゼの手をひいた。ほかのペアとぶつからないようにしなきゃ。
「もう、リリイったら、かっこいいわね。……ありがとう。いま、すごく幸せよ」
ロゼが頬を染めて、ふわりと笑ってくれた。それだけで、わたしも幸せだ。
一曲が終わるころになると、ほかのお嬢さまたちはみんな疲れた顔をしていた。でも、わたしとロゼは笑ってた。すぐにつぎの曲がはじまる。よーし、もう一曲楽しもう! ――と思ったら。
「リリイ、ちょっと抜けだしましょうか」
ロゼはわたしの手を引いて、ダンスホールを出ちゃった。えええっ、ダンスは!?
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