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第7章 二度目の実践授業は大ピンチ!
(10)一発逆転、いける⁉
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今度はロゼもいっしょに、しーさんの背中に飛び乗った。イエローさん、わたし、ロゼの順番で背に乗る。しーさんが走り出すのと、ツルがすべて切れるのが同時だった。
またはじまる、地獄の鬼ごっこ。それでも今度はロゼがいる。それだけで不思議なくらい、心が落ち着いた。
「つぎ、どうする? このまま逃げ切るのは難しいよ! 仮に逃げられても、魔犬をどうにかしなきゃ、他のお嬢さまたちも危険だし!」
「リリイは、あいかわらずやさしいわね。いいわ、なにか手を打ちましょう!」
だけど、魔法のツルで縛っても、また千切られて意味がない気がする。
じゃあなにができる? 落とし穴とか、牢屋をつくるとか?
でも短時間で、用意できるかな? どうしたら――。
「ねえ、ロゼさん!」
イエローさんが叫んだ。
「わたしの魔法も使えるようにできます!? 魔法があれば、なんとかしてみせますわよ!」
「なんとかって!?」
「そこは……、いまから考えますわ!」
「なによそれ!」
(……あー、もう、仕方ないなあ、このふたりは)
こんなときでも、ふたりの言い合いは止まらないんだ。でも、いつもどおりのふたりのおかげで、わたしも平常心がもどってきたよ。
……ここって、森のどのあたりだろう。どんどん木がすくない場所に進んでいるみたい。
「うわっ!」
突然、大きく揺れた。しーさんが、つまずいたせいだ。ふり向けば、しーさんが蹴った地面がぼこっとへこんでいた。なんかこのあたり、地面がでこぼこしてる気が……、しーさんも走りづらそうだし。
(……ん? なんか、それって――……)
もう一度、あたりを見回す。やっぱりそうだ!
「ねえ、ロゼ、イエローさん! わたしに、ひとつ、考えがあるんだけど!」
「え?」
「一発逆転の魔犬捕獲作戦、思いついたかもしれない!」
またはじまる、地獄の鬼ごっこ。それでも今度はロゼがいる。それだけで不思議なくらい、心が落ち着いた。
「つぎ、どうする? このまま逃げ切るのは難しいよ! 仮に逃げられても、魔犬をどうにかしなきゃ、他のお嬢さまたちも危険だし!」
「リリイは、あいかわらずやさしいわね。いいわ、なにか手を打ちましょう!」
だけど、魔法のツルで縛っても、また千切られて意味がない気がする。
じゃあなにができる? 落とし穴とか、牢屋をつくるとか?
でも短時間で、用意できるかな? どうしたら――。
「ねえ、ロゼさん!」
イエローさんが叫んだ。
「わたしの魔法も使えるようにできます!? 魔法があれば、なんとかしてみせますわよ!」
「なんとかって!?」
「そこは……、いまから考えますわ!」
「なによそれ!」
(……あー、もう、仕方ないなあ、このふたりは)
こんなときでも、ふたりの言い合いは止まらないんだ。でも、いつもどおりのふたりのおかげで、わたしも平常心がもどってきたよ。
……ここって、森のどのあたりだろう。どんどん木がすくない場所に進んでいるみたい。
「うわっ!」
突然、大きく揺れた。しーさんが、つまずいたせいだ。ふり向けば、しーさんが蹴った地面がぼこっとへこんでいた。なんかこのあたり、地面がでこぼこしてる気が……、しーさんも走りづらそうだし。
(……ん? なんか、それって――……)
もう一度、あたりを見回す。やっぱりそうだ!
「ねえ、ロゼ、イエローさん! わたしに、ひとつ、考えがあるんだけど!」
「え?」
「一発逆転の魔犬捕獲作戦、思いついたかもしれない!」
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