悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい

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第4章 迷いの森で、実践授業!

(1)迷いの森で四人一組

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「さあ、みなさん。今日は魔法の実践授業です」

 ソフィ先生が、パンパンと手を叩いて、みんなの注目を集める。

 今日のわたしたちは、学園を囲う森の中にいた。こんもりと木々がおおっていて、校舎がどっちの方角にあるかも、もうわからない。

「この森に、いつもより強力な『迷いの魔法』をかけてあります。日暮れまでに、自分たちの力で、校舎にもどってくること。四人一組のグループで行動してもらいます」

 迷いの魔法は、その名のとおり、道に迷っちゃう魔法らしい。

「今回の魔法は強力ですから、へたをしたら、一生森から出られませんからね」

 ……いやいや、怖すぎでしょ。

「それから、東の森には近寄らないように。上級生の魔法授業のせいで土地が弱っていて、地面に穴が開きやすくなっています。危険ですから、立ち入り禁止ですよ」

 どんな授業したら、地面が穴ぼこになるの!? もう、突っ込みどころありすぎ! さすが悪魔の学校!

「ではみなさん、グループを確認してから、行動はじめ!」

 先生の言葉で、お嬢さまたちに配られていたメダルが、ぱあっと金色に輝いた。

「四人一組。このメダルで決まるみたいね。わたしたちは……、Cグループですって」

 ロゼの手もとを見ると、それまで無地のメダルだったのに、Cって刻印されていた。

 お嬢さまと執事は、当然ワンセット。四人一組ってことは、もうワンセット、お嬢さまと執事がいるはずで……。

「あら、あなたたちが同じグループですのね。よろしくお願いしますわ~」

 わたしたちの会話が聞こえたのか、金髪をなびかせて歩いてくる子がいた。

「ロゼさんとリリイさんは頼りないですし、わたしがリーダーになってあげますわねっ!」

 うわあ、なんかテンション高めのお嬢さまだ。入学式の日に、わたしをからかってきた子だね。名前は、イエローベリルさん。みんなからは、イエローさんって呼ばれてる。

 イエローさんはさっそく「行きますわよ!」と歩き出した。って、ちょっと待って!

「イエローさん、勝手に行かないで! 四人一組は一緒に行動しなきゃですよ!」
「いや~、すみませんね、うちのお嬢が。悪気はないんで、許してあげてください」

 あわてるわたしに、執事服を着た男の子が笑って声をかけてきた。イエローさんの執事だ。イエローさんより鈍い色の金髪。すらっとした長身はモデルみたいで大人っぽい。だけど、人なつっこい目をしていた。執事服は、ちょっとだけ着崩してる。

 名前はえーと、たしか……。

「シトリンだよ。よろしく、リリイ」
「あ、そうそう。シトリンさん!」

 ロゼがふむ、と指先をくちびるに当てた。

「イエローベリルもシトリンも、宝石の名前よね。……いかにも、お金持ちっぽいわ」
「さすが特別入学のロゼさん。物知りですね」

 シトリンさんはロゼにほほ笑んでから、わたしに向き直った。

「『さん』はいらないから、シトリンでいいよ。同じ執事仲間だからね、仲よくしよ」
「え、いいの?」
「もちろん~」

 おお、ロゼ以外のクラスメイトとちゃんと話せたのって、はじめてかも!

「ありがとう、シトリン。こっちこそよろしく」
「あなたたち~、早くいらっしゃったら? 夕方までにもどれませんわよ~?」

 遠くでイエローさんが手をふっている。そうだった、そろそろ行かないと! 実践授業、開始だね!
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